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 お婿にいった四+カカのお話
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  月読-5話 -キリリク話-
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  月読 後日談


  テキーラサンライズ−19話
 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
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2007年05月12日(土)
月読 3)


そうだよ、とボクは心のなかで答える。
君たちにはなかなか伝わらないかもしれないけれど、先輩は君たちをそれはそれは大切に思っている。
だからこそ、身を挺しても守る。

「カカシ先生は、ああ見えて、とてもやさしいひとだからな。さくらたちの成長を考えて厳しくはするが、いつも見守っている」
ボクではない声が、少女の問いに答えた。
「昼寝してるように見えても?」
あはは、と教師は困ったように笑った。
それは、おそらくほんとうに寝ているのだろう。
でも、もし何らかの気配が近づいてくれば、任務に励んでいる下忍のだれよりも早く、それに気づく。
あのひとは、部下を信頼している。
多少の失敗は自分があとでカバーすればいい、だから、任せると決めたことは、とことん任せる、そういうひとだ。
だから命の危険のないDランク任務なら、昼寝していても監督が務まるのだ。
たとえ部下がしくじっても、自分が頭を下げて、穴埋めすればいい。
それより、失敗から何かを学んで成長していくことが大切。
暗部の任務でDランクはありえないが、先輩の基本姿勢は同じだった。
おかげで、ずいぶん鍛えられた。己の未熟さゆえに痛い思いもしたが、同じ失敗は二度としなかった。
そしてほんとうに自力でどうにもできないとき、にっちもさっちもいかなくなったとき、どれだけ先輩に助けられただろう。
自分が部下をもつようになって、先輩のように行動するのがいかに大変か、身をもって知った。
任せたつもりなのに、ついしゃしゃり出てしまって失敗したり、どんと構えているつもりが、実は不安なボクの心情に部下が敏感に反応してしまったり……。
そのたびにボクは思う。
カカシさん、あなたはほんとうに偉大だ、と。
一度任せると決めたからと言って、一切手出しをしない、それがどれほど大変なことか。
あのひとぐらい、突き抜けていないとできないワザだ。
まぁ、無謀とか無鉄砲とか言うひとのほうが多いが、その割には、先輩が関わった任務における死傷者数は圧倒的に少ないのだ。

「イルカ先生、ほんとうは私たちが中忍試験受けるの、反対だったんでしょ?」
しばらくして少女がためらいがちに問いかけた。
そういえば、今回、中忍試験前に、ちょっとしたいざこざがあったということは聞いていた。
カカシさんをよく知るボクらは、「あのひとらしい」と苦笑したものだが……。
「噂……なんだけど。それでカカシ先生とぶつかったって」
「地獄耳だなぁ」
「やっぱり……ほんとうのことだったんだ」
えへへ、と今度は悪戯小僧のような顔になった彼は、少女の肩に両手を置いて少し屈んだ。
「ああ、反対した。まだ早いと思ったんだ。でも、おまえたちは立派に二次試験を通過した。結局、俺の心配は杞憂にすぎなかった」
少女と同じ目線で、彼はさらに言葉を継ぐ。
「俺はアカデミーの教師、つまりまだ忍になる前の子どもたちを預かっている。だから、かな。どうしても事故のないように、安全なように、と考える。でも、カカシ先生は上忍だ。今はおまえたちという部下の上忍師だからDランク任務の監督をやっているが、本来はAやSランク任務という、常に生命の危機と背中合わせの世界で生きている、そういうひとだ。そして、そういう世界で生き延びていける忍を育てるのが、今のカカシ先生の仕事なんだ」
わかるな? という問いかけに、少女は頷く。
「ここで潰れて忍をやめるなら、そのほうが本人のためになる、ということもあるんだ」
自分に言い聞かせてでもいるような言葉に、少女が眼を見開いた。
「この先、ナルトやサスケだけでなく、さくら、おまえも。否応なく命のやりとりが付きまとう世界に身を置くことになる。ただな、そういう世界が本質的に合わないという場合も、もちろんある。ならば別の道に進んだほうがいい。ある意味、厳しいが、別の意味では、とてもやさしい考え方だと思わないか?」

