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 お婿にいった四+カカのお話
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 四代目とカカシの絆を知って、
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 【2部】 ぶらっく・るしあん-4話
 【3部】 ぶれいぶ・ぶる7話
 【Epilogue】 そして、恋

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  春霞-4話
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4話
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  波の国任務の少しあと
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  月読-5話 -キリリク話-
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  月読 後日談


  テキーラサンライズ−19話
 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
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 ※途中、18禁あり
  プロローグ  本編  エピローグ



  La recommandation
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-ヤマカカな話-

  再会-Reunion-  第二部





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2007年09月02日(日)
た〜にんぐ・ぽいんと 4)



まさか昼間から遊里に足を運ぶわけにもいかず、ボクは夜まで待った。
やるべきことが決まったおかげで、有効に時間を使えた。

とりあえず、日課たる基礎鍛錬を終え、食料品の買い出しに行った。
先輩がいつ来ても大丈夫なように、酒も買う。
それから、切れかけていた洗剤も買った。
帰宅してからは、部屋の掃除だ。
布団を干し、昨日、ドロドロになったシーツは洗濯する。
それらの作業は夕方には終わり、暮れるまでボクは窓から外をぼんやり眺めた。

任務かもしれない。任務ではないかもしれない。
どちらでもいい。
先輩がボクと別れない限り、ボクたちの間に「終わり」はない。
だれかと先輩を共有するのは耐え難い。
けれど、先輩を失うのはもっと耐え難い。
ならば、答えは決まっている。
耐え難きだって、耐えてみせるさ。
ふん、とボクは鼻息も荒く決心して、暮れなずむ街に出た。

遊郭には、任務がらみで潜入したこともあるし、カカシ先輩の隊に配属になる前、隊の先輩たちに連れられて来た事もある。
だから一通りの作法は知っている。
しかし、居続けている先輩を訪ねる、というのは、いかがなものか、と思う。
桜花楼と店の名も知っていて、もちろん場所も確認したのだが、どうにも気後れする。
特にその店が、メインの通りに面した格式高い大店だと知っては、敷居も高くなろうというもの。
勢いでここまで来てしまったものの、遠くに桜花楼を確かめて、ボクはしばらく逡巡した。
どう言えばいいのだろう?
先輩がしらばっくれたら?
いや、任務がらみだとしたら、先輩は確実にしらばっくれるだろう。
任務がらみでないとしても、しらばっくれるかもしれない。
それにボクは、どの面さげて、先輩の前に出ればいいのか?
いや、そもそも先輩のところに到達できるのだろうか。
来たのは失敗だったか?
予想していたよりも余程地味なつくりの店構えを遠めに見て、ボクは己の行動を決めかねていた。

「もし」と声をかけられたのは、腕組みして桜花楼を睨んでいる、まさにそのときだ。
おそらく眉間にしわでもよっていたのだろう、振り向いたボクに声をかけた相手は、「おっと」と両手のひらを見せた。
「なんぞ、ウチに御用でも?」
こざっぱりした着流し姿だが、その男が忍なのはわかった。
「ウチの? ということは桜花楼の?」
「はい、用心棒を務めさせていただいております、シンと申します」
ああ、遊里に忍んで情報収集やら繋ぎやらをする……と納得して、ボクは頭を下げた。
「用があるわけではありません。ただ」
言いかけて、言葉を失う。先輩を探しに来た、だなんて、どの面下げて言えるだろう。
結局、ボクは先輩に会いたいだけなのだから。これじゃ、ストーカーみたいなものじゃないか。
「こんな大店で遊ぶのは、どんな方たちなのかなと……大店に上がれない者のひがみです」
なんとかこれでごまかされてくれ、と願うボクを、彼は一瞥した。
「もしやお手前は、カカシさんの隊の方では?」
咄嗟に殺気を放ったボクを、彼は再び「おっと」と制した。
「暗部の方相手に、ぶ躾な質問でしたか」
ギラ、と強い視線がボクを捕らえる。
なるほど、一般人の間に忍んでいる者の凄みとは、こういうことかとボクは納得した。
ここぞ、という、その一瞬で己の力量を相手に悟らせる。
もちろん戦いの場で対峙すれば、勝つ自身はある。しかし、ここはそうではない。
生身の人間のあしらいに関しては、ボクなどまだまだひよっこだ、と素直に思えた。
「まだ経験も浅いもので、こちらこそ失礼しました」
ここは、おそらく年下であろうボクが引くのが常道だ、と判断し、頭を下げる。
「なるほど、カカシさんの教育が行き届いている」
にっ、と笑った彼は、ボクを手招きした。
「カカシさんがお待ちです」

