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 お婿にいった四+カカのお話
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2007年03月29日(木)
あんしゃんて -3-


扇型の陣形を取る。
中央に狗面の隊長、その左に鳥面、右にボク。

敵は、下忍を中心に中忍上忍を含む総勢、30人ほど、ボクらを特定の地点に誘い込もうとして、トラップを仕掛けている――という設定だ。
演習場の到る所に、先ほど虎面がトラップを仕掛けた。
そのなかを、陽動役の隊長が進み、ボクと鳥面がトラップを起動させつつ、破壊していく。
つまり、ちょうど敵の罠に嵌って誘い込まれた格好を装うのだ。
誘い込まれたと見せかけて、実は意図的に敵の陣中に飛び込んでいくときに使われる手だ。

ボクが加わったことで、フォーメーションが変わる。
そのための訓練を兼ねた……おそらくは、ボクの能力値の確認だろう。

最後、結界を伴った大掛かりな罠を解除すればボクらの勝ち。
罠にかかれば虎面の勝ち。

「じゃ、行くよ」
隊長が走る。そのスピードにあわせて鳥面とボクが左右を走る。
トラップを解除するのは、そう難しくない。
難しいのは……。
「速い!」
ともすると、隊長のスピードについていけずトラップの解除が遅れそうになる。
ボクは珍しく焦っていた。

「くそっ」
チャクラを練り細い蔓草を先に走らせ、強制的にトラップを起動させ、その攻撃から隊長を守る。
走りながらのコレは、かなり細かいコントロールが必要になるが、ほかに方法がなかった。
見ると鳥面もワイヤーを繰っている。が、次第にボクよりも遅れがちになる。
このままでは隊長の左側のトラップ起動が遅れる。
ボクは隊長の背後に移動し、左側にも蔓草を伸ばした。
おかげで、最終地点に到着した時、ボクはへとへとだった。

だが、ここに最後の罠が仕掛けられている。
隊長は、無造作に立っていた。結界の種類と範囲を確かめているのだろうと思い、近づこうとする。
途端、隊長に背後をとられた。間一髪、変わり身で逃れる。

なぜ、隊長が?

スタートしてから一度たりともその姿を見失いはしなかった。身代わりは在り得ない。

ボクは慎重に分身を繰り出す。
周囲を伺う隊長の背後を逆に狙おうとして――。

――っ!
首筋に当たる冷たいクナイの感触に、これが演習であることも忘れ、ボクは肝を冷やした。
振り返れば、狗面の隊長の姿……の向こうに鳥面と虎面。
改めて視線をやった分身のボクの前で、ボンと隊長が消えた。

「影分身?」
「そ」
「え? スタート前から?」
「うん」
「ええー!!」

本気で驚いた。
あのスピード、身のこなし。いくつか防ぎきれなかった武器が隊長に向かって放たれたのを、鮮やかにかわしながら進んでいたのが……影分身?
いや、本体の能力までをもそのまま映すから影分身なのだとわかってはいるのだが。
「だって、そうしないと全体像が把握できないじゃない」
ああ、なるほど。
はなっから、ボクがこの状況の中でどう動くのか、それを見るのが目的だったのか。
ならば鳥面が遅れたのも、わざと?
無言のまま視線をやると、鳥面も面を外した。
「あたしじゃ、隊長のスピードについていけないから、短い距離ならともかく、まずこういう役はやらないんだ」

はぁ、とボクは曖昧な返事をする。完璧、騙されたことを知って、少し感心してしまった。

枝にすわり込んだボクを、隊長が覗き込む。
「怒った?」
目の前で、狗面が傾いでいる。
なんだか、子どもみたいだと思う。
「怒ってはいません」
そう、怒りはない。
「疲れただけです」

ボクの返事をどう受け取ったのか、「ごめ〜んね」と隊長が言う。
「でも、やっぱり実戦の前に、適応力やスピード、見たかったから」
そして、さらに狗面が傾いだ。
「機嫌、直して。ね?」
その仕草に、ボクはさらに疲労を覚えた。

どうも、このひとはよくわからない。
言葉のひとつひとつ、動作のひとつひとつが、ボクを軽く混乱させる。
ボクの背後を取ることのできる実力にそぐわない。
何か意図があるのかと思ったが、どうもそうでもないらしい。

そこでボクは、改めて思い出した。
そう、このボクが、背後を取られた、それも二度までも。
いままで、そんなことのできた忍はいない。たとえ上忍といえど、それだけはできなかった。
気配には人一倍敏感だ。
それが持って生まれたものなのか、後付けの特殊能力のもたらす余波なのかはわからない。
ただ、わずかな空気の流れや震えに反応するセンサーのようなものが、ボクには確かに備わっていた。
――なのに、このひとは。
最初は、確かに油断があった。けれど、二度目はボクも警戒していた。
それでも、まったく察知できなかった。木の葉一枚揺らすことさえなく、ボクの背後に立ったことになる。

「完敗です」
自分の行動のひとつひとつをすばやく検証した結果導き出されたのが、それ。
完全なる敗北。それは実力の差だ。

ボクの言葉に、隊長は「えー」と言った。
「別に、勝負じゃないのに」
「じゃ、なんですか?」
「言ったでしょ? 適応力やスピードを見たかったって。それだけ」
確かに、そう言われた。
「もう、どうしてそう、すぐ、勝ったの負けたの、言うのかね〜みんな」
呆れたように言って、隊長は面を上げた。

「スピードはオレについてこれるぐらい速いってわかったし、形勢を判断して臨機応変に動くこともできるし、楽しみだね〜、これから」
そう言って、隊長はニコッと笑った。
「よろしく」

ボクは戸惑った。
笑顔を向けられたことなど、ここ最近ではほとんどない。
前の隊では、隊長はボクを扱いかねて、いつも不機嫌だった。
同じ隊の忍も、新入りのボクをなんとか溶け込ませようと心を砕いてくれたのだが、それがボクには重荷だった。
気を使われているのはわかるのだが、どうしていいのか、わからないのだ。
戸惑っているうちに、みな、「こいつは、こういうヤツだ」と距離を置くようになる。

このひとも、きっとそのうちそうなるだろう……と思っていると、ぐいと腕を掴まれた。
細い割りに力はある。ボクは引っ張られて立ち上がった。
「じゃ、演習終わり」
そのまま暗部棟に戻り、着替え、解散……になるかと思ったら、また腕を掴まれた。
「さ、飲みに行こう」
「あ、あたしは、失礼します、用があるので」
「自分も」
鳥面と虎面が消える。残されたのは、隊長とボク。
「あ、あいつら逃げた。ふん、いいもんね」
ボクは阿呆のように呆然としていた。どうも、普段のこのひとには、調子を崩されてしまう。

「隊長? どこへ」
逃げませんから、と約束して、ようやく腕は放してもらったが、ずんずん歩いていく隊長は行き先を言わない。
「隊長」
「隊長なんて呼ばないでよ。任務中でもないのに」
「でも……じゃ、はたけ上忍」
途端に振り向いた隊長が、うろんな目でボクを見る。
「それ、嫌い」
いえ、好き嫌いの問題では……。
「カカシでいいって」
「でも、先輩ですし」
「関係ないよ」
でも、ボクのほうが立場は下だ。
「えっと……カカシ先輩」
黙っている。
反対されなかったから、それでいいということにしよう、とボクは思った。