先輩が、この中忍教師に惹かれる気持ちが、ボクにはよくわかった。
たまに一緒に飲みに行くこともあるのかもしれないが、そう長い付き合いとも思えない。
その短い付き合いのなかでこの教師は、誤解されることも多いカカシさんの本質を見抜いている。
噂や風聞を知らないわけでもないだろうに、そんなものにまどわされない眼をもっている。
そうでなくても「先生」というのは、先輩のなかで特別なのだ。
ボクはため息をつく。
彼が、彼でなく彼女であったなら。
ボクは喜んで身を引くのに。

「さ、行こうか。いくら眠っているとはいえ、余り長居したら、カカシ先生も疲れるかもしれないからね」
少女は、再度、先輩を覗き込んだ。
「カカシ先生、目を覚ますよね」
「ああ。大丈夫だ」
「いつも気のぬけたみたいな顔してるけど、強いんだものね」
「ああ」
二人は、並んで病室を出て行った。
扉が閉まる刹那、振り向いた彼の視線がボクを捕らえた。
途中から、わざと気配を断つのをやめたのだ。それに気づくだけの技量はある、ということだ。
彼のほうは余り気にしていないだろう。実際、カカシさんだけでなくサスケの病室にも、密かに暗部の護衛がついているから。

「カカシさん。あのひとが欲しいですか?」
惹かれてはいるが、執着はしていない、というのがボクの得ている感触だ。
もっとも、何事にも何者にも執着しないのが、カカシさんではあるが。
「でも、すみません。譲る気はボクにはないですから」
惹かれている、というのも、どういう意味合いなのかは微妙なところだ。
というか、いつも微妙だ、このひとは。
だからボクは付き合ってしばらくの間、付き合っているとはとても思えなくて、つまみ食いをされただけ、と思っていたほどだ。
そんな先輩が相手だから、先輩同様あまり執着心のないボクでさえ嫉妬の一度や二度……いやその10倍ぐらい……とにかく、何年たってもやきもきさせられている。

ただ、忍として優秀な遺伝子を残すことを里から期待されているカカシさんとの付き合いが、年々、厳しいものになっているのも事実だ。
ボクは最初から、先輩を本気で欲しいと思う女性が現れたら、身を引こうと決めていた。
先輩の流す浮名は……付き合い始めてからもいろいろとあった。そのなかには、ボクの誤解や早とちりもあったし、そうでないものも、まぁ……まったくなかったわけではない。でも、身を引こうというほどのものは、なかった。
だからと言って今の状態がずっと続くと思えるほどボクも甘い見通しを抱いてはいない。
でも、里から強制されるぐらいなら、少しでも先輩が心惹かれる相手と添ってほしいとは思う。それぐらいのわがままはいいだろう、とボクは思っている。

女性だったら喜んで身を引くのに、と思いながら、ボクは彼が彼であったことに、少し安堵もしていた。
相手が男なら、引く必要はない。
それとも、先輩は自分が抱くことのできる相手を求めているのだろうか?
こればかりは、ボクにはよくわからない。

ほんとうに、もう、どうしたものか、とボクは思う。
何年たっても、これだ。
そして、何年たってもボクは……こんなカカシさんを好きだ。
ボクのこと、どう思っているんですか? と問うと、あくびしながら「好きに決まってるじゃない」とはなはだ嘘臭いセリフを吐いてくれるカカシさんを……。
そのセリフに思わずにんまりしてしまい、「なに、テンゾウ気持ち悪い顔して」と言われても傷つかないほど図太い神経になった自分を、こんなボクも悪くないと思えるぐらいには……好きなんだ。
今思えば、最初のころのカカシさんは、当時のボクにはまったくわからなかったが、ほんとうに一途だった。
おそらく、あのころはお互いに夢中だったのだろう。まったくそれがわからなかったのは、いまもってくやしい。
時を渡る術を使えたら、当時の自分に言ってやりたい。
いまこのときを満喫しないでどうする、と。存分に味わえ、と。

「隊長」
密やかな声が、ボクを現実に引き戻す。
「時間です」
ボクは「わかった」と答え、カカシさんを見た。
「召集がかかっているので、失礼します。しばらくは里にいますので、早く目を覚ましてくださいね」