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 お婿にいった四+カカのお話
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2007年06月25日(月)
そして百年の孤独


その2日後、深夜に警備の交替時間を迎えたテンゾウの隊は、そのまま慰労を兼ねて、ベテランおすすめの居酒屋に向かっていた。
軽く一杯やって、今日は早く寝る。そして明日早朝から、病院や公園で情報収集することに決まったのだ。
不満や不平は、どんな世代ももっているが、それが国政に向かいがちなのは、どうやら高齢者層だというのが、テンゾウたちの隊が出した結論だった。
若者たちは、もっと短絡的に身近なところで、自分より弱い者を攻撃する。青年も、壮年も、男も女も、不平不満は、友人やら部下やら、果ては自らの子どもにぶつけ、憂さを晴らしている。
それはそれで憂うべきことだが、そこにテンゾウたちは干渉できない。
ただ高齢者層だけは、どこか異質だった。かつて企業の中枢にいたという実績や実力もあるし、いまはリタイアしたとはいえ、あなどれない。そう方針を固めた。
「いい焼酎を見つけたんですよ」
ベテランが言う。普段、カカシに連れまわされているテンゾウはもちろん、若手の二人も酒は好きなようで、「色気はないけど、酒とつまみは保障ずみ」に、飛びついた。今日は、飲み気と食い気で行くつもりなんだろうなと、思い、彼らのたくましさに内心で舌を巻く。
「へえ、すごい名前」
「百年、ですか」
目の前におかれたボトルには『百年の孤独』というラベルがあった。
テンゾウは思わずカカシを思い出す。カカシがこの酒を知ったら、何を思うだろうか。
テンゾウ自身は、真っ先に思ったのだ。九尾を封印した四代目を。
封印術というのは、術者にとって危険を伴うことも少なくない。四代目が九尾を封印した術式は、秘術中の秘術とされているが、それはそれだけリスクの大きい術だったということでもある。
テンゾウも、噂では聞いたことがある。
あの術は、死神と契約するのだ、と。そして、術者も相手もともに死神の腹に捕らえられ、永劫の戦いを続ける、と。
「じゃ、百年の孤独に敬意を表して」「乾杯」「乾杯」「乾杯」
じっとボトルを見つめるテンゾウに、ベテランが囁いた。
「逝った者が孤独か、残ったものが孤独か、それは、当事者にしかわからんよ。どっちが幸せで、どっちが不幸かも、な」
そうですね、とテンゾウは答えた。
百年という時間のなかでは、自分の思いなど塵芥のようなものかもしれないが、それが、少しでもカカシの慰めになってくれればいいのに、と思いながら。

*    *    *    *    *

「らっしゃい」
カカシ指名の任務が入ったため、桜花楼の見張りを鳥面に頼んで里を離れた2日目の午後。
カカシは、立ち飲み屋に足を向けた。思いのほか早く片付いたので、桜花楼に行く前に、と思ったのだ。
「焼酎のいいのが、はいってますよ」
汲み上げたままの豆腐を器に盛りながら、カカシのリクエストを聞く前に彼女が言うのも珍しい。
「へえ、なんだかわからないけど、それ」
笑いながら奥へ引っ込んだ女主人が、ボトルを抱えて戻る。
『百年の孤独』と書かれたラベルが見えた。
「この前は、恵みで、今度は孤独、か」
「召し上がってくださいまし」
ロックアイスの上に注がれたそれは、澄んだ琥珀の色をしていた。
一口含んで、豊かな芳香にカカシは嘆息する。
「うまいね〜、これ」
「長い間熟成するらしいです。さすがに百年ではないみたいですけど」
含んだ液体を、舌先でころがすようにして味わう。
「なんでも、とある国のお偉い身分の方が好んで飲まれるそうで、余計に人気が高まったそうです」
「そういうのって、なんだかな、って思うけど。これはおいしいね。孤独に耐えて熟成したって感じが、またいいじゃない?」
「酒も恋も、同じですよ」
さらっと付け加えられた女主人のことばに、カカシはふっと目を細めた。
「そうだね、熟成して、うまい酒になるなら、ね」
カカシの脳裏を、在りし日のスリーマンセルの仲間と師が走りぬける。
「友情だって、親子の情愛だって、変わりませんって」
「そ……かな?」
「ええ。そうですとも。孤独だと思うことがあっても、それは、きっと……また出会うための熟成期間なんですよ」
うん、カカシは素直に頷いて、グラスを煽った。
少なくともテンゾウは、生きている。
また、何ヵ月後には会える。会えるはず、だ。
それでいい。カカシは自分に確かめるように頷いた。


<了>

百年の孤独
宮崎県の酒蔵がつくる長期貯蔵大麦焼酎。ガルシア・マルケスの同名の小説から名づけたと言われている。まろやかな香りと深い味わいにファンが多い。