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 お婿にいった四+カカのお話
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  らすてぃ・ねーる-12話
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  ストーカー被害に合うテンゾウと
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  九夜十日
  イタチ里抜けのとき

  百年の恵み
  長期任務の小隊長を命じられるテン
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  初めての遠距離恋愛なテンカカ
  たーにんぐ・ぽいんと-8話
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   香る珈琲、そして恋 -キリリク話-
 四代目とカカシの絆を知って、
 テンゾウは……

 【1部】 だーてぃ・まざー-4話
 【2部】 ぶらっく・るしあん-4話
 【3部】 ぶれいぶ・ぶる7話
 【Epilogue】 そして、恋

  あふろでぃーて-5話 -キリリク話-
 くるみ


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  春霞-4話
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  ちぇい・べっく
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4話
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  久しぶりのカカシとの任務
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  波の国任務の少しあと
  てぃままん-3話
  波の国と中忍試験の間

  月読-5話 -キリリク話-
 月読の術に倒れたカカシを心配しつつ、
 イルカ先生の存在が気になるテンゾウ

  月読 後日談


  テキーラサンライズ−19話
 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
  惚れ直すテンゾウ
 ※途中、18禁あり
  プロローグ  本編  エピローグ



  La recommandation
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-ヤマカカな話-

  再会-Reunion-  第二部





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2007年07月18日(水)
香る珈琲、そして恋〜だーてぃ・まざー 4)


「なんか、湿っぽくなっちまったね」
気分を切り替えるように言って、彼女は立ち上がった。
「お代わりは、いかがかえ?」
「いただきます」
振り返ってニッコリ笑い、彼女はまた独特の形をした薬缶を火にかけた。

「割と、はたけカカシとは縁があってね」
“縁”などと言う言葉を聞くと、一瞬、ドキっとしてしまう。が、彼女の場合、特別な感受性をもって先輩のことを無自覚に追っていたのだろうとわかるから、ボクも笑顔を見せることができた。
「何年たってもこっちはまだアカデミー生でノンキにやっていたころのことさ。任務帰りの彼を何度か見かけたことがあるんだ。たいてい、スリーマンセルの仲間らしいのと一緒だったねぇ。たぶん、そういうときじゃないと、気がつけなかったんだろうけど」
彼女は、思い出し笑いでもするようにくすくすと笑った。
同時に、馥郁たる香りが漂ってくる。
コーヒーというのも、一種の麻薬だなとボクは思う。先ほどの感動を思い出して、細胞がざわつくのがわかった。
「いつだったかな、ちょうど行き会ったとき、同じチームの男の子がムキになって、はたけカカシに言い募ってるんだよ、歩きながら。で、はたけカカシは、ふん、なんて鼻で笑いながら、なんか言い返してるの見て、びっくりしたね」
「びっくり、ですか?」
「ああ、びっくりだよ。そりゃあ、相手のことを適当にあしらっているみたいではあったけどさ。あたしの知ってる彼は、そういうガキはハナっから相手にしなかったもんさ。何言われても、聞き流してるんだ。そのうち、だれもちょっかい出さなくなるって寸法さ」
「ああ、なるほど。適当にかわしつつも、相手になっているというのが、珍しかったと?」
しゃべりながらもテキパキと動いていた彼女が、先ほどより大振りのカップを手に戻ってくる。
見ると、コーヒーの上にクリーム状のものが載っていた。
「アイスクリームさ。溶かしながら飲んでおくれ」
シナモンやナツメグの香りがコーヒーと溶け合って、甘く魅惑的な香りを醸し出している。

「珍しいってより、初めてみたんだよ、だから、よっく覚えている。そうやってると、歳相応のチビに見えて、なんか不思議だった。その少しあと、ぐらいだたtかな」
そう言って、彼女は自分のカップに手を伸ばす。
「その日は、はたけカカシは四代目と二人だけだったんだ。その前に、みんな一緒だったのかもしれないけど覚えてない。もう、だいぶ昔のことだからね」
その両手は、温度を確かめるかのようにカップを包み込んでいるが、意識は記憶を辿るように内面に向かっていた。
「なんでか、はたけカカシは怒ってるふうでさ。四代目は、困ったなって顔をしてたんだ。あたしは……たぶん、アカデミー帰りかなんかだったんだろねぇ。まあ、いま思えば、後を付けるみたいな真似をして、たいがい、どっちにも気づかれていたんだろうけれどねぇ」
まあ、でも四代目と先輩なら、知っていて知らぬ振りをしていただろう。
「なんか、はたけカカシはプリプリ怒りながら歩いているっていうか」
彼女はうつむいたまま、くすぐったそうに笑った。
「で、歩きながら四代目に何やら一生懸命文句を言ってるんだよ。そんなときでも潜めた声だから、何言ってるかは、あたしなんかにゃ聞こえないけどね。でも、まるで子どもが拗ねて駄々こねてるみたいな感じでさ。何言ってるかわからないから、余計にね、そう見えた」
まるで子どもが拗ねて駄々こねて……って、そのころの先輩は、まだ拗ねて駄々をこねてもおかしくないぐらいの子どもだったはずだ。

