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 お婿にいった四+カカのお話
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  らすてぃ・ねーる-12話
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  ストーカー被害に合うテンゾウと
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  九夜十日
  イタチ里抜けのとき

  百年の恵み
  長期任務の小隊長を命じられるテン
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  初めての遠距離恋愛なテンカカ
  たーにんぐ・ぽいんと-8話
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   香る珈琲、そして恋 -キリリク話-
 四代目とカカシの絆を知って、
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 【1部】 だーてぃ・まざー-4話
 【2部】 ぶらっく・るしあん-4話
 【3部】 ぶれいぶ・ぶる7話
 【Epilogue】 そして、恋

  あふろでぃーて-5話 -キリリク話-
 くるみ


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  春霞-4話
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4話
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  久しぶりのカカシとの任務
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  波の国任務の少しあと
  てぃままん-3話
  波の国と中忍試験の間

  月読-5話 -キリリク話-
 月読の術に倒れたカカシを心配しつつ、
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  月読 後日談


  テキーラサンライズ−19話
 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
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 ※途中、18禁あり
  プロローグ  本編  エピローグ



  La recommandation
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-ヤマカカな話-

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2007年08月18日(土)
香る珈琲、そして恋 〜ぶれいぶ・ぶる 2)


「あのな」とイナダが顔を寄せてくる。
「この際だから、包み隠さず言う。いずれ、耳に入るだろうし、耳に入らなかったとしても、自分の知らないところでそんな噂が流れていた、なんてのは、嫌なことだと思うんだ」
ああ、とボクは曖昧に頷いた。イナダが何を言おうとしているのか、さっぱりわからない。だから、頷くしかなかったのだ。
「カカシさんと、おまえ、って、つまり、あれだろ?」
「あれ?」
「こいびと?」
「は?」
ボクの返答に、イナダが気まずそうな表情になって、ヒガタを見る。
この二人、いつも大雑把なイナダが直球勝負で、ヒガタが細かいフォローをする、というのが定番だ。
「テンゾウは、カカシさんと付き合ってるんでしょ?」
直球で聞いてきたのは、意外なことにヒガタだった。
「え?」
ボクのほうはといえば、イナダの言葉も、いまのヒガタの問いかけもすんなり頭に入ってこなかった。
「違うの?」
再度、問われてようやく、ボクは質問の意味を理解した。
「えっと……ええー!!!」
先輩とボク? 恋人? 噂?
断片的な単語が、頭のなかをぐるぐると回っている。
いや、間違いなくボクらは恋人同士(のはず)で、それは同じ小隊の鳥面や虎面も知っていて……噂?
「噂って……言ったか?」
「ほら、だから言っただろ? テンゾウは、意外とノンキなところがあるから、絶対、気づいてないって」
シシトウを咀嚼しながら、ヒガタが言う。テンパって卓をひっくり返さんばかりのボクの肩をイナダが叩き、ヒガタがなにやら串を差し出した。
「座りなよ。おいしいよ、コレ」
差し出されたアスパラのベーコン巻きの串に、半ば無意識にかぶりつく。

