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 お婿にいった四+カカのお話
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  月読 後日談


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 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
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2007年04月01日(日)
あんしゃんて 6


先輩が閉じていた目を開く。
うちは一族だけがもつはずの焔のような紅の目がボクを見る。
「オレのこれも、他人からのもらいものなんだ。こんな身体の一部、たった一器官でも後付けだったりすると、けっこう大変でね」
先輩の目に関しても、あれこれと噂が飛び交っているのはボクも聞いていた。
「遺伝子なんて身体の設計図みたいなものでしょ? それが後から付け加えられたら、どんなだろう、って思うよ」
遺伝子が適合したとは言っても、それは死ななかっただけのことだと思っていた。
多少はその影響で忍としての才が開花したのだとしても、まさか血継限界まで受け継げるわけではない。
ボクもそう思ったし、医療班もそう結論を下した。
しかし、そうではなかった。
下忍として任務につくようになって1年と半年が過ぎたころ、ボクは発作を起こした。
全身の激痛、嘔吐、時に、臓器や皮膚からの出血。
それはあの研究所で死を迎えた者たちの症状だった。
ボクは死ぬのか、と改めて思った。
死ぬ前に、少しでも役に立ててよかったとも思った。
少しはひとの記憶に残る。そうすれば、あの研究所で死んだ数多くのひとたちのことも、覚えていてもらえる。

ボクの治療のために、放浪中の綱手さまを、その借財を立て替えてまで呼び戻すと三代目が決断したとき、ボクは放っておいてくださいと頼んだ。
そんなことをして、ボクの生が伸びる保証などないし、伸びたとしてもこの先、忍として役に立つかどうかもわからない。ようやく復興し始めた里の財政を無駄にすることはない、と。
後に聞いた話では、実際、上層部の意見も二分していたそうだ。
「三代目もね、あの大蛇丸に関することだから私情入りまくりだったとは思うよ」
まるで当時のボクを知っているかのような口調で、先輩が言う。
「もし、初代さまの能力を受け継ぐ者がいたら、後々、木の葉にとって多大な恩恵となる、そういう計算も確かにあっただろうね。実際、それで上層部も説得されたんだから」
ボクは頷いた。里の長としては、そうでなくてはならない。
「それに、賭けたい、って気持ちもあったと思う」
「賭け?」
「うん。賭け。最悪の過去を、一発逆転する」
先輩の炎が瞼の奥に隠され、もう片方の目が遠くを見た。
「やっぱり大蛇丸も、三代目にとっては弟子なんだよ。その弟子のしでかした最悪を、もしかしたらテンゾウはひっくり返してくれるかもしれない存在でしょ?」
黙っているボクを先輩はチラと見て、また遠くを見る。先輩が見ているのは、きっと過去の記憶だ、とボクは思った。
「大蛇丸は、才能だけは溢れるほどもっていた。彼のやったことは、方法は間違っていたけれど、研究そのものは決して無為なものじゃなくて、実際、彼の残したデータが木の葉の医療に貢献した部分も、たくさんあるんだ」
そして、先輩はボクを見た。
「でもね、そんなこと全部ひっくるめたうえで、オレは思ってるんだ」
先輩の目の光が強くなる。
「たぶん……これは想像でしかないから、たぶん、なんだけどね。たとえテンゾウが初代さまの能力を受け継いでいなくても、そんなことどうでもよかったんじゃないかな、って思うことがある」
むしろ……と小さな声で先輩は言った。
「ただ、テンゾウに生きていてほしい、死なないでほしい、っていうのが、三代目の本音だったんじゃないか、って」

ただ、生きていてほしい?

そう問い返したかったが、声にならなかった。
そんなことを言われたのは初めてで、なぜかわからないが、ボクはひどく動揺していた。

「テンゾウはさ、自分が忍として優れていることに存在価値を見出してるんじゃないかな、って」
言ってから、先輩はボクの様子を探るように、すばやく視線を走らせる。
それが、まるで親の顔色を窺う子どものようで、ボクはつい、笑ってしまった。
笑ったことで、気持ちがほぐれたらしい。先輩の言葉は、まっすぐにボクに届いた。
「確かに……そういうところはあります」
「忍はみんな、多かれ少なかれ、そういう面をもっているけれど。でもね、それだけじゃないんだ。生まれてきた、そして生きている、そのことがまず、大事なんだよ。忍としてどうか、っていうのは、その次」
言ってから、先輩は目を伏せた。
「なんてね、えらそうなこと言ってるけど、コレ全部、先生からの受け売り」
「そうなんですか?」
「そう。オレが先生から言われたこと、そのまんま」
顔を上げて、先輩はいつもの先輩の顔でヘラと笑う。
「こんなだから、コピー忍者って言われるんだね、オレ」

