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 お婿にいった四+カカのお話
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  ストーカー被害に合うテンゾウと
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  九夜十日
  イタチ里抜けのとき

  百年の恵み
  長期任務の小隊長を命じられるテン
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  初めての遠距離恋愛なテンカカ
  たーにんぐ・ぽいんと-8話
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   香る珈琲、そして恋 -キリリク話-
 四代目とカカシの絆を知って、
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 【2部】 ぶらっく・るしあん-4話
 【3部】 ぶれいぶ・ぶる7話
 【Epilogue】 そして、恋

  あふろでぃーて-5話 -キリリク話-
 くるみ


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  春霞-4話
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  ちぇい・べっく
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4話
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  久しぶりのカカシとの任務
  聖牛の酒-3話
  波の国任務の少しあと
  てぃままん-3話
  波の国と中忍試験の間

  月読-5話 -キリリク話-
 月読の術に倒れたカカシを心配しつつ、
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  月読 後日談


  テキーラサンライズ−19話
 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
  惚れ直すテンゾウ
 ※途中、18禁あり
  プロローグ  本編  エピローグ



  La recommandation
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-ヤマカカな話-

  再会-Reunion-  第二部





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2007年05月15日(火)
月読 5) -完結-


「笑わないでくださいよ」
ひとこと、断りを入れて言葉を続けた。
「気になるひとがいまして」
「え?」
先輩はガバッと上体を起こした。思わずボクはのけぞってしまった。
余程、驚いたのだろう、写輪眼が回りかけ、あわてて手で押さえている。そして片目でボクを凝視した。
「浮気はだめ、って言ったよね。つまり、本気?」
言葉が足りなかった、と気づいたときには、もう片方の手がボクの胸倉を掴んでいた。
「相手は?」
「いえ。ボクの相手ではなく、カカシさんの相手です」
眉間にしわがよる。頭の上にクエスチョンマークが見えそうな表情だ。
「すみません、ボクの言い方が悪かったです。もしやカカシさんがその方に惹かれているのではないかと、ずっと気になっているひとがいるんです」
「オレが?」
「はい。将来的にボクにとってライバルになるのではないかと」
カカシさんの手が離れた。
「それで、結婚だのなんだの言い出したわけ?」
「少しは繋がっていますが、でも、その方とは結婚は無理でしょう」
「話が見えないんだけどな〜」
「その方も男性ですから、結婚は無理でしょう」
ボクの言葉を頭のなかで反芻するように、先輩は視線を飛ばした。
「つまり、オレはそのひとに惹かれている。将来的にテンゾウのライバルになるかもしれない、ということは、今は何もないと確信しているんだね。で、テンゾウはそのひとが……というより、オレとそのひとの今後の関係が気になっている、そういうことかな?」
「そういうことです」
カカシさんは、う〜ん、とうつむいてしばらく唸っていたが、顔をあげると首を振った。
「思い当たる節はない」
「はい。ですから、ボクは藪を突付いて蛇を出したくないんです。惹かれていると言っても、それが恋愛なのか、友情なのか、また別の感情なのかは、ボクにもわかりませんから」
「そうだよね、オレ自身がわかってないんだから、テンゾウにわかるわけないよね」
うんうん、と頷いてから、でもなぁ、と続けた。
「そう言われると、気になるなぁ」
そう言って、少し上目遣いでボクを見た。
「オレ、そんなに惚れっぽくはないよ?」
その顔が無意識だとしたら天性、意識的だとしたら後天性、いずれにせよ、ソレは必殺技です、と内心で呟いて、ボクは「はい」と答えた。
「つまり、テンゾウはやきもちを焼いてる、と考えていいのかな〜?」
「……そういうことになりますね」

そう、結局、嫉妬なのだ、これは。
任務が入れば否応なく里を離れなくてはならない自分。
それに引き換え、かつてのボクと先輩のような接点をもっている相手。
その立場の違い、そして何より……子ども好きで、子どもに好かれ、明るく、おおらかなその気性と、鋭く本質を見抜く眼……ボクの持ち得ない、ボクにはない魅力。
ああ、もう。何年たっても、何年つきあっても、ボクはカカシさんが好きで、どうしようもなく好きで……結局、ありとあらゆることに嫉妬している、それだけなのだ。
改めて自覚する。これでは十代のころと何も変わらない。
年齢を重ね、部下を率いるようになっても、何も変わっていない。

「テンゾウ?」
黙ってしまったボクを、カカシさんが再び抱き寄せた。
「テンゾウが何を心配しているのか、少しわかった……でもね」
小さな吐息のように、わずかの間。
「それは、お互いさま、だよ? オレだって、いつも思ってるよ。テンゾウはもてるから。まっすぐでしなやかで、いい男だから。いつか、オレは愛想つかされて、もっと健気で一途で性格のいい相手を見つけるんじゃないか、そしたら、オレは捨てられるんじゃないか……」
一気にまくしたて、カカシさんは黙った。
「そんな、ボクは」
カカシさんの腕のなかで抗うと、いっそう強く抱きしめられた。
「それも、わかってる。テンゾウがそんなヤツじゃないことは、よくわかってる。それでも、オレは『浮気するな』って言うでしょ? でも、テンゾウは言わない」
言いたい気持ちはある、ボクにだって。
余所見しないで、ボクだけを見ていてほしい、とも思う。
でも、言葉に出して言うことになんの意味があるのだろうか、とも思う。
たとえ余所見しようと、つまみ食いしようと……あるいは、先輩が本気で惚れる相手が現れようと、ボクの気持ちは変わらない。
笑えるぐらい……変わらない。

