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 お婿にいった四+カカのお話
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  らすてぃ・ねーる-12話
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  九夜十日
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  百年の恵み
  長期任務の小隊長を命じられるテン
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  初めての遠距離恋愛なテンカカ
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   香る珈琲、そして恋 -キリリク話-
 四代目とカカシの絆を知って、
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 【2部】 ぶらっく・るしあん-4話
 【3部】 ぶれいぶ・ぶる7話
 【Epilogue】 そして、恋

  あふろでぃーて-5話 -キリリク話-
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  春霞-4話
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4話
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  波の国任務の少しあと
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  月読-5話 -キリリク話-
 月読の術に倒れたカカシを心配しつつ、
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  月読 後日談


  テキーラサンライズ−19話
 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
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 ※途中、18禁あり
  プロローグ  本編  エピローグ



  La recommandation
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-ヤマカカな話-

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2007年07月16日(月)
香る珈琲、そして恋〜だーてぃ・まざー 2)


「あはは、参ったね」
そう言うと、彼女はまた写真に見入った。
「いま思えば……四代目ははたけカカシを見に来たんだろうね」
ボクは想像する。上忍で若くて、しかも美形――後の四代目に、アカデミー生たちが何を感じるか。スターでも目の前にしたような騒ぎだったことだろう。
「今はまた違っているんだろうけど、あのころは、才能があれば何歳でもアカデミーに入れたし、飛び級制度もあって、あっという間に卒業する子は卒業したんだ」
だから、先輩は5歳という驚くべき年齢でアカデミーを卒業して下忍になった。
「詳しいことは知らないんだけど、やっぱり同じ時期にアカデミーに通っていた子で、あたしより年下で、はたけカカシよりは後だけど割と早く卒業した子たちがいるんだ。そいつらが、はたけカカシとスリーマンセルを組んでいたらしいんだけど……」
カカシ先輩のベッドの枕元に飾ってある写真を見ると、卒業後すぐに、そのメンバーでスリーマンセルを組んだのではないことはわかる。
「当時、人選したのは四代目だって噂があってね」
そいつは、初耳だった。
スリーマンセルのグループ分けはあくまでもアカデミー教師の領分だ。それを火影が承認する、という形を取る。
問題があったとしても、下忍として認められてから編成を変えることもできるのだ。何も、事前に介入する必要はない。
ましてや、当時、四代目は候補のひとりではあったが、まだ火影ではなく一介の上忍。もし、噂が本当だとしたら、異例だ。アカデミー側となんらかの合意があったとしか、思えない。
「なんでも、はたけカカシは、あんまり早くに卒業したから、とりあえず四代目の預かりになっていたらしいんだ。こっちは、そこそこ確かな筋から聞いた話。で、やっぱり木の葉の忍としてやっていくためにはスリーマンセルを経験させるのは必須だからっていうんで、四代目が自ら、その相手を探していたとか、なんとか」
「へえ……そこまで入れ込んでいた、ということですか」
「もっとも、こっちは噂だよ、でも、この写真のころから3年ぐらいの間かなぁ……四代目がよくアカデミーに来ていたのは、ほんと。あたしが、ちゃぁんと覚えているんだから」
「じゃあ、スリーマンセルを組むに相応しい、同じ年頃の下忍候補を物色していた、と」
「物色って、あんた」
また女は笑う。よく笑う女だとボクは思った。
「まあ、言葉は悪いけど、そういうことだったんだろうね」

