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 お婿にいった四+カカのお話
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  月読 後日談


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 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
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2007年06月23日(土)
百年の孤独 4


「おうよ、悪いな。休憩時間に」
イナダの手には、先ほどテンゾウが買い物をした店のと同じ袋が下がっていた。
「とりあえず、一杯やりながら、な。」
袋からビールを取り出し残りを冷蔵庫にしまおうとして、イナダは振り返った。テンゾウが買ってきた同じ店の惣菜と同じ銘柄のビールに気づいたのだろう。
「ボクも……適当に見繕ってきたんだ」
あはは、と笑いながら、イナダはパッケージを取り出し、
「同じ店かよ、まったく、気が合うな俺たち。お、コレ、うまそう」
と、いくつか選んで並べる。
「レンジ借りるぞ」
「ああ。と言っても、備え付けのものだから、ボクのじゃないんだけど」
カタイことは言いっこなし、と、イナダは揚げ物を皿に取り出し、電子レンジに放り込んだ。
「とりあえず」
「乾杯」「乾杯」
缶のままビールをあおる。
「野営に比べりゃ、天国なんだけどな」
「そうだな」
「でも、なんか……疲れる。いつもと違う神経使わなくちゃいけないだろ?」
ベテラン暗部を隊員として抱えた小隊長、というポジションに、イナダも消耗しているようだ。
「なんかさ、採点されてるみたいな気分になってくるんだよ」
「……そうだな」
「お、テンゾウでも、そう感じるのか。そっか、オレだけじゃなかったか」
この様子では、単に愚痴をこぼしたくて来たのかもしれない、とテンゾウは思った。
それなら、それでもいい。息抜きも、長期の任務では必要なことだ。
「俺の隊のベテランさんは、拷問・尋問部隊のひとなんだ」
「拷問・尋問部隊?」
思わず、テンゾウも聞き返してしまう。
「なんで、こんな治安専門の任務に? って思うだろ?」
「……確かに」
何か裏があるのかもしれないと、テンゾウはにわかに緊張する。
「ガタイもよくて、一見強面なんだけど、話してみると明るくてフレンドリーなんだ。たまには外に出て見聞を広げたいと思って、志願したんだと」
それをそのまま受け取ってよいのかどうか、迷うところだが。
「今のところ、上手く行ってるんだ、ウチのチーム」
言葉とは反対に、イナダの眉間にシワが寄る。
「……何か、あった……じゃないな、何かありそうなのか?」
チンという音に立ち上がったイナダが揚げ物の皿を運びながら、鶏の唐揚げをひとつ摘んだ。
「なかなかイケル……うん、実は、ちょっとな」
テンゾウも手を伸ばして、唐揚げを摘んだ。
「オレの隊、くの一が配属されてるんだ。暗部に入隊したばかりの新人」
あの、きゃしゃな体つきの忍か。
「そいつがさ、惚れちゃったの」
びっくりして、まだ咀嚼中だった唐揚げを呑み込んでしまう。
「惚れた? え? まさか、その……」
「その、まさかだよ……」
拷問・尋問部隊の一見強面、実はフレンドリーなベテランに。
「くの一は、それらしい振る舞いに出ているのか?」
「うん。さりげなく……好意をアピールしている。でも、そのひと、そういうことにまったく興味がないか。あるいは、心にひそかに決めたひとがいるか。そんな感じなんだよ」
う〜ん、とテンゾウは腕組みした。
職場内恋愛は別に禁止されていない。そんなことをしたら、忍の大半は恋愛の機会さえ失うだろう。
ただ、それがトラブルに繋がるとなると、やはり問題視はされる。
「くの一のほうは、どんな様子なんだ?」
「どんな?」
「切羽詰っているとか、煮詰まっているとか……要するに、思いつめているのか、それとも、もっと軽いノリなのか」
イナダは黙り込んだ。二人の間で、暖められた唐揚げとコロッケが香ばしい匂いを放っている。
「まだ……煮詰まってはいない、と思う。でも、軽いノリというわけでもないな。軽く見せかけてはいるけど」
「……手を打つんなら、早いほうがいい」
「やっぱり、そうか」
女は思いつめると、たとえくの一といえども男の忍では思いもつかない行動に出たりするものだ。
イナダもある程度の結論は出ているものの、第三者の意見も聞いてみたい、といったところなのだろう。
「そのベテランのほうは、相手の好意に気づいている節はあるか?」
「気づいている、と思う。態度には出していないけど、な」
拷問・尋問部隊だとしたら、人間の情緒面に対する感受性は並みの忍よりもはるかに鋭いだろう。だとしたら、気づいているはずだ。
ただ、稀に己に向けられる個人的な感情に関してのみ、非常に疎い忍もいることはいる。だれとはいわないが。
だから、決め付けることはできない。
「思い切って、彼に話してみたらどうだ? こういうことは変に第三者が絡まないほうがいいと思うんだ」
「話すって何を?」
「だから、イナダが今困ってる、ってことをだよ。そのうえで、そのくの一の好意に応えるつもりがないなら、彼女が煮詰まる前に、応えられない理由を……まあ、これは適当でもいいんと思うんだ、とにかく彼女が納得するような理由をでっちあげて、さりげなく、雑談ふうに公開してもらう」
「雑談ふう?」
「うん。彼女がテンパって直接、告白する前に、『あ、こいつはダメなんだな』と思わせるんだ」
なるほど、と言いながら、イナダは頷いた。
「そうだな。もし、本人が鈍感なだけで悪い気がしないっていうんだったら、くっつけりゃいいんだものな」
うんうん、とイナダはひとりで納得していたかと思うと、ヒョイと顔をあげた。
「それにしても、おまえ、色恋に疎そうなのに、たいしたもんだな」
テンゾウが今まさに色恋の虜になっていることなど知らぬイナダの発言に冷や汗をかきながら、「まあな」と答えた。
自分の声が平静かどうか、こんなに気になったことは、過去かつてないほど緊張して……。

