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 お婿にいった四+カカのお話
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   ぎむれっと-40話 -キリリク話
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2007年06月05日(火)
ちぇい・べっく−可愛いお嬢さん− 4 完結


「うわあ。うまそう」
言うや否や、皿まで食い尽くしそうな勢いで、ヒガタがおでんを食べ始めた。
「で、小屋はお役に立ちましたか?」
おでん屋のオヤジさん――元忍で今は里のはずれでおでんの屋台を引いている――の問いかけに、先輩が頷いた。
「ありがとうございます」
待ち伏せに使った小屋は、やはり忍を引退して炭焼きをやっている、オヤジさんの弟の仮住まいだ。
今回の依頼に関わる全貌は、ほぼカカシさんの予測どおりだった。
そして、依頼主には気の毒な結果だが、大名のヨモツと裏で繋がっていたのは舅ではなく、弟のほうだった。
新興の大名家は、舅が手を出して失敗した事業の後始末でかなり経済的に窮していたらしい。
弟はそれを必死で立て直していた。なんとか国の中枢に食い込んもうとしたのも、だからだ。
実際、利権のひとつでも手にすれば、だいぶ楽になる。
事情を知った依頼主は、今後、多少の援助や便宜を図ってやることにしたようだ。
つまり、表面上、何が変わるわけでもない。依頼主とヨモツの関わりが消えるわけではない。双方、これまで通り。
弟のほうは、ヨモツとの繋がりはなくなるが、もともと当て馬のようなものだったのだ。
潰されなかっただけでもマシというものだ。
そして木の葉の里も、国の要職にある大名の弱みを密かに握ることができた。
カカシさんを個人で抱えようと画策するなど、里との契約違反になるからだ。
もちろん、こちらもすぐにどうこうということはない。ただ、何かの折、使えるかもしれない手札が一つ増えたということだ。

ボクらは、小屋の借り賃を払いがてら、今回の打ち上げを兼ねておでんを食べに来た。
「些少ですが」
先輩の差し出した熨斗袋を、「預かります」とオヤジさんは綺麗な所作で受け取り、懐にしまう。
「この屋台も明日から、一時、休業です。だいぶ、気温も高くなってきましたからね」
カカシさんはコップ酒を口に運びながら、「そんな時期ですか」と言った。
初夏から夏の終わりまで、弟さんが炭焼きをしている山の手入れを手伝うのだ。
引退したとはいえ、元忍。弟さんもオヤジさんも、里の外れで里への侵入者に目を光らせているのだと気づいたのは、いつのことだったろうか。
二人とも九尾に里が襲われたとき、家族を失くしたそうだ。
直接聞いたことはないが、忍となった子どもがいたのではないかと思うことがある。
オヤジさんの歳を考えると、当時、オヤジさんの子どもはもう立派な成人のはずで、忍だったとしたら九尾に立ち向かい散って行ったひとりだった可能性もある。
「秋になったら、またこの辺りに屋台を出しますから」
「涼風が立ち始めたら、来てみますよ」
ふっと間があき、新芽の匂いをはらんだ風が行き過ぎた。

「おかわりしてもいいですか!」
「おお、いいぞ。たくさん、食べておくれ」
カカシさんより先にオヤジさんが答える。
「そんなこと言ったら、屋台のタネ全部、食べつくされちゃいますよ」
「はは、いいですよ。秋まで取っておけるわけじゃなし」
気前よくおでんを山盛りにしながら、オヤジさんが目を細めて笑った。
「お、まだやってる」
「オヤジ、酒。冷で3つ、ね」
下忍だろう、3人連れがのれんをくぐり、「え?」「おい」「ひえっ」と三様の声を出す。
「どーも」
カカシさんは愛想よく挨拶すると、少しボクのほうに詰めて席を空けた。
触れ合った脚に、体温があがりそうになる。
どうする? あれ、写輪眼のカカシだろ? 本人だよな。でも、任務中じゃないだろ?
コソコソコソコソ、全部、筒抜けなのが笑える。
「はい、冷ね」
オヤジさんにコップ酒を3つ並べられ、引けなくなった彼らはようやく腰を下ろした。
「コラ、他のお客さんの分は残しときなさい」
またもやおかわりをしようとしているヒガタにカカシさんが苦笑する。
「大丈夫ですよ、まだたくさんありますから。ほら、兄さん、遠慮しないで」
ヒガタはカカシさんとオヤジさんを交互に見て、ニヘと笑った。
「じゃ、ガンモと大根とじゃがいもとこんにゃく……と、モチ巾着。それで、最後にします」
「締めに、うどんでもつくりましょうかね」
「やった!」
「ほんと、こいつの腹、どうなってるの?」
「さあ、ボクに聞かないでください」
「頬袋ならぬ、腹袋でもついてんのかね〜」
のんびりしたカカシさんの声音に、緊張していた下忍たちの気配も緩んでくる。
「ん〜、いい風だね〜」
伸びをしたカカシさんが、ボクを見てなんとなく目を細めた。
ボクもなんとなく、笑い返す。
久しぶりのカカシさんとの任務、そして打ち上げ。
前のようにはいかないだろうが、時々はこうやって過ごすこともできる。
そう思うと、嬉しかった。