「オレはこんなだから、きっとテンゾウを悩ませてきたと思うし、これからも悩ませちゃうんだろうね。不安にさせることも……あるのかもしれない」
出会った頃、ボクより一回り大きかったカカシさんは今、ボクより一回りとは言わないが、天地97%、左右93%ぐらいの縮小版だ。
とはいえ、どちらもガタイのいい男だ。そんな二人が抱き合う様は、傍から見れば滑稽な図だろう、と思う。
でも、久しぶりにカカシさんの腕のなかに――かつてのようには治まりきらないけれど――捕らえられ、体温を感じているのは、とても心地いい。
「でもね、それでもオレはやっぱりテンゾウが好きだ。ずっと変わらずに、好きだよ」
うかつにも涙ぐみそうになって、ボクはあわてた。
「会えて嬉しい、と思う気持ちが変わらないのと同じに、ずっとそれは変わっていない」
そう言ってカカシさんはボクを離した。その表情は子どもみたいだった。
出会ったころの、いま思えばまだ少しとんがったところが残っていたカカシさんの顔だ。
あのころから妙に気の抜けた話し方をするひとではあったけれど、やはり若い分、気負いも意地も垣間見えたものだ。

ボクたちはどちらからともなく顔を寄せた。
視線を絡ませ、そして視界を閉ざす。
柔らかく、少しひんやりした感触。そっと触れ合って、少し角度を変え、離れ、また触れ合って……おずおずと何かを確かめるような、幼いキスを交わした。

しばらくして、ふっと小さな吐息が聞こえた。
「カカシさん?」
起こしていた上体をパタンとベッドに倒し、先輩が今度はため息をつく。
「せっかく会えたのに、な〜んにもできない」
「はい?」
「眠い、すごくねむい」
ああ、まだ体力は回復していないのだ。
「テンゾウの顔見たら、ねむ〜くなってきた」
ふわ、とあくびをする。
「まだ、里にいる?」
半分、眼を閉じてカカシさんが言う。
「はい、しばらくは里に常駐してますから……元気になったら……」
「ん、元気に、なったら……ね」
語尾はほとんど寝息に溶けるようだった。
そっと掛け布団を引き上げると、ん、という声とともに体勢がやや横向きになり、顔が半分布団に埋もれた。
よく見知った寝姿に、安堵する。
「おやすみなさい。いい夢を」

ボクは病室を後にする。

おかしなことに、一歩また一歩と、病室を離れるごとに、生きていてくれてよかった……という喜びが、募ってくる。ずっと里の外でやきもきしながら、それでも訃報が届かないことに縋っていた。
あのひとは強いから、そう自分を説得しながら、不安をなだめていた。
けれど、死ぬときは死ぬ。強くとも、死ぬことはあるのだ。三代目が逝ってしまったように。
そして、イタチと交戦し倒れた、との報に、身が竦んだ。
里に戻り眼の前に先輩を見たとき、頭の中を過ぎったのは、まるで生き人形のようだ、だった。
あまりに不吉な言葉を、ボクはあわてて打ち消した。
生きてはいても、話もしなければ動きもしない、そんな存在になってしまうはずがない。
必死になってそう思った。
けれど、イタチの術がどのようなものなのかわからない以上、どんな予測も立てられないこともわかっていた。
だから、心底安堵したのだ。まだ万全とはいえないまでも、先輩は目覚めた。
――良かった。ほんとうに……よかった。
何に、感謝すればいいのかわからず、ボクは火影岩を見上げる。

三代目が逝ってしまったのは、哀しい。
あの方がいなければ、研究所から助け出された後のボクの人生は、あるいはさらに大きく歪められていたかもしれない。ボクに忍としての資質を見出し、それでも尚、自分で人生を選択する機会を与えてくれた三代目……。
最後に会ったのが、あの国境警備を命じられたときだった。
あの時、あの方は何を思っていたのか、ボクなどには到底、測り知れないが……。
そして、初代さまを見る。
会ったこともないあなたの術を引き継いだボクを、あなたはどう思うのでしょうか?
弟君である二代目さまは……。
そして四代目。いまも先輩の心に棲み続ける師。
みな、里を守り散って行った。
ボクたち忍も、常にその覚悟を胸に生きている。先輩も同じだ。
それでも、生きていてくれたことが嬉しい。こんなにも。
――早く、元気になってください。

束の間の穏やかな時間、ボクは満ち足りた気持ちで、帰宅の途についた。



<了>


月読の雫
胡麻焼酎の長期貯蔵酒と樫樽長期貯蔵酒とのブレンド酒。樫樽熟成による優雅な香りと胡麻焼酎独特の芳醇な香りが調和したまろやかな口あたりと香ばしい風味が特徴。