「あのね、落ち着いて聞いて欲しいんだけど」
言う合間にも、串焼きがヒガタの口に呑み込まれていく。
「カカシさんとテンゾウが付き合っているっていうのは、暗部の、俺らよりあとに入った新人以外には、もう、公然の秘密なんだ」
「え? うそ」
というか、嘘と言ってくれ。とボクは意味もなく、手を合わせる。
「嘘じゃないよ。チラホラそんな噂が聞こえてきたのは、去年の春ごろかなぁ」
え? それって、まだボクが付き合っていると確信さえもてないでいたころではないか。
「で、秋ごろまでは、聞こえては消え、聞こえては消え、って感じだったから、たぶん、だれも本気にしてなかったと思う。去年の夏は、カカシさん、馴染みの遊郭にしけこんでいたしな」
ああ、その間の事情は後に聞いた。
「で、秋ごろから、古参の間で賭けになったんだ」
「かけ? かけって、賭け?」
「うん、賭け」
ヒガタはグビとビールを飲んで、頷く。
「まあ、さ、下世話で下品な話だよ。あの二人が恋人同士だったら、どっちが突っ込まれてるのかって、賭け」
「下馬評では、テンゾウが突っ込まれてるだろうってのが優勢だったんだ。後輩だしな」
ああ、とボクはイナダの補足説明に返したが、クラクラと眩暈がするのを避けることは難しかった。
「もちろん、その段階でも半分以上は、その事実はないって思っていたみたいだね」
「事実はないって、つまり、先輩とボクとは」
「うん、ただの先輩と後輩。私的な、っていうか、恋愛がらみの付き合いはない、ってこと」
まあ、ふつう、そうだよな。
「だから、まあ、賭けってよりは、賭けに名を借りた飲み代の資金捻出、みたいな面もあったね。掛け金もピークになって、さて、どうやって決着をつけたらいいだろう、って段階になって、突然、本人が参加してきたんだ」
本人? ボクは知らない、ってことは、先輩? 先輩なのか?
ボクの、おそらくは怯えていただろう顔に、ヒガタは苦笑した。
「うん。カカシさん。おそらく、だいぶ前から気づいていたね、あれは。で、ボクらがオッズ表を囲んでわいのわいのやってるところに、音も気配もなく現れてさ」
怖い……怖すぎる。暗部の精鋭のなかに、気配もなく突入していくなんて、命取り。いや、この場合、気づかない暗部のほうが命取りなのか?
『おまえら、揃って賭け事の才能ないね〜。間違っても博打に手、出すんじゃな〜いよ』
先輩の声音をヒガタが真似た。思わず、振り返ったほど似ていた。
「そう言ってさ、ボクらを見回すと『突っ込まれてるのは、オレ』って言って、ニッと笑って、『残念だったね』で、いなくなった」
ゴン!
と音に気づくと、ボクが額をテーブルに打ち付けた音だった。
「そ、それって」
「ああ、暮れも近かったな。掛け金で忘年会やろうって言っていたから」
イナダの言葉に、ボクはそのままべったりとテーブルに張り付いた。
「いやもう、パニックだったよ? 突っ込まれてる? うっそ? みたいなもんさ。主に、悲鳴をあげていたのは、くの一連中だったな」
忘年会にはボクも参加したが、その裏にそんな騒動があったなんて。
っていうか、じゃあ、あのとき、ボクらの関係って?
「それがさ、不思議なもんで、カカシさんがそうやって肯定したもんだから、余計にそれはない、ってほうに、みんなの意見が傾いたんだよね」
「え? じゃあ、ボクが突っ込まれ……?」
うろたえるボクにヒガタが笑う。
「いや、だからさ。カカシさんとテンゾウは、先輩と後輩。それ以上でも以下でもない。でも、それじゃ賭けが成立しないから、カカシさんが幕を引く役を買って出て、決着をつけてくれた。そういう解釈になったんだ」
「あ、なるほど」
「ね? カカシさんだったら、ありそうだろ? そういう粋な幕の引きかた。結局、正解はなし、ってことで、掛け金はごっそり豪華忘年会の資金になったんだ」
確かに、去年の忘年会はいつになく豪勢だったような。
「じゃあ、どうして、公然の秘密?」
ボクの問いに、イナダとヒガタは顔を見合わせた。まるで、どちらが発言するかを調整しているかのような視線を交わす。

「賭けのこともあったから、年末で一度、落ち着いたんだ。でも、年があけてしばらくしてから、また、噂が流れ出した」
年明け? と、ボクは首を傾げた。
先輩とボクにとって、大きな事件は去年に集中していて、今年は比較的穏やかだった……はずだ。
先輩の単独任務やボク自身が別働隊に借り出されるなど離れている時間も多かったが、その分、こまめに連絡を取り合って、休日を共に過ごしていた、と記憶している。
他人の目につくようなことはなかった……はずなのだが。
「どうも噂の出所は、カカシさん……らしい」
「先輩が?」
「牽制のつもりなのか、ほかに思惑があるのか、俺らにはわらないって。でも、あのはたけカカシが暗部の後輩に夢中、って噂は、暗部の古参連中の間を一巡りしたよ?」
「ボクは知らない」
「うん、だって、その噂には、テンゾウの耳には決して入れることなかれ、って触書がくっついていたから」
せんぱい……何をしたのか、ボクは問いません。でも、勘弁してください、って言いたいです。
「で? 結局、どこにどう落ち着いたんだ?」
ヒガタは、砂肝の串を頬張りながら肩をすくめ、イナダがふんと笑った。
「テンゾウとカカシさんは付き合っているらしい、ってとこに落ち着いたんだよ」
なんだよ、それ、と言いかけたボクに、イナダは悠然と言ってくれた。
「だいたい、テンゾウ、おまえ、何をうろたえてるんだよ? カカシさんは、おまえとの付き合い、少なくとも暗部のなかでは隠す気ないんだろ? だから、賭けの結果に絡んだりもするし、噂を流したりもするんだろ?」
言われてみればそうだ。
「でも、先輩はボクと違って、優秀な血筋を残すことを期待されているだろう? だから、生産性のない恋人の存在は隠しておくべきだと思うんだ」
ボクの言葉に、ヒガタとイナダが、揃ってため息をついた。
「だから、テンゾウの気持ちを汲んで“暗部のなかに限っては”なんだろ?」
ボクの気持ちを汲んで?
では、ボクが気にしないと言うなら、先輩はボクらの関係を大っぴらにしてもいいと思っているんだろうか?

