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 お婿にいった四+カカのお話
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 四代目とカカシの絆を知って、
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 【2部】 ぶらっく・るしあん-4話
 【3部】 ぶれいぶ・ぶる7話
 【Epilogue】 そして、恋

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4話
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  波の国任務の少しあと
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  波の国と中忍試験の間

  月読-5話 -キリリク話-
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  月読 後日談


  テキーラサンライズ−19話
 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
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 ※途中、18禁あり
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-ヤマカカな話-

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2007年05月23日(水)
後日談 2)


「この前は、変に勘ぐったりしてすみませんでした」
低い声でテンゾウが言う。
この前? 病院で? と記憶をたどり、ああ、とオレは納得した。
「ねえ、もしかしておまえ、しょっちゅう、そうやって勘ぐってるの?」
妬いてるの?とも言いがたく、テンゾウが使った言葉をそのまま使う。
「疑っているように聞こえたら、すみません。ただの、嫉妬ですから」
オレが避けた言葉を、あっさりと使って、テンゾウはまた恬淡と答える。
「まあ、ねえ。あのひとは、いいひとだよ。オレに対しても、変に構えたりしないし。何より、部下が未だに懐いている」
そう、あのサスケでさえ、彼には「先生」と敬称をつける。オレのことは呼び捨てなのに。
「オレ、アカデミーに通っていたころのこと、余り記憶にないんだ。期間も短かったし、うんと子どもだったし」
はい、と言いながらテンゾウの指は、オレの髪を弄ぶ。
「だから、オレにとって先生って言ったら四代目だけなんだ。でも四代目も、“先生のお手本”にするには、ちょっとぶっ飛びすぎでしょ?」
「部下が部下だったからじゃないですか?」
さりげなく失礼なことを言いながらも、テンゾウの指先はやさしい。グルーミングされている犬のように、くつろいだ気分になる。
「暗部のときの指導をそのまま、下忍のスリーマンセルには当てはめることもできないし、ね」
「それで、あのアカデミー教師ですか」
「あのひと、まさに“先生”じゃない。お手本にするにはちょうどいい、って思ったのよ。でも、子どもに対してだけでなく、オレに対しても、先生なの。普段は遠慮もあるみたいだけど、酔ったりすると『ホラ、しゃんと背筋を伸ばして』なんて言われちゃうわけ」
ふっと、テンゾウの指の動きが止まり、しばらくしてからまた再開する。
「失った子ども時代をやり直してるみたいで、ちょっと楽しかった」
たぶん、テンゾウがひっかかったのは、そこだったんじゃないか。
あの後、いろいろ考えて、ようやくそこまで思い至ったのだ。
「でも、それだけ、だよ」
「それだけ、でも。それはボクには与えることのできない経験ですから」
憮然とした言い方に、オレは理解した。つまりこれは、テンゾウの独占欲なのだ、と。

オレを独占したくて、それはしてはいけないと思っているから自制して、でも、時折こうやって零れ落ちてしまう、テンゾウの本音だ。
出会った頃と変わらない、テンゾウの本心だ。
そう思うと、嬉しかった。
オレだって、思う。いい加減、テンゾウを自由にしなくてはならないんじゃないか、と。
オレのお守りばかりさせていたんじゃ、彼女もつくれやしない、と。
彼女など作ってほしくないのに、そんなことを思う。
なんの約束もない、こんな関係を、いつまで続けるつもりなのだろうか、と。
壊すつもりもないのに、思う。
テンゾウもオレも、同じだ。出会った頃から、何も変わっていない。

「テーンゾ」とオレは抱きついた。おっと、と言いながら、テンゾウがオレを抱きとめる。
「大好きだよ」と言うと、難しい顔をした。その顔がおかしくて、オレは笑う。
こんなふうに、意味もなくじゃれあっている時間が、心地いい。
「ね、しよ」
耳元に囁くと、難しい顔がさらに難しくなる。
「欲情……してませんよね?」
確かめるように、テンゾウの指がオレの頬を撫でる。
「してないけど。しよ」
「えっと……その……したい、ってことですか?」
「うん、したいね」
回復していない1割のせいなのかどうか、正直、さほど性欲は感じていなかった。
ただ、テンゾウといちゃいちゃしたい、それだけだ。
テンゾウはしばらく視線を天上あたりに向けて思案していたが、やがてオレを見て笑った。
「いいでしょう、カカシさんがそう言うなら」
じゃ、決まり、とオレは服を脱ぎ捨て、ベッドにダイブした。テンゾウも苦笑しながら服を脱ぐ。
いい男だよね、と思う。
浮ついたところがなくて、不器用そうに見えるけれど、案外、器用で、無骨そうに見えるけれど、案外、心遣いは細やかで……働き者だし、やさしいし。
オレがいなければ、きっと明日にでも、可愛い嫁さんが見つかるだろう。
でも、だれにもあげない。この場所は、だれにも譲らない。
テンゾウが、追い出さない限り。