先輩を抱え上げている四代目の写真に、ボクは再び目を向けた。
こうしてみると、頬ずりせんばかりのスキンシップだ。嫌そうな先輩の顔が、なんだか笑える。
「そのころは、四代目じゃなくて上忍だったけど『いずれは四代目』って言われていたわけだからねぇ。そんなすごいひとに預けられて、選び抜かれた仲間を与えられて、エリートってのは、こういうのを言うのかって、あたしゃ、悟ったね」
彼女の言葉に、ボクは顔をあげた。視線は写真を見たまま、彼女は目を細め、口元を緩ませている。
ボクらは、先輩の悲劇の部分をよく知っている。だから、どうしてもマイナス要素にばかり目が行くが、それは里の事情に通暁した立場だからこそ。他の人にとって、先輩はただ、仰ぎ見るばかりのエリート階級でもあるのだと、改めて気づかされた。
実際、卒業当初は期待の新星に対するエリート教育だったのだろう。が、ご尊父の件以来、監視も兼ねた預かり、となり、徹底的な教育の必要性が求められた可能性はある。
父親と同じ轍を踏まないように、と。
――でも。
と、ボクは思う。いまの先輩は、まぁ、多少、ネジが緩んでいたりぶっとんでいたりする部分はあるものの、優秀な忍で、なおかつ、上司としても立派で、おまけに人当たりも、決して悪くはない。
よくぞ、ここまでまっすぐ育ったものだと、三代目がホロリと口にされたことがあった。過去に、一度だけだが。
里の思惑とは別に、四代目は先輩を大事に、しかし、決して甘やかさず、されどありったけの思いを注ぎ、先輩もそれに応え、グレかけたこともあったかもしれないけれど、結局はまっとうに成長したということだ。

「差別だと思ったことはありませんか?」
ボクの言葉に、彼女は顔をあげ、不思議そうに首を傾げる。
「だから、扱いの差を不満に思ったことは?」
「それは、あにさん。あのころのはたけカカシを知らないから言えることだよ。扱いの差も何も、一番、差を感じていたのは、あたしらだったんだから」
「差を感じていた?」
「そうだよ、あたしらだってバカじゃないさ。立ち居振る舞いから、何から。そりゃぁ、もう、見事に違ったさ。圧倒的に、違っていたから、割とあたしもあっさり忍の道を諦めることができたんだよ。同期には、そういうの多いよ」
「そんなに?」
ボクはまだ幼児と言ってもいい年齢のカカシ先輩に興味を覚えた。
「たとえば? どんなふうに?」
「まず、ね。あたしらが歩いたり走ったりすれば、それはまあ、足音がするよね。忍は音や気配を断たなくちゃいけない、って知っていても、なかなかできないさ。親が忍でも、なかなかできないよ、下忍未満のガキは、普通。それをさ」
そこで彼女は言葉を切り、ふっと遠い目をする。
「あいつは、あたしなんかよりちっさいのに、完璧、気配ない。音もしない。先生に言われたときだけじゃないんだ。いつも、そう。いつも、いるのかいないのか、わからないんだよ、あたしらには」
そこまで話して、彼女は、ぷっと吹き出した。
「そうそう、あいつの気配って教師にもわからないらしくて。『はたけカカシ、欠席か?』なんて言って顔をあげて、あれ?みたいな、顔をするわけさ。いるんだよ、ちゃんと、そこに。そういうのが続いて、そのうち教師が出欠確認をするときだけ、あいつったら気配をさせるようになってさ。あたしらには、バレバレ。教師より、はたけカカシのほうが上じゃん、みたいなさ」
先輩のあれは、もう幼いころから身についた習性みたいなものだったのか。
普通にしていて気配がないというのには、慣れるまではほんとうに、びっくりするものだ。
「でもさ、四代目は、わかったね」
そう言って、彼女はボクを見た。
「彼の気配を、四代目は察知した、ということですか?」
「そう。昼休みだったから校庭で隠れ鬼をしていたんだよ。要するに気配を消す訓練、だね。そこにちょうど四代目が来て、鬼になってくれたんだ。そりゃ、もうみんな張り切って隠れたさ」
わかるような気がする。もしかしたら、自分の忍術は凄いひと相手にも通じるかもしれないという期待感と、裏腹に早く自分を見つけてほしいというワクワク感。
「そしたらさ、四代目。数を数え上げると、まるでそこが目的地とでも言ってるみたいにまっすぐに歩き始めたんだ。途中に隠れているあたしらは、ドキドキもんだよ。でも、あたしらには目もくれず、まっすぐ校庭の外れまで歩くんだ。そっちにはだれもいないのに、と思ってると、いきなり消えた」
「消えた?」
「一瞬、消えたように見えた。でも、そこにあった木の枝に跳んだんだよ」
「じゃあ、そこに……」
「そ。だれもいないと思ったそこに、ちゃんとはたけカカシがいたんだ。あたしは、四代目が通り過ぎたとき、思わず隠れているところから飛び出しちゃって、さ。だから、見えたんだ」
まっすぐに先輩に向かって歩いていく四代目。それを待っている幼い先輩。
どんな気持ちだっただろう? 担任でさえ、なかなか捕らえられないほど薄い気配の自分にまっすぐに向かってくる相手を、どんなふうに思っただろう。
「たぶん、彼はいつも、すごくかすかに気配はさせていたんだと思うんだ。でも、だれも気づけなくて、四代目だけが気づけた……んじゃないかなぁ。だって、その気になったら、たとえ四代目でも気づけないぐらい、気配を断つこと、できるだろう?」
「そうですね。じっと動かずにいればそれぐらいは」
「四代目に見つけられたとき、あいつ、すごく嬉しそうな顔、した」
照れ笑いする彼女の顔から、わかった。
いつもはたけカカシの気配を探して、捕まえられないそれを目で確認していたのだろう。
余りに優秀で、教師にもいるかいないか察知してもらえない、ある意味、孤独な彼を、彼女はきっと、どうしていいかわからないまま、でも、ずっと見てきたのだ。
「なのに四代目に声かけられたら、むっつりしちゃってさ」
照れ屋というか、素直じゃないというか、そういうところは、いまよりもきっと子供のころのほうが、強かったのだろう。
「でも、見ててわかった。四代目が、あいつを気に入って、あいつも四代目を気に入ったっていうのがさ。なんだろう、なんて言えばいいのかわからないんだけどさ、あいつら二人だけ、別世界にいっちゃってるオーラが、一瞬、漂ったんだよ」
それを感じたと言うことは、この女性の感受性はかなり強いのではないだろうか。
それとも、女性という存在が、こういうふうに感受性の鋭いものなのだろうか。