「オヤジさん、このうどん、うまいです!!」
ヒガタの興奮した声に、今度はカカシさんもボクも目を合わせたまま吹き出す。
雰囲気ぶち壊しだが、これはこれで楽しいとも思う。
「だって、うまいんだよ、ほんとに」
「はいはい。わかったから。冷めないうちに食べなさい」
カカシさんはニコニコとヒガタを見る。オヤジさんも目元を和らげ
「秋になったら、また来なさい。たんと食べさせてあげるから」
ふぁい、と言いながら、ヒガタはうどんをすすった。
「男は、どんなときでもちゃんとメシが食えないと、な」
オヤジさんの言葉に、カカシさんが「はい」と答えて、酒を含む。
「え? そうなんですか?」
向こう側にいた下忍たちがオヤジさんの顔を見るが、答えたのはカカシさんだった。
「そうだよ〜。食わないと身体もたないでしょ? どんなときでもメシは食う、睡眠をとる。忍の基本よ」
でもなぁ、だよなぁ、食欲なくすような任務もあるしなぁ。
下忍たちの呟きは、もっともだが。
「そういうときこそ、食う。そこで食わないでいると、どんどん体力削られるよ」
「え、じゃあ、その……はたけ上忍は、兵糧丸だけで過ごしたりしないんですか?」
きさくな様子のカカシさんに釣られてか、ひとりが声をかけてきた。
「兵糧丸は怪我をしたときや食料が何も確保できないとき、急いで体力を回復する必要のあるとき……要するに緊急時の一時しのぎでしょ? 第一、そんなものに頼っていたら、消化器官がなまくらになっちゃうじゃないの」
だってなぁ。ああ、よく聞くよなぁ。兵糧丸だけで1週間しのいだとか。
「ばかだねぇ。そんなの、食料も確保できない無能な忍の言い訳じゃない」
「え? じゃあ、携帯食も尽きたときなんか、どうしてるんですか?」
「当然、現地調達。森だったら木の実やキノコ、うさぎ、へびなんかの小動物。でかいのはダメよ、さばくの大変だし、余程の大所帯でもない限り食べきれないからね。川があれば魚、ざりがに、藻。いざとなりゃ、草の弦だって根っこだって食料よ。一番困るのは雪山、食料になるものがないから。砂漠は微妙かな。蟻とかサソリは、あんまりおいしいのいないし、消化しづらいし」
ああ、固まってるよ……。かわいそうに。
でも、カカシさんの消化器が、その筋肉同様、鋼のような丈夫さなのをボクは知っている。
だから、暗部を離れてしばらく、カカシさんがめずらしく食欲をなくしていたのが、一大ニュースとして暗部内を駆け巡ったのだ。
「そうですよ。どんなときでも、ちゃんと食べて、ちゃんと寝る。それをできるのが、底力ってもんです」
オヤジさんはそう言って、「サービスですよ」と下忍たちの皿におでんを追加した。

疲れると濃ゆい物が食べられなくなるボクは、まだまだ半人前ということだ。
――だから先輩、暗部に戻ってくださいよ。
喉まででかかった言葉は、決して声にはならない。それは言ってはいけない。
だから、代わりの言葉を紡ぐ。
「たまには、一緒の任務があるといいですね」
先輩はにっこりと目元を弓形にした。
「また、テン子と一緒の任務があると、いいねえ」
…………。
……テン子……ですか…………。
ボクはコップの中の透明な酒を、意味もなく見つめた……。


<了>


Te Bheag nan Eilean(チェイ・ベック・ナン・イーラン)
通称、チェイ・ベック。スモーキーでコクのあるブレンデッド・ウィスキー。正式名称のチェイ・ベック・ナン・イーランは、ゲール語で“島の可愛いお嬢さん”の意。“一杯の酒”を表すスラングでもある。