*     *     *     *     *

所替わり、ここは桜花楼の一室。
朱緋の爪弾くツンテンシャンという音をBGMに、カカシは用心棒のシンと話していた。
「ふうん、じゃ、その親戚さんたちは小菊ちゃんを亡き者にしようと」
「はい。その辺のごろつきを雇って仕掛けてくる分には、なんとでもできるんですが」
忍くずれを雇ったとなると、事はやっかいだ。
もちろん、用心棒(は仮の姿のシン)が忍くずれに負けることはないのだが、相手の力量によっては、忍のワザを遣わなくてはならなくなる。そうすると、せっかく用心棒(という一般人)として忍んでいる意味がなくなってしまうのだ。
「この仕事、気に言ってるんで。交替したくないんですよ」
「で、オレにそいつをやっつけろ、と?」
いやいや、と笑いながら、シンは朱緋をチラと見る。確かに小菊が狙われるとなると、一番近くにいる朱緋にも類が及ぶ可能性は高い。そういうことか、とカカシは思った。
――こいつ、いまだ四代目を忘れられない朱緋に、叶わぬ恋心を抱いているのか。
たとえ叶わなくとも、側近くいれば守ることぐらいは出来る、その心情が痛々しいほど伝わってきて、カカシは苦笑する。
――まったく、どいつもこいつも。
もちろん、そのなかには己も含まれているのだが……。

半月ほど前、ちょうど任務を終えて戻ってきた大門で、カカシはテンゾウたちが出立するところに行き会った。
見送った後、仕留めた忍が里内の拷問・尋問部隊に運ばれた頃合を見計らって暗部棟の奥を訪ねたのだ。
その際、いつもいるはずの、自分と歳も近い森野イビキの姿がないことを何気なく部隊長に問うと、なんとテンゾウが拝命した同じ任務に志願して、里を出ていると言う。あのなかにイビキもいた、ということか、とカカシは思った。
「志願?」
「ああ。ちょっとワケありでな」
「ワケって?」
極秘事項や極秘任務絡みなら答が返るはずもないのを承知で呟いたのは、半ばひとりごとだった。
「ひと探しだ」
「え? ひと探し? 賞金首?」
違うさ、と隊長が笑う。
「想いびとだ。詳しい事情は聞いてない。ただ、いろいろワケありな相手らしくてな。確かなのは、いま里にはいない、ということだけだ」
「想いびとぉ!」
素っ頓狂な声をあげたカカシを隊長が笑った。
「あいつにそんなのがいたの? あの顔で? うそお」
「恋は顔でするものじゃないぞ」
「あ、まあ、そうですね」
「動機はどうであれ、たまには里を出て見聞を広げてくるのもいいだろうと思って、許可した」
そんなことが可能なら、自分だってあらゆる手を使って、テンゾウの遠征について行くのに、と思い、そんな自分を笑ったカカシだ。
そんなことしたら、きっとテンゾウは嫌がる。軽蔑はしないだろうが、ほんの少し失望する。
テンゾウにはテンゾウの立場があり、矜持がある、それを無視したら、この恋は終わってしまう。

「じゃ、ま。ひと肌脱ぎましょうかね」
カカシの言葉に、シンがほっと肩の力を抜く。
「明日にでも、正式な依頼を出します」
カカシは、んーと首を傾げた。
「それ、暗部宛てにしない? 三代目に直接かけあってみてよ」
「どうしてですか?」
「大っぴらにしないほうがいいと思うんだ」
桜花楼にとっても、小菊にとっても、そしてカカシにとっても。
この話を受ける以上、桜花楼にいなくてはならない。そうなったとき、どんな噂が飛び交うか。
噂が暗部内に留まっていれば、たとえテンゾウが誤解したとしても、説得もしやすい。
「でも……予算的に……」
「大丈夫。四代目のよしみもあるし、格安にするよう三代目を説得するよ」
このところ、テンゾウ抜きで任務をこなしているカカシの小隊は、かなり疲弊している。
カカシのわがままに付き合っている形の鳥面と虎面には、ちょうどいい休暇になるだろう。
「ありがとうございます」
頭を下げるシンに、カカシは「いいの、いいの〜」と手を振った。