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 お婿にいった四+カカのお話
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2007年04月03日(火)
あんしゃんて 8)


二日後――早朝からボクは任務についた。

「演習の要領を思い出して。ただし、鳥面の援護はないからね」
カカシ先輩の声にボクは頷く。
鳥面は幻術を繰り出す虎面の援護につく。
虎面の幻術に合わせて、物理的な攻撃を仕掛け、幻術を幻術と気づかせない。
そうやって下忍たちを足止めする一方で、先輩とボクがトラップに誘い込まれる格好を装って、敵の本陣を攻める。

まだ、木遁を発動するときの違和感はなくならない。
でも、自覚できるようになったおかげで、チャクラのコントロールは少しよくなった。
無駄に余計なチャクラを練らずにすんでいる。

「オレの右手が上がって、下りたら、スタート」
「はい」
3つの声が重なった。
「スタンバイ、OK?」
「OKです」
「じゃ、いくよ」
すっと、先輩の右手が上がった。
「テンゾウ、よろしくね」
ボクにだけ聞こえる声で、先輩が言う。
「はい」
と答えながら、気持ちが高揚していくのを感じる。
――このひとの背を、ボクが守る。
今まで、感じたことのない高揚感だった。
これから、敵を殺しにいくというのに。
なのに、なんと幸せな気持ちなのだろう。
――忍になって良かった。
ボクは、この瞬間、初めてそう思った。

今まで、忍になることは、ボクにとって2つある選択肢のひとつでしかなかった。
忍としての訓練は受けたものの、下忍として登録される前に、一度だけ確認された。
忍になるか、否か。

他の下忍候補とは異なり、ボクは自由意志に基づいて忍としての訓練を受けたわけではなかった。
いわゆるリハビリの一貫として、それがボクに向いていたと言ったほうが正しい。
だから、選択肢を与えられた。
もし忍にならないなら、記憶を消され市井のひとりとして生涯を終える。
埋め込まれた初代さまの遺伝子に拒絶反応を起こさなかったことで、監視はつく。
ただ、その監視は木の葉の里を離れない限りは、ボクの行動を制限するものではなく、ただ「見る」だけだ。
もし、ボクが結婚して子どもでもできれば、おそらくひそかにその子の遺伝子は調べられる。
でも、それは本人も親のボクも知らない間になされることだ。
その情報のもたらす結果をボクが知ることは決してない。

けれど、忍となれば。
それらのすべては、ボクに対して公開される。
同時に、今後初代さまの遺伝子が、ボクに対してなんらかの作用をもたらした場合、その結果によっては、ボクは否応なく里にデータを提供する立場におかれる。

10代前半の子どもに決断できることではない。でも、その選択を里はボクに求めた。
確かに、木の葉において、忍の成人は“中忍昇格時、もしくは、15歳のどちらか早い時期”と規定されている。
15歳というのは、身体も心も成長途上にある。だからこそ、なのだ。
そして、それがギリギリ、毒や薬物などへの耐性をつけることが可能な年齢だから。
身体がある程度出来上がってからでは、遅いのだ。
たいていは親が望んで、あるいは、受け入れて、子が忍になる。
だから、それは本人の意思でもあるが、必然的に親(もしくは保護者)の同意が背後にはある。

いささかイレギュラーな方法ではあったが、ボクが下忍となったのは14歳だった。
そしてボクの保護者は、三代目火影。
三代目は「お主にとっては酷な選択と言えよう」と言った。
ボクは迷わず、忍として生きることを選んだ。そんなボクに三代目は重ねて告げたのだ。
「忍ではない一般人が成人する20歳のとき、再度、お主の意志を問いたいと思う」
ボクは三代目の申し出に驚いた。
「もし、そのときお主が忍ではなく、一般人として生きたいと願うのであれば、それを叶えよう」
ただし、その場合、ボクの記憶は封印される。
「よいな」
ボクに否やはなかった。

下忍として戦場で功績をあげながら、ボクはいつも考えていた。
20歳になるまで、ボクは生きているのだろうか、と。
だが予想外のことに、初代さまの遺伝子に対する拒絶反応という関門にぶち当たった。
それをかいくぐって、今、ボクは20歳まであと2年という位置にいる。
20歳になっても、ボクは忍でいることを選ぶだろうと思っていた。
それが、ボクに出来るボクなりの恩の返し方だと。

でも、この日、初めて。
ボクは、恩や義理とはまったく無関係に、己の意志に基づいて、忍でいたいと思った。
だって、このひとの背を守りたいじゃないか。
きっと、ボクにしか守れない。
新米の思いあがりと言われてもいい、ボクは直感に近い感情でそう思った。
後に、それを恋と呼ぶのだと知るのだが、このときのボクにはあずかり知らぬことだった。

先輩の右腕が、すっと降りる。
音もなく跳躍する先輩に続いて、ボクも跳躍した。
背後で、虎面が幻術の印を結び、鳥面が援護する気配が伝わってくる。
でも、ボクは先輩の背を見つめながら、仕掛けられたトラップを意図的に起動させる。
クナイや千本が飛ぶすさぶなか、先輩は走る。
ボクもトラップと連動する攻撃を、なんとか止めようとはしている。
けれど、すべてに間に合うというわけではない。
それを、先輩は避けているようには見えないのに、正確に避けている。
なぜ、こんなことが可能なのか。ボクにはわからない。
ボクには、先輩はただ走っているようにしか見えない。

すごい、と改めて思った。
このひとは、ほんとうに戦うために生まれてきたような……。
そう思ってから、そんなはずはないと、否定した。
このひとが息をするのと同じように気配を消し、瞬きするのと同じように敵を屠るのは、子どものころから忍として生き、そのなかで否応なく身に付けた技術力ゆえだ。
その身に襲い掛かる千本を苦もなく払いのけるのも、生への希求からではなく、ただ優秀な忍の反射能力が、そうしているだけだ。
ぶる、と身が震えた。

この戦闘のただなか、先輩は何を思い、何を感じているのだろうか?
それとも、何かを思い感じることを封じているのだろうか?

三段構えの大掛かりなトラップを起動させたとき、まるで豪雨のように降ってくる千本を食い止めようとあがいているうちに、あるまじきことに先輩を見失った。
――まずい。
先輩は、ボクが背後につけていると信じて、ただ前を見て進んでいるはずだ。
そのボクがいないとなったら。

緊張のため体温が下がり、意識もひんやりと冷えていく。
同時に、キン、と神経が研ぎ澄まされる
――大丈夫、落ち着け。落ち着いて、先輩の気配を追え。
自分に言い聞かせながら、気配を探る。
……距離的にはそう離れていないが、かなり高い位置に、先輩を確認した。
先輩はそこに、留まっていた。

ボクを待っているのか。
あるいは、その辺りに別の罠があるのか。

ボクも上方に向かって跳躍した。
とりあえず、先輩が止まったということは、合流したほうがいい。そう判断したのだった。