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 お婿にいった四+カカのお話
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 四代目とカカシの絆を知って、
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 【Epilogue】 そして、恋

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  月読-5話 -キリリク話-
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  月読 後日談


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 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
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 ※途中、18禁あり
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2007年06月04日(月)
チェイ・ベック−可愛いお嬢さん− 3


「恋人がいることをちらつかせば、喰い付いてくると思うのよ」
カカシさんはそう言っていた。
「オレと恋人を引き離して、そっちを捕まえれば、オレの首根っこを間接的にだけど押さえられるでしょ」
地を蹴る音とともにカカシさんたちの気配が遠のいていく。と同時に、納屋に向かってくる気配をボクは感知した。
読みどおりだ。
――甘いね。

ボクは思い出す。
――ビンゴブックに載ったから、オレの相手と知られると狙われる。
だからしばらく遊郭にも行かない、と、淡々と語った、今よりも少し若かったカカシさんのことを。
そんなあのひとが、恋人を危険にさらすはずがない。
そんな心配をしなくていいのは……。
バンッ!と納屋の扉が勢いよく開いた。
ボクはせいぜい怖がっている振りをして、物陰に身を潜める。
「どこだ?」
「確かにここに隠していたぞ」
おいおい、とっとと見つけてくれよと思い、身じろぎすると藁山がカサと音を立てた。
「いた、あそこだ」
吹き出したいのを堪え、ボクは身を縮めた。
「悪いね、おじょうちゃん」
藁山から引きずり出されながら、ボクは顔を逸らせる。まともに目を合わせると、ほんとうに笑ってしまいそうだった。
「写輪眼のカカシなんて、物騒な恋人を持ったのが運のつきだったな」
「おい、山だしだけど、なかなかじゃないか」
顔を覗き込まれる。
「こら、まだ手を出すな」
うえ、手なんか出してくれるなよ、ここでバレるわけにはいかないんだから。
「わかってるって。へへ。こりゃあ、後が楽しみだ」
ガタガタ震えて言葉もない(ように見える)ボクを、二人は抱えて納屋を出て行った。
「そこまでだ!」
その声に振り向いたカカシさんは、あからさまに安堵の表情を浮かべた。
どうも苦戦しているように見せかけるのに苦労していたらしい。
とにかく、相手からヨモツの意図に関する証言を引き出さなくてはならないのだ。
そうでなければ、証拠不十分。ボクらの暴走ということにもなりかねない。
だから、ある程度、向こうにも希望をもたせなければならない。
結局、カカシさんは二人を軽く戦闘不能にさせ、残る二人から逃げつつ、応戦していた。
おまけに、ヒガタがすぐそこの木の上で高見の見物と洒落込んでいる。
相手の能力次第では戦闘に加わる予定だったが、これではその必要もない。
面をしているから表情までは読めないが、きっと後でからかわれるだろうなと思うと、少し気が重かった。

「こいつがどうなってもいいのか!」
どうにかできるものなら、してみやがれ、と言えればいいのになぁ。
いや、有無を言わさず木遁で拘束だ、と思っていると。
「テン子!」
カカシさんの声に、思わず脱力した。
だから……それはやめてほしいとあれほど……。
力の抜けたボクを、敵は恐怖の余り失神したとでも思ったのだろう、ぐいと抱えなおされる。
「そいつを、放せ」
そう言ったカカシさんの声には、演技でない凄みがあった。それだけで、四人の気配が凍る。
なんだか、ちょっと……じんときた。ボクが女だったら、イチコロだ。
あ、イチコロってのは死語だったっけ? この前、カカシさんが解説してくれた。
「おまえには、まだ用があるんだ」
ボクを抱えているヤツは少しはできるらしく、氷河期もかくやという冷たい空気に抵抗して言葉を返した。
「まだ、と言ったな? ということは、平坂さま、か?」
ふん、と男が笑った。
「平坂? 商人風情に何ができる。せいぜいが、金勘定だろう」
「ということは、大名の……」
「ヨモツさまだ。おまえに用がおありだそうだ」
よし。名前は引き出した。あとは、目的を言わせるだけだ。
「任務は終わったはずだが」
カカシさんが、構えを解く。
「任務外、ってやつだ。特別手当が出るかどうかは、おまえの出方次第」
「依頼は、里を通し……」
「だから、依頼じゃないんだよ、血の巡り、悪いなあ」
ボクを捕まえに来たもう一人が、ようやく立ち直ったのか、口を開いた。
「内々で、あんたを贔屓にしてやるって言ってるんだよ」
「内々で?」
とぼけるカカシさんに、彼が地団太を踏む。
「だから」と言いかけるのを、ボクを抱えたほうが制した。
「破格の報酬を用意する。俺たちと組まないか?」
「組んでどうする」
「ヨモツさまのために働くに決まってるだろ!」
バカ、と小さな声で、ボクを抱えたヤツが呟くのと、カカシさんが「テンゾウ!」と叫ぶのが同時だった。

「ぐえ!」「ぎゃ!」
変化を解いたボクが、二人を逆に拘束する。
視線を送ると、カカシさんがニッと笑い、残る二人を仕留めた。
「お、まえ……」
地に伏した彼らが、呻く。
「殺しゃしないさ」
冷たい声だった。つい、忘れてしまうのだが、このひとはこういう声も出せるんだった。
「こ、いびと……ってのは」
「くそ! だまされたか」
カカシさんはフンと鼻で笑っただけで答えなかった。
――騙してない。ボクが恋人なんだよ。
そう言ってやりたかった。

カカシさんは何一つ、嘘は言っていない。
「こういう身の上だから」、恋もままならないのは、ほんとうのことだ。
恋どころか遊郭で遊ぶのさえ、ままならない。贔屓をつくれば狙われる。
それでも、彼らは商売だから。遊郭という生業で身を立てている者としての意地もあるからと、ボクら忍を受け入れる。もちろん、ボクらも破格の支払いをする。
けれど、恋人は。家族は。
下忍はともかく、中忍以上になると忍同士のカップルが急増するのは、だからだ。
「里にもナイショの恋人」というのも、ほんとうだ。
古参の暗部には知られているが、あくまでも非公開情報としてだ。
もちろん、公にはしていない。
三代目もご意見番も、薄々は気づいているのかもしれない。いや、おそらく気づいているだろう。だが、公にされていない以上、口を差し挟むことはできない。
もっとも、その裏返しとして、いつカカシさんに縁談が持ち込まれてもおかしくはない、ということでもある。
逆もまた、しかり。と言っても、ボクの場合は縁談というよりは、ソレがらみの任務だろうが。

ああ、そうか。
ボクは理解した。
カカシさんが、ほんの少しだけ、楽しそうだったわけを。
――そうですね、先輩。

作戦だったとはいえ。
あの瞬間だけ――ボクたちは、公に“恋人同士”でいられたのだ。