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 お婿にいった四+カカのお話
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  ストーカー被害に合うテンゾウと
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  九夜十日
  イタチ里抜けのとき

  百年の恵み
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  初めての遠距離恋愛なテンカカ
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   香る珈琲、そして恋 -キリリク話-
 四代目とカカシの絆を知って、
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 【2部】 ぶらっく・るしあん-4話
 【3部】 ぶれいぶ・ぶる7話
 【Epilogue】 そして、恋

  あふろでぃーて-5話 -キリリク話-
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  春霞-4話
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4話
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  久しぶりのカカシとの任務
  聖牛の酒-3話
  波の国任務の少しあと
  てぃままん-3話
  波の国と中忍試験の間

  月読-5話 -キリリク話-
 月読の術に倒れたカカシを心配しつつ、
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  月読 後日談


  テキーラサンライズ−19話
 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
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 ※途中、18禁あり
  プロローグ  本編  エピローグ



  La recommandation
 du chef
-ヤマカカな話-

  再会-Reunion-  第二部





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2007年05月13日(日)
月読 4)

数日後、綱手さまを伴って自来也さまとナルトが里に戻り、カカシさんもサスケも目覚めたと聞いた。
病院に行こうかどうしようか迷いながら、ボクはなかなか暗部棟を離れることができなかった。
なぜなら、綱手さまが五代目火影に就任することが決まったからだ。

暗部は火影直属の部隊だから、代替わりのときは一時、解散するのが建前だ。
年齢的なものや個人的な事情により抜ける者は抜ける。新しい火影によって任を解かれる者もいる。
それ以外の者が、そのまま次の火影の直属となり、そこに当然、新しい顔ぶれも加わる。
前回の火影交替は、四代目から再び三代目に代が戻るという異例の就任だったが、今回もまた、火影不在という異例の事態となった。
次の火影が決まるまでボクたち暗部は、木の葉の弱体化を悟られないためにも、通常通り任務をこなす必要があった。それは上忍も同じだろうが、異なるのはボクたちは火影直属部隊、ということだ。
そのトップが不在なら、本来なら解散すべきところだが、今回に限り解散できない状況だった。
だから、三代目とはスリーマンセル時代から縁の深いご意見番の一時預かりとなったのだ。

綱手さまが五代目火影となるらしいという話に、暗部は揺れていた。
女性がトップだから困惑している、というのではない。
綱手さまを知るだれもが、彼女の情の篤さを知っている。そしてその裏腹な激烈さも知っている。
直接知らない者の間には、伝説めいた噂ばかりが先行している。
それは揺れもするだろう。いかな暗部とはいえ、人間だ。
――自分の身柄を綱手さまに預けていいのだろか? 自分はやっていけるんだろうか?
だれもがそうした不安を抱いている。
加えて、ずっと里を離れ放浪していた者がいきなり火影となることへの抵抗が、上層部にはある。
そうした軋轢を調整するのも、ボクら暗部の仕事となる。
外に、内に、今まで以上に神経を張り巡らせなければならない。

綱手さまが正式に五代目に就任する前に、暗部には召集がかかるだろう。
いずれ、腹を括らなくてはならないのだ。それまでは仕方がない、ボクはそう思いながら、動揺する後輩たちを宥めていた。

ようやくカカシさんを訪ねることができたのは、彼が目覚めた翌日だ。
「綱手さまに、『おまえも人の子だったんだね』なんて言われちゃったよ。今までなんだと思われてたんだろ、オレ」
もともと白い顔色を、さらに白くさせた先輩は苦笑した。
「それにしても、変わらないなぁ、あのひと。オレがほんのガキのころから、ずっと変わってないよ」
あ〜あ、と伸びをして先輩はベッドに転がる。
「人使い荒いからなぁ。ガンガン働かされるよ、きっと」
ボクは少しやせた先輩の姿に胸を痛めながら、
「お互い、覚悟しておきましょう」
としか言えなかった。
イタチの術の話は……聞きたいと思ったけれど、聞けなかった。
うみのイルカのことも、聞けなかった。
まったく違う事柄だけど、とても似通っている。どちらも、踏み込んではならない領域だ。

「テンゾウ」
カカシさんがボクを手招きした。
その気になったわけではないのは、わかる。
ボクは怪訝な思いで、カカシさんのそばに寄った。
と、手が伸びてきてボクは引き倒された。
ぎゅっと背中に腕がまわる。肩口にカカシさんが顔を埋める。
「テンゾウが無事で……よかった」
あ、とボクは思った。
ボクは入院中のカカシさんを見舞っていたが、カカシさんはボクの消息を掴めていなかったのだ。
国境の警備に着くと知らせたまま、木の葉崩しに里がひっくり返ってしまったのだから。