裸になったテンゾウが、オレの身体を抱き寄せる。触れ合う肌が気持ちいい。
「どうしたんですか? いったい」
「たまには、いいじゃない。甘えたい気分なんだから」
言いながら、脚を絡ませる。
「しよ、って言ったけど、別にしなくてもいいんだ」
「そうなんですか?」
「こうしてるだけで、なんだかほっとするでしょ」
テンゾウはオレを抱きしめた。
「そう……ですね」
この暖かさと心地よさを分かち合うのは、テンゾウだけだ。
――それだけじゃ、足りない?
でも、この問いは声に出しはしない。オレだってわかっている。足りないのではないのだ、と。ただ、欲張りになっているだけなのだ、と。
そんなふうに欲を張ることも、恋人の特権のひとつだ。決してテンゾウは浮気などしないとわかっていて、オレが「浮気するな」と言うのと同じ。
だから、いい。

テンゾウの指がオレの前髪をかきあげ、こめかみに唇が触れる。
「欲情しなくても……ボクとこうしていたいと、思うんですか?」
「何? そんなこと言われると、オレってテンゾウをただの捌け口にしてるみたいじゃない」
「いえ……そういうつもりではなく……」
「たまにはいいじゃないの。こうやっていちゃいちゃしてるだけっていうのも」
「……ええ、まあ」
どことなく歯切れの悪いテンゾウに、もしや、と思う。
「それとも、おまえ。これだけじゃ、不満?」
「いえ」とあわてて、テンゾウが打ち消す。
「不満などとは、思っていません……ただ」
「ただ、何?」
「……なんでもありません」
「はい! 嘘」
テンゾウは一瞬、目を丸くして、それから噴き出した。ひとしきり笑ってから、オレを抱きしめる。
「言ったじゃないですか。ボクだって、もやもやした気持ちにはなるんです」
「ふうん。いま、そういう気持ちなんだ」
「そういうことです」
「じゃ、オレをその気にさせてよ」
テンゾウは目元だけで微笑んだ。なんとなく……ぞく、っとくる笑みだ。
「そうですね、それが手っ取り早い」
そう言うと、またオレの髪をかきあげ、こめかみから耳、首筋と啄ばむように、唇を落としていく。
くすぐったさと心地よさが相半ばする微妙な感触に、オレは思わず首を竦めた。
「だめですよ、逃げちゃ」
唇を押し当てたまま牽制するように言って、テンゾウは今度は吸い付くようなキスをする。
強く吸われ、くすぐったさは痛みに変わる。それを宥めるように背筋を、テンゾウの掌が撫でている。
「あと、つくじゃない」
「顔の下半分隠しているひとが、今さら」
確かに、今さら、だ。

唇がたどったあとを追うように、指先がたどる。
くすぐるような、何かを確かめるような控えめな接触に、次第に皮膚感覚が研ぎ澄まされていく。
「はっ、あ」
思わず、声がこぼれていた。
わき腹をなで上げられ、さらにつっと爪を軽くたてて刺激され、身体がはねた。
身体の奥から、熱が湧き上がってくる。
いつもなら、嬉しそうに「体温、上がりましたね」なんて言うテンゾウが、今日は何も言わない。
曖昧な、愛撫ともつかない触れ合いを重ねるだけ。
先ほど、身体がはねた箇所を軽く刺激されて、また身体がはねた。
乳首とか性器とか、あからさまな場所ではない、胴回りに近い背中の一点なのに、そこを爪先が掠めるたびにビクンと身体が反応する。
性感帯というのは、意外なところに潜んでいるものだと思う。
「ん、あ」
思わずテンゾウの肩を掴んだ。じれったい、じれったくて仕方がない。
「欲しい、ですか?」
耳元でテンゾウが問う。その密やかな声にまで、反応した。指先まで痺れるような、快感が走る。
「テンゾウ」
なんて声だろう、と思いながら、オレはテンゾウの背に腕を回し、縋った。
「欲しい、ちょうだい」
ほんとうに、なんて声だろう。

「カカシさん」とテンゾウがやさしい声で呼ぶ。
「好きです。今までもこれからも、ずっと。覚えていてください」
うん、とオレは答えた。
知ってるから。テンゾウがずっとオレのことを好きでいてくれるのは、知ってるから。
だから、生きて。できるだけ長く、生き延びて……。
その言葉を、オレは声に載せることはできなかったけれど。きっとテンゾウには届いただろう。
そう、満足して、オレはテンゾウが与えてくれる快楽に溺れこんだ。


<了>