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 お婿にいった四+カカのお話
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  恋女   後顧   おまけ
  ストーカー被害に合うテンゾウと
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   香る珈琲、そして恋 -キリリク話-
 四代目とカカシの絆を知って、
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 【2部】 ぶらっく・るしあん-4話
 【3部】 ぶれいぶ・ぶる7話
 【Epilogue】 そして、恋

  あふろでぃーて-5話 -キリリク話-
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  春霞-4話
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  ちぇい・べっく
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4話
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  てぃままん-3話
  波の国と中忍試験の間

  月読-5話 -キリリク話-
 月読の術に倒れたカカシを心配しつつ、
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  月読 後日談


  テキーラサンライズ−19話
 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
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 ※途中、18禁あり
  プロローグ  本編  エピローグ



  La recommandation
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-ヤマカカな話-

  再会-Reunion-  第二部





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2007年03月25日(日)
恋女 〜おまけ


「先輩? なに、やさぐれてるんですか?」
慰霊碑の前で、今は亡き師匠に泣き言を訴えていたカカシに、呆れたような声をかけたのは。
「テンゾウ? え? おま……え? なんで?」
「先輩、ちゃんとした言葉になってません」
いつもと変わらぬ冷静な口調で指摘し、テンゾウは花束を慰霊碑の前に置く。
「今日は、ボクが大蛇丸の研究所から助けられた日です」
「あ」と言ったまま、カカシは口をつぐんだ。

テンゾウが助けられた日――あの、おぞましい研究所が暴かれた日。
すなわち、ほかの多くの、いつ死したともわからない実験体の、名目上の命日だ。
ほとんど身元もわからずじまい、無縁のままの霊を慰める、ささやかな祭祀が執り行われたはずだ。
おおっぴらに弔うことはできないので、わずかの関係者だけが列席する。

「テンゾウ……」
かがんで花を置き手を合わせたテンゾウは、カカシを振り返ると立ち上がった。
慰霊碑に刻まれているのは、研究所を暴くとき、命を落とした忍の名だ。
彼らは、大蛇丸によって研究所に仕掛けられていた精緻なトラップにはまったり、無造作に置かれていた強い毒薬の瘴気に触れたりして、世を去った。
だが、もっと過酷な死に方をしたのだろう実験体の多くには名もなく、慰霊碑にも残されることはない。
それでも、テンゾウはここに花を供えにきた。
どんな想いがその胸の内を過ぎるのか、本人ならぬカカシにはわからない。

けれど、カカシは「同じだ」と思った。
生きてきた過去は、まったく違うけれど。
この碑の前に立つときの気持ちも、きっと違うけれど。
ここへ来たいと思う、その心情だけは同じだ、と。
それだけで充分だと思えた。

無言のまま歩き出したテンゾウに、カカシは追いつく。
「帰ったら、しよ?」
カカシの言葉と同時に、テンゾウの足元がもつれた。
「せ……先輩」
そしてため息をつく。
「勘弁してください。ボクのコレは、あなたのソレに触発されるんですから」
「コレとかソレとか、わかんな〜い」
カカシは、笑いながらテンゾウの手を引いた。
「素直に、勃っちゃいました、って言えばいいのに」
返ってきたのは、はぁ、という呆れたような声だけ。
「テンゾウも欲しいよね、オレが欲しいって思ってるんだからさ、絶対、欲しいよね、オレのこと」
何も答えぬ後輩にカカシはますます上機嫌になる。
「このまえだってさ、シャワー浴びながら散々ヤッテ、それからベッドに入って散々ヤッテ。もう、オレ、次の日、腰抜けちゃったの、覚えてるでしょ?」
だってソレは先輩が、とモゴモゴ言うのを聞こえないふりでカカシは歩く。
翌朝、半分は自分の責任ながら身体を起こせない事態を認識したカカシは、緊急の指令が入ったらまずかったと青ざめ、テンゾウに指一本触れるなと言い渡した。
それからというもの、この後輩は律儀に指1本触れてこない。
いや、カカシが欲情さえしなければ、テンゾウは別に興奮もしないので、こんな命令は成立しない――はずなのだが。

「今日は、いっぱい、しようね、久しぶりに」
高らかに宣言するカカシに対して、テンゾウは無言のまま眉間にしわを寄せる。
「だいじょーぶ。ここんとこ、ちゃんとスクワットの回数も増やして腰鍛えたから、対策ばっちり」
ああ、どうして自分はこの後輩の前で、時々、こんなふうにハイになってしまうんだろう、とカカシは思う。
ハイになった挙句、振り回して、弄んでいるような気がしないでもないが、決して意識してやっているわけではない。

「いっぱいするのは、ボクも、やぶさかではないのですが……」
テンゾウが言いにくそうに、言葉を継ぐ。
「あの……緊急の任務が……」
ピィッと空気を裂く、鳥の声。
え? とカカシは立ち止まった。
「えぇ? うそ」
「いえ……生憎、ほんとうです」

眉毛がハの字になっている自覚のあるカカシは、同じように眉毛がハの字になっている後輩の顔を見て、盛大に噴き出した。
「あ〜、オレたちって、報われない」
はぁ、と言うテンゾウの肩を叩いて、カカシは言う。
「じゃ、チャッチャと片付けちゃいましょうかね!」
跳躍するカカシに続いて、地を蹴るテンゾウが笑った。
ああ、こいつのこういう顔、好きだな、とカカシは思う。
先生とは全然違うけど。でも、同じように、身体の奥のほうから、ほっと暖かく湧き出てくるものがある。

――せんせ。オレ、もう少し、こっちで頑張ります。

才には恵まれていたが、ひとの縁に薄い若き忍の頬を、春のかぜが、そよ、と撫でて過ぎた。
それはまるで、在りし日の、師の指先のようだった。



<了>