きらきらと夜目にもまばゆい灯りの下、無粋な正規部隊のベスト姿でボクはシンさんとやらの後を付いて歩いた。
「この格好で……大丈夫ですか?」
「ご心配には及びません。任務に出られたそのままの格好でいらっしゃる方も」
そう言われても、暮れて間もない街で同輩をみかけることはなかった。
むせかえりそうな脂粉の匂いが、通りにまで流れてくる。
纏わりつくような視線に、落ち着かなくなってきたころ、ようやくシンさんの足が止まった。
引き戸を開けると、下働きの者がすすぎを持って、すっとんでくる。
先ほど、「お待ちです」とシンさんは言った。ということは、先輩はボクが来ると予測していたのだろうか。
「こちらです」と導かれたのは、けっこうな部屋だった。ボクを案内するとシンさんはすぐに下がった。
部屋には、まだ初々しさの残る、涼しげな顔だちの太夫。彼女が三味線を弾く傍らで、脇息にもたれてカカシ先輩はくつろいでいた。
ボクを見ると「よ」と手を挙げ、「ね、オレの勝ち」と太夫に言う。
「ほんに……昨日の今日で、いらっしゃるとは」
クスクスと笑いながら、「菊香の負けです」と言うと、パンパンと手を叩く。
顔を出した下男に、禿が何事かを告げていた。
「テンゾウ、晩飯まだでしょ? 今、菊香姐さんが、うなぎをご馳走してくれるからね〜」
「うなぎ?」
「そう、精がつくよ〜」
「いや、別に疲れてませんが」
「まあ、そういわずに」
「賭けをされていたんです」と、杯を手にした先輩に酒を注ぎながら、もうひとりの禿が言う。
「賭け、ですか?」
「そ。テンゾウがいつ来るか。で、負けたほうがうなぎをご馳走するって約束」
なぜ、うなぎなのか、よくわからないのだが、これも趣向のひとつか?
首をかしげながら、ふと自分の立場を思い出した。
任務だったとしても、この菊香さんとやらと比べると、ボクは……。
最初から勝負にならないのではないか?

先輩やボクより若いだろうに、しっとりとした艶がある。
手遊びに爪弾いている三味線も、なかなかどうして、見事な腕前だ。
それにおっとりして見えるけれど、頭の回転は悪くない。
目線で二人の禿に、指示を出し――先ほどのうなぎの注文も、賭けのことを説明したのも、彼女の指示だ――、禿もそれに従えるだけの呼吸を飲み込んでいる、つまり、そう躾けられている、ということは、それだけ彼女の配慮が行き届いているということだ。バカでは、こうはいかない。
「なあに、テンゾウ。惚れちゃった?」
「バ……なに、言ってるんですか」
「あ、いま、バカって言おうとしたね。先輩に向かって」
ふん、いいもんね、どうせオレはバカだよ〜、とわざとらしく、向こうを向く。
先輩は、妙にハイテンションだ。
そう、妙に……。

「お待たせしました」
うなぎが入っているらしい重箱を掲げた男を案内してきたのは、シンさんだった。
オヤ、とボクは首を傾げる。
「あ、お茶、用意して来てくれる?」
シンさんの言葉に、禿二人は「あい」と可愛らしい声で返事をして、部屋を出て行く。
「三人前でございましたね」
出前持ちがそう言って、重箱を差し出した。
鼻先を掠める、うなぎの匂い……と。

「危ない!!」

とっさに木遁を発動していた。
まだ重ねられたままの重箱を出前持ちの手元からかっさらい、窓を破って、外へ。
そして空高くへ。

シンさんが菊香さんを抱きかかえ、ふすまを倒して隣室へ転がり、出前持ちは、あっけにとられる暇もなく先輩が拘束する。

高く、高く、とにかく被害が花街に及ばないように。
ボクはチャクラの限りに、枝を伸ばした。

数秒の後、はるか上空で爆音が響く。
まるで二尺玉でも打ち上げたかのような、腹の底に響く音、とともに、ボクから派生した一部が砕けた。