「九尾が里を襲ったときに、さ。里の外にいたあたしは、四代目が亡くなったのをだいぶ後になって知ったんだ。あのころ、里の外はいろんな情報が錯綜していて、そりゃあ、凄かったんだよ」
当時の里の外の状況を直接は知らないが、でも想像はつく。
「里にも戻れないし、状況もわからないし。でも、あたしは、あの日、なんでかこの写真をポーチに入れて、お使いにいったんだ」
「なんか、予感が……」
「ううん、全然。自分でも、よく、わからないんだ。ただ、里に戻れないってわかったとき、この写真がポーチに入ってるのに、気づいた。嘘みたいな話だけど、ほんと。正真正銘、ほんとの話なんだ」
もしかしたら、彼女には予知能力のような特殊な才があったのかもしれない。本人も自覚しないままに。
「もってちゃいけないんだろな、と思いながら、でも、捨てられなくて」
彼女は、いとおしそうに写真の渕を指でなぞった。
「一度は、アカデミーに入学して忍の道を目指したこともあった、そんなあたしにとって、これはさ……なんか、自分の原点みたいな気がするんだ」
「大丈夫ですよ。その程度では、機密事項に抵触しませんから」
ほんとうはどうなのかわからないが、ボクはそう言った。
九尾の災厄によって親を失った彼女は遠くから、それだけ強く里を思っていたのだ。
「持っていてあげてください」
いいのかねぇ、と言いながら、彼女は写真を見た。
「あたしなんかが持っていて、いいものなのかねぇ」