なんだか。
なんだか、むちゃくちゃ……。
苦しいような、熱いような……なんだか。

「え、ちょっと、泣かないでよ」
先輩の手がボクの頬に伸びた。
「はい?」
答えたボクの口に、塩辛い水が入りこむ。
「あ、ボク?」
「ボク? じゃないよ、もう……」
先輩の少し冷たい指先が、頬を撫でた。
「ああ、でも、そうかな。うん、そうだね」
「先輩、意味不明です」
言い返しながら、でもボクにはわかった。
きっと先輩も、ボクと同じような気持ちになったのだ。
そして、何度も何度も、反芻したのだ――生まれてきた、そして生きている、そのことが大事、と。
きっとボクがこの先、何度もそうやって反芻するだろうように。
そうして先輩は生きてきたのだ。

「オレがこんなだから、当分、ウチの隊は待機。で、テンゾウに宿題」
「宿題、ですか?」
なんだか懐かしい言葉を聞いた。
「そう。宿題。チャクラを練って、それを感じるだけの訓練」
え? とボクは先輩を見た。そんな基本の基本、という疑問は顔に出ていたのだろう。
「チャクラ練れるよね、当然」
ええ、と頷く。
「それを、術に還元するんじゃなくて、感じるの。体感するの。わかる?」
普段、無意識にやっていることを意識してやってみろと、そういうことだろうか。
「それがわかったら、印を組む。早くなくてもいいから。ちゃんとチャクラが術に還元されていくのを、自分で掴んでごらん?」
騙されたと思ってさ、ね? そう言って、先輩は笑った。
無意識に行っている行動のひとつひとつに意識を向けるのは、訓練の初歩ではある。
意図はわからないが、意味はあるのだろうと思い、ボクは頷いた。

その日から、ボクはひとり、アカデミー生のようにチャクラを練る訓練を始めた。
忍になりたてのころならともかく、普段、チャクラそのものに意識を向けることはあまりない。
術を発動するときのコントロールも、もう無意識に行っている。
意識を向けるとしたら、戦闘時にチャクラの残量を確認するときぐらいだ。
それでも、以前、カカシ先輩が言っていた「まっすぐでしなやか」だという自分のチャクラを感じようとしてみた。

そして、確かにそうかもしれない、と思う
カカシ先輩のそれには、エネルギーの渦そのままのような強さがある。それでいて、凪いだ海のように静かだ。
ああいうチャクラをもっているから、写輪眼を使いこなせているのかもしれないと、ボクは思った。

2日目には、自分のチャクラの状態がはっきりと感じられるようになった。
そこでボクは印を組んだ。
土遁、水遁……。
必要以上に練られたチャクラは、使われないまま消滅する。
正確に必要な量だけを見極めることも、もう無意識のうちに行っている。
ただ、慣れない土地だと、どの程度のチャクラが必要なのかが、まだ読みきれない。
そこで発動した術がパワー不足になったりする。
その辺は場数を踏むしかない。

3日目に、初めて木遁を使ってみた。
異なる性質の術を、練り込むように合わせていく。
木の葉の里は、水脈も豊かだから問題なく発動する。

ボクは、先輩のことばを思い出し、ゆっくりと術を繰り出すことにした。
土遁……水遁……で、合わせる――。
「あっ」
ぐらりと、わずかに視界が揺れた。
術は発動したが、直前に感じた、言いようのない違和。
一瞬にして、冷たい汗が流れた。
全身の細胞が湧き立つような、けれど決して心地いいのではない、むしろ悪寒に近い感覚、あれは、拒絶反応の発作を起こしたときのものだ。

「どうして? もう拒絶反応はなくなったと」
だからこそ、ボクは忍として復帰し、暗部に配属となったのだ。

再発?

ぶるり、と身体が震えた。

ダメだ、それだけはだめだ。
これから、ボクはあのひとと一緒に、任務をこなすのだ。
たくさんの任務をこなし、一緒に生きていくのだ。
なのに、再発だなんて。

どんなに、生きているだけでいいと言ってもらえても、ボクが自分で思う。
自分で選んだ。
カカシ先輩と一緒に任務をしたいのだ、と。
あのひとの背を守れるようになりたいのだ、と。

なのに、なぜ?