「あ、また眉間にしわよってる」
ヒガタが、笑いながらボクの顔を突付く。
「あのひとは、確かに突出した才能を持った凄い忍だけど、でも、それがすべて、じゃないよね」
そう、ヒガタの言いたいことはわかる、いや、わかるつもりだ。
先輩は、凄腕の忍で、持って生まれた才もあり、後付の能力もあり、でも、ほんとうに凄いのはそんなことではなくて、凄いところを列挙し始めたらいくらでも出てくるので、以下略として……でも、ボクにとっては、かわいい……などと言うときっと語弊があるんだろうけど、でもかわいいものはかわいいとしか言いようがない、つまり、いとおしくてならない恋人、という面ももっている。
だから。だからなのだ。
「なあ」と言ったボクの口調に、ヒガタはイナダを顔を見合わせた。
「先輩、いまでも四代目のこと……きっと好きなんだろうなぁ」
はぁ? と二人が口をあんぐりと開け、それからあわてて掌で口を塞ぎ、それから……深呼吸した。
ボクは皿の上にポツンと残っていたシシトウの串焼きに、手を伸ばす。
「あの、な、テンゾウ」
イナダが遠慮がちに声をかけてきたのは、ボクが串に刺さった2つ目のシシトウを咀嚼しているときだった。
「カカシさんと、その……なんだ? 四代目って、あれこれ噂があるが」
そのとき、ボクはようやく己の失態に気づいた。
カカシ先輩の数限りない噂のなかには四代目が関わるものも多々ある。
そのなかには、二人が恋人同士だったとか、先輩が四代目のお稚児さんだったとか、あるいは、その美貌に目をつけた四代目が伽専用の暗部とすべく仕込んだとか、要するに、色絡みの噂もたくさんあるのだ。
暗部のなかでは、噂ばかりが一人歩きをしていたのだろう、という見解で一応、落ち着いてはいるが、下世話な好奇心から興味をもっている輩も、皆無ではない。
もちろんヒガタもイナダもそんな輩ではないが、四代目と先輩の個人的心情に関わる発言を聞けば無視はできないだろう。

ボクはしばし逡巡し、それから腹を括った。
ボクは先輩との関係を隠さなくてはという強迫観念にかられ、挙句、先輩に対する己の恋心までも、どこかで歪めているのかもしれない、と、ふと思った。
恋をする男は、みなアホだ。アホになって、恋人とのアレコレを愚痴ったり、のろけたりする。
イナダのコイバナも、ボクはよく聞かされた。
ヒガタは、もっぱら色気よりは食い気のようだが、もし彼が恋をしたら、やはり同じように聞き役になるだろう。
聞かされるほうは、たまったものじゃないと思いつつ、でも、どこかで願っている。
どうせなら、実ってくれよ、と。
ならば、イナダやヒガタも、ボクに対して、友人として同じような気持ちを持っていてくれているのかもしれない。
ボクも……ただの、恋するアホになりさがって、打ち明け話をしても許されるかもしれない。

「実はよく知らない。先輩が四代目を心底、敬愛しているのは確かだが、それがどういう類のものかは、ボクにもわからないんだ」
これは、ボクが彼らに対して、初めて晒す本音だった。
「今まで、敢えて話したりしなかったけれど、ボクは……」
そこまで言っておきながら、喉が詰まってしまうボクは、ほんとうに根性なしだと思う。
「ボクは……あのひとが、好きだ」
泣くのをこらえると、喉の奥や眼球が、熱くなる。
「部下としても、尊敬しているし、一介の忍としてのボクの指標でもある。でも、それだけじゃなくて……ただ、好き、なんだ」
熱が痛みになった瞬間、ポタポタとボクの目から雫が落ちた