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 お婿にいった四+カカのお話
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  月読-5話 -キリリク話-
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  月読 後日談


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 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
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 ※途中、18禁あり
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2007年03月22日(木)
恋女 -中-


「報告書は?」
「出した。こっちも気になったけど、報告書は出さないと」
テンゾウの隣に陣取ったカカシが憮然と言う。
ということは、とっくに3人で飲んでいるのは気づいていたのだ。
「だから着替えもせずに、そのまま来たってわけね」
「悪い?」
自分のグラスが来るのも待てず、テンゾウのグラスでビールをかけつけ3杯。
「正規部隊での任務だったんだから、いいでしょ」
カカシの前に新しいグラスと、刻み海苔のかかったマグロの漬け丼が置かれる。
「いただきます」
カカシが両手を合わせ、丼飯をかっ込む間だけ、静かだった。

「ごちそうさま」
また両手を合わせ、いきなりカカシはテンゾウに向かい合うように身体をひねった。
「やっぱり、あの人妻、テンゾウに手を出そうとしてたんだ」
「やっぱり?」
「この前、サニーの散歩にテンゾウ付いてきたじゃない。あのときのあの目つき、絶対、テンゾウを狙ってるって思ったんだよ」
はぁ、と鳥面がため息をついた。テンゾウもため息をつきたい気分だ。
どうして、自分に向けられた色目に気づかず、余計なことに気づくのだろう、とテンゾウは思う。
「なーにが、吸湿性通気性にすぐれた生地です、だ。動きにくいったら、ないよ、まったく」
「はい?」
「これだよ、これ」
カカシがアンダーを引っ張る。
「試供品なの。これ着て、任務して、評価を下すの。これが今回のオレの仕事」
はぁ? と3人の声が重なった。
「だって、実際に任務のときに着てみないと、機能性とかわからないじゃない? だからって適当なヤツに着せても、そんな差異なんて関係なかったりもするでしょ?」
それは、そうだ。未熟であれば、己の限界なのか道具や服に起因する不都合なのかなど、見極められないのが常だ。
「だめ、ですか? それ」
虎面の言葉に先輩は大きく頷く。
「確かに、吸湿性もいいし、通気性もいいよ。でもね、伸縮性に欠ける。おまけに、熱に弱い。ちょっとこすれただけで、これよ」
ベストを開いて見せると、熱に解けたような穴とその周囲には繊維のクズ。
「一般人ならいいよ。でも、オレたちはそういうわけにいかないでしょ? 多少、ほかを犠牲にしても動きやすくて丈夫でなければ、意味がない」
焼酎をボトルからグラスに注ぎポットの湯で割り一気に煽って、カカシは肩をまわす。
「オレ、任務して肩こったの、初めてだよ」
「あ、それは……困りますね」
「ね〜」
そうか、あのメーカーの参入は、当分、無理なのかと、テンゾウは安堵した。
「おまけに、なに? 奥方はテンゾウに手を出そうとしていたって?」
カカシがグラスをタンと卓に置き、また焼酎を注ぎ、湯で割り、くいと煽る。
「冗談じゃない」
目が怒りに燃えている。
「い、いえ、先輩。ここは穏便に」
「そうです。火の国の大手企業を敵に回すわけには」
ギロと、額宛に隠されていない右目が3人を順繰りに見る。
「だ〜れが、敵に回すって言った?」
いっそ、その目が怖いです、とテンゾウは思うが、口にすることはできなかった。
「オレは、試供品について感じたままを報告しただけだよ。ただ、所見のところに「個人的印象なれど、入札を有利に運ぶために、奥方が色仕掛けで木の葉の忍に迫っている可能性あり」って、書いたけどね」
あちゃ〜、と3人は頭を抱える。
火影はカカシの性格もわかっているから、報告書の内容をそのまま鵜呑みにすることはないだろうが、後々のために利用することは、充分に考えられた。
「テンゾウに手を出そうなんて、10年早いよね」
いえ、100年たっても無理です、とテンゾウは心の中で答えた。

結局、しばらくして散会した。
鳥面も虎面も、申し訳なさそうな顔をしていた。
相談はうやむやになったが、きっと遠からずあの一家は木の葉の里から引っ越して行くだろう。

「恋する女って、怖いね」
歩きながらカカシが言う。
「そう……ですか?」
「オレたちが忍で、ダンナの命運を握ってるってわかってて、テンゾウに迫るんだよ。下手したら、ダンナの足、引っ張るんだよ。それも見えなくなっちゃうんだよ」
そうですか、としか、テンゾウは答えられない。
カカシに対する自分の情愛は、確かに恋だが、やはり狂信に似ている。
もし自分の想いがカカシを追い詰めることがあったら、自分は迷いなく命を断つだろう、というほどに。
だから、彼女の気持ちはわからない。
夫の首を絞めることになるような恋?
果たしてそれが、恋と呼ぶにふさわしいかどうかさえ、自分にはわからない。
でも、カカシは切なそうな顔をして、言う。
「だって、あのひとだって、打算だけで結婚したわけじゃないでしょ? 再婚だって言うし、いろいろ大変だったとも聞くし。たとえ打算だとしたって、不幸になりたかったわけじゃないでしょ? どうすれば今の生活を守れるかぐらい、わかってて、それでも止められないわけでしょ?」
どうだろう、とテンゾウは首を傾げた。
恐怖はなかった。気色悪い思いはしたが、こちらは忍だ。怖くはない。ただ相手の切羽詰った心情は、とても息苦しかった。
「きっと、寂しかったんだろうな、って思うよ」
カカシは天を仰いだ。雲に覆われた空は、夜でもうっすらと灰色がかっている。
「熱烈な恋愛の果てに、前の奥さんから奪った男だって、10年も立てば、自分よりも仕事優先。寂しくても、つらいことがあっても、抱きしめてもくれない。最近、あのダンナには愛人がいる、って噂もあるしね。そんなとき、目の前に若くて、やさしそうな男がいたらさ、ふらっとくる気持ち、わかるような気がするよ」
「でも、そんなふうな感じではなかったですけど」
寂しくて哀しい女には、まったく見えなかった。むしろ、ふてぶてしく、生命力が強く……。
「だ〜か〜ら〜。おまえは未熟なの」
カカシは笑った。
「そうでしょ? そういう心理を利用した任務だって、いっぱいあるんだから」
言われてみれば、とテンゾウは思った。
潰したい敵を篭絡させるために、くの一が何をするか。
相手が女性だったり、男性でもその性癖によっては、仕掛けるのが年若い男の忍である場合も決して少なくはない。
「だったら、先輩は」
気づいたら、テンゾウはずっと気になっていた疑問を口にしていた。
「先輩に向けた、彼女の気持ちに、気づいていたんですか?」