「連絡が……遅れて、すみません」
カカシさんは何も言わなかった。
「ボクはその……知ってました、イタチの術にかかってあなたが倒れたこと」
やはりカカシさんは何も言わない。
「里の外で、知らせを聞きました。もどったのは、つい数日前です」
「……知ってる」
知ってる? ボクはカカシさんの顔を見ようとしたが、カカシさんの2つのつむじが見えただけだった。
「テンゾウ、病院に来てくれたでしょ?」
「はい……」
だれかから、聞いたのだろうか。
「オレは意識をなくしていたけれど、わかったよ。正確には、目覚めてからわかったんだけどね」
「目覚めてから?」
「オレのなかに、テンゾウの“気配”が残っていた。おまえ、チャクラ流しこんでくれたね?」
そんなことがわかるものなのだろうか? あるいは、それも術の後遺症なのか。
「ええ。気休めかとも思いましたが」
「……ありがとう」
小さな声だった。

ボクたちはそのまま何も言わず、身じろぎもせず抱き合っていた。
まるで子どものように、互いの体温と息遣いだけを感じながら。

三代目が亡くなって、新しい火影に綱手さまが就き、里は変わっていくだろう。
ボクたちも変わっていかざるを得ないだろう。
出会って何年が過ぎたのだろうか? カカシさんももう二十代半ばだ。
カカシさんのご尊父は、おそらくその年にはすでに結婚して、カカシさんの父となっていたはずだ。

「テンゾウ?」
呼びかけられて、ボクは抱きしめる腕に力を込めた。
「おまえ、五代目に請われたら暗部に残る?」
「ええ。そのつもりです。ボクももう暗部ではベテランのクチですが。こういうときだからこそ、ボクのような人材が必要かとも思いますし」
「そうだね。それがいい」
「忙しくなるでしょうけど、時間はつくりますから。時々は、会いましょう」
先輩は笑った。
「約束だよ」
「ええ、約束です」
約束があればいい。
たとえカカシさんの気持ちの隙間に、だれかが入り込んでいたとしても。
「なかなか会えないからって、浮気はだめだよ」
「ボクに浮気するほどの甲斐性がないのは、カカシさんが一番ご存知なのでは?」
「それでも、だ〜め」
ボクは苦笑した。そう言いたいのはボクのほうなのにと思うと、苦笑するしかない。

「オレたちは、もう昔みたいに、いつもいつも一緒にいたいと願っていられる立場じゃないし、少し離れただけで相手が恋しくなるほど、子どもでもなくなったけれど」
そう言いながら、ようやく抱擁を解いてボクの顔を見る。
「テンゾウに会えて嬉しいと思う気持ちは、少しも変わってないよ」
そしてボクの眼を覗き込む。
「何か、気になってるんでしょ? 上から、なんか言われた? オレのことで」
不意打ちを食らって、思わず固まってしまったボクを、先輩は笑った。
「おまえ、オレに何か隠してるね」
えーっと、とまるで新米のように眼を泳がせる。
「隠してはいませんが……気になることはいろいろ」
「いろいろ?」
笑いを納めた先輩が問い返す。
「順番に言ってみてよ」
「まず……カカシさんは結婚なさらないのだろうか、と」
「結婚? だれと?」
「いえ、ですからお見合いなどでお相手を探すとか……」
「今のところ、そんな予定も余裕もないよ。里がこの状況じゃあね。上からも何も言われていないしね。なに? おまえには、風当たり強いの?」
「ご意見番からは、遠まわしに……少し」
ふうん、と言って、カカシさんは首を傾げた。
「それオレとおまえのことというより、おまえ自身のことじゃない?」
「ですが、ボクの遺伝子は前にも言ったとおり……」
「そうじゃなくて、おまえに身を固めてもらいたいという、老婆心だよ。三代目もテンゾウのことは気にかけていたから、嫁さんもらって幸せになってもらいたいとか、そんなことなんじゃない? とにかくオレは、何も言われていないよ? 今のところその気もないし。次は?」
強引に話を打ち切って、カカシさんは先を促した。
「えっと、そのイタチの術ってどんなだったのだろうかと」
「術のことは、また改めて話すよ。次」
「その……カカシさんはまた無理をして写輪眼を使った新術を開発しようとするのだろうか、と」
「術を極めるのは、忍として当然のことでしょ?」
次、と言われるまえに、ボクは慌てて付け足した。
「いえ、また無理をするのではないかと心配なだけで……これはもう、ボクの勝手な心配ですから」
「ん〜。そうね。イタチの術からヒントを得たのは確かなんだ。でもこれ以上は言えないよ。たとえテンゾウでもね」
「だから、それはわかってます。でも心配するぐらいいいじゃないですか」
あ〜、まぁね、と先輩は歯切れ悪く相槌を打つと、うつむいた。
「いつも心配ばかりかけてるね」
「いいんですよ好きでやってることですし」

「で? 次は?」
「それで、終わりです」
「はい、嘘」
嘘って……どう切り返すべきか戸惑うボクに、先輩はにんまり笑う。
「オレがね、遅刻して、言い訳するとあいつらが言うんだよ、『はい、嘘』って。そんなときばっかりチームワークよくってね」
「はぁ」
満面の笑みを、ボクはどう解釈すればいいのだろう。
「で、次は?」
やれやれ、とボクは観念した。