それがさぁ、と言いながら、彼女はいきなりボクを見た。
「困った顔をしていた四代目が、いきなりはたけカカシを抱き上げたんだよ」
「抱き……?」
ボクのほうは、口元まで持っていったカップが止まってしまった。
「そう。これが、ほかの大人だったら、たとえ忍でも無理だろう? 要するに、いきなり拘束したってのと同じなんだから」
結局、口をつけないまま、またカップをテーブルに戻し、ボクは相槌を打つ。
「ええ、もちろん」
そんな隙を、先輩が見せるはずがない。
「なのに、軽々抱き上げちゃって、はたけカカシは真っ赤な顔で、怒りながらジタバタしてるんだけど、ダメなんだ」
「さすが……四代目」
「だろ」と彼女は、カラカラと笑った。
スリーマンセルを組んでいたとしたら、先輩も8歳か9歳ぐらいにはなっていただろう。
その歳でも幼い子どもは幼いが、先輩は上忍になってもおかしくない、ってころだっただろうから……さすがに、抱き上げられたら、恥ずかしかったに違いない。
「で、ジタバタするはたけカカシを担いで、すんごく楽しそうに四代目は歩いていた……と思ったら、見えなくなった」
「瞬身、ですね」
「あ、そういう術があるんだ、やっぱり」
「ええ。別の術の可能性もありますけれど。いずれにせよ、そう珍しくはありません」
「あたしはさ、いきなり二人が見えなくなったから、夢でも見てたかと思ったんだ」
「まあ、そうですね」
「あんなに子ども子どもした、はたけカカシを見たのは、後にも先にも、あのときだけなんだよ」
彼女は、改めてボクにまっすぐ視線を合わせた。
「でもね。アカデミーで一緒だったころの、幼いながらも忍然としてた顔よりも……あの、子ども子どもした顔のほうが、ずっと心に残ってる」

ああ、なんか、ちょっと……いや、すごく。
くやしい。

ボクは、先輩に関するそんな記憶を持たない。
できることなら、彼女の記憶を盗んでしまいたい。

いや、違う。
彼女は垣間見ただけで……そんな先輩を独り占めしていたのは四代目で……くそう、うらやましい。
いやいや……四代目には四代目の辛さも悩みもあったのだから、ボク如きが……じゃなくて。

いささか、混乱した意識のなかで、ボクの脳は、はっきりと四代目とまだ子どもだった先輩の姿を、描いていた。

四代目と自分を比べるようで、はなはだぶしつけではあるが、ボクは先輩より歳も下で、教わるばかりで、四代目には到底敵わない。
忍としてはもちろん、ひととしての器も、違い過ぎる。
四代目の代わりになりたいなどと僭越なことを思ったことはないが、でも、不安はあった。
ボクで、いいんだろうか?
ほんとうに、ボクで……。
何の後ろ盾もなく、大蛇丸の実験体唯一の生き残りのボク。
出自をうらんだことはないが、先輩に相応しいと自負できる何物も持たないボク。
なんとか、先輩から背を預けてもらえるようになって、それが何よりも嬉しい、そんなボクで、先輩はほんとうにいいのだろうか。

先輩に対する思いに、ひとかけらの嘘偽りもないが。
それを言ったら、この女性だって、とても深く先輩を思っている。
彼女とボクと、どこが違うというのだろう。
先輩に、女性の思い人が出来たらいつでも身を引く、そう決めているけれど。
それは、言い訳なのではないか?

「あにさん?」
黙り込んでしまったボクを気遣うような、静かな声――。

残念です。もっと違った形でご縁があったのなら。

その言葉は口にしないまま、ボクは彼女の首筋に手刀を軽く叩き込み、同時に身体を反転させるや背後から襲い掛かってきた男を拘束した。

「な、おめぇ」
「二杯目のコーヒーは飲んでいない。飲んでいたとしても、麻痺剤などボクには効かない」
くそ、と舌打ちする男の頚動脈にクナイを当てる。
「何が目的だ?」
男は、口をへの字に結んでいる。
「里へ連行されて、拷問尋問部隊に引き渡されたいか?」
見たところ、忍ではない。ただのゴロツキだ。それでも、ふてぶてしく口を閉ざしている。
「ま、じゃあ。隠れ里の拷問ってヤツを、一度、味わってみるといい」
そう言うと、目だけがキョトキョトと落ち着きなく動く。

ボクは座卓に突っ伏している彼女を見た。と男がいきなり動揺した。
「悪い、悪かった、ほんの出来心だ」
上ずった声に、ボクは拘束を緩める。
「あいつが、いっつも木の葉の里の話をするから……」
一度、開いた口は滑らかで、女の思い出話に嫉妬して、いつか木の葉の忍をはめてやろうと狙っていたのだと、男は語った。女に気づかれないように。そっと、香辛料に細工をして。

女が大事にしている珈琲の世界を汚してまで、男が手に入れたかったのは、なんだったのだろうか。

「彼女の話に、嘘は?」
「いや、俺にはわからん。でも、いつも同じ話をしているから……」
きっと、本当のことだったのだろう。

ボクは男にも女にも、記憶を消す術をかけ、その場を後にした。
ただ、手文庫のなかの写真は、そのままにしておいた。
あそこには、彼女自身も映っている。

でも、目を覚ました彼女はその写真を見ても、一緒に映っているのがだれなのかは、知らない。


<一部 了> 二部へ続く



ダーティ・マザー
ブランデーに半量のコーヒー・リキュールと氷を加え、ステアするブランデーの濃厚なコクがコーヒー・リキュールのフレーバーと調和して、深みのあるカクテルに仕上がる。