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 お婿にいった四+カカのお話
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   香る珈琲、そして恋 -キリリク話-
 四代目とカカシの絆を知って、
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 【2部】 ぶらっく・るしあん-4話
 【3部】 ぶれいぶ・ぶる7話
 【Epilogue】 そして、恋

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  春霞-4話
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  月読-5話 -キリリク話-
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  月読 後日談


  テキーラサンライズ−19話
 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
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 ※途中、18禁あり
  プロローグ  本編  エピローグ



  La recommandation
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-ヤマカカな話-

  再会-Reunion-  第二部





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2007年03月16日(金)
らすてぃ・ねーる 8


暗部服から正規部隊のベストに着替えてから、棟を後にした。
――はたけカカシと付き合うというのは、そういうこと、か。

「先輩?」
声をかけると、背後の気配が固まる。
付いてきているのは知っていた。立ち止まると、先輩も立ち止まる。
追跡じゃないんだから、と苦笑しながら、ボクは先輩のところまで戻る。
「ボクの部屋、来ますか?」
先輩は黙ったまま、考えるふうに首をかしげた。
「先輩の部屋でもいいですよ。あ、夜になったら、あの立ち飲み屋に行きましょうか。そしたら、先輩の部屋のほうがいいですね」
んー、と言ってから、先輩はほんの少し笑う。
くそぅ、カワイイじゃないか。
「ボク、一度部屋に戻ってから行きますから」
「ん、じゃ、先、帰ってる」
先輩はきびすを返した。

任務のときと、そうでないときの先輩の落差は激しい。
慣れたつもりだったけれど、やはり先輩のことは掴みきれない。
何が悲しくて、後輩の背後をこそこそと……それも気配だだもれだったし。
普段、あれだけ完璧に気配を消せるひとが、ああやってだだもれってことは、ボクに気づけと言っているのと同じなのに。なのに、ボクが気づくと固まる。あれは、なんなのだろう?

「ようご帰還か?」
部屋に向かって歩いていると、イナダに会った。
「今夜、どうだ?」クイと杯を傾ける手つき。
「悪い。先約あり」
イナダは目を見開いた。
「女か?」
「そんなんじゃないよ」
疑わしそうな顔をするイナダに思わず笑みがこぼれる。
「ほんとに、女じゃないって」
このとき、ボクは少しどうかしていた。任務中にあんなことがあったせいで、だれか……友人だと思っている相手に、先輩のことをのろけてみたかったのかもしれない。
もちろんほんとうにのろけることはできない。いや、できないわけではないのかもしれない、先輩からはボクらの関係を隠せとは言われていない。でも、大っぴらにしてもいいとはどうしても思えないのだ。
でも、ちょっとだけ。ちょっとだけなら。
「隊長と約束、してるんだ」
「なんだ……」とイナダは気の抜けたような返事をしてから、「え?」と目を見開いた。
「隊長と、って、それはそれですげぇな」
「おまえだって、隊長と一緒にメシ食ったり飲んだりしたことあるだろう?」
「オレらの隊長とカカシさんじゃ、違うよ」
「カカシ先輩とだって、一緒にメシ食ったじゃないか」
「それは、あれだ。オレらの隊長とカカシさんが一緒にメシ食いに行くのに誘ってもらったからじゃないか。ふたりでなんてないよ」
すげえ、すげえとイナダが言うので、ボクはだんだん恥ずかしくなる。
「今度、カカシ先輩と飲むとき、一緒に来るか?」
イナダは、ぶんぶんと手を振る。
「いやいい。畏れ多い。ってか、オレ、緊張して潰れる」
「普通のひとだよ、飲んでるときは。任務離れると、案外ぼ〜っとしたひとだってのは、知ってるだろ?」
「うん、知ってる。でも、いい。遠くから、こう……仰ぎ見てるだけで、おなか一杯な気分」
頑なに拒むイナダがおかしい。
でも、暗部のなかでさえこんな調子なのだから、やはり大っぴらにはしないほうがいい、とボクは改めて思う。
「変なヤツ」
「おまえにだけは、言われたくない」
「じゃ、今度また飲みに行こう。ヒガタも誘って」
「おう」
じゃ、またなと友人は去って行った。

私服に着替えて先輩の部屋を目指していると、どこからか声がした。
「おーい、こっちこっち」
見回すと、表通りから路地を入ったところで、シャツにジーンズ姿で手を振っている先輩。
「何やってるんですか?」
一軒家の庭先で、トンカチを振り回している。先輩の部屋まで、あと500mほどという位置だ。
「うん、犬小屋をね、修理してあげてるの」
先輩の傍らには、仔犬を抱えた子どもがいた。
「前の仔が死んじゃってから、ずっとそのままだったらしくて、傷んでるんだ」
そう言って、錆びた釘を引き抜く。
ボロボロと崩れるそれを指先でつまんで、先輩は難しい顔をした。

「新しい板使ったほうがいいね。ほら、ここ。腐っちゃってる」
子どもは顔をあげると、
「ママに聞いてくる」
と言って、駆け出した。その後を仔犬が追う。
「この前ね、捨てられてたあの仔を前に、だだこねてるところに行き会ってさ」
先輩はトントンと釘を打ちつけながら、話し出した。
「母親は、そんな血統書もないような犬って言ったんだけど、子どもがね、引かなくて。ちゃんとしつけをすれば、血統書なんかなくても、家族の一員として恥ずかしくない犬になりますよ、って思わず口出しちゃったんだよ」
へえ、とボクは先輩の顔を見た。なんか、先輩らしくないというか。もっとも先輩は忍犬使いだし、忍犬たちに手縫いのマントを着せているのを見ても可愛がっているのは確かなのだが。
そんなふうに、一般人に関わる先輩というのが、ボクの想像を超えていた。
「で、口出した手前、仔犬のトレーニング引き受けて、ついでに犬小屋を直してあげる約束したんだ。よし、と」
子どもが、板切れを抱えて戻ってきた。
「使えそうなのある?」
「……そうだね、うん、これがちょうどいい」
トントンと軽快なトンカチの音。
「じゃ、これで古いペンキ落としてね」
サンドペーパーを子どもに渡す。
「はい、おまえも」
ボクにも手渡される。
三人でせっせとサンドペーパーをかける傍らで、仔犬がはねる。

それからペンキを塗り終え、ようやく犬小屋が完成した。
「ペンキが乾いて、匂いがしなくなるまで、使えないからね」
子どもは元気よく頷いた。
「ありがと」
そしてボクを見る。
「おじちゃんも、ありがと」
お、おじちゃん……ですか? ひそかにボクは傷ついた。
まあ、でも子どもから見たら、ボクらはおじちゃんかもしれないな、と自分を慰める

「犬小屋まで直していただいて、ありがとうございます」
家のなかから上品な女性が姿を表し、ボクを見ると先輩に物問いたげな視線を向ける。
「あ、オレの友人です。今日、約束してたんで。こいつにも手伝わせちゃいました」
まあ、お友達まで、と言いつつ、先輩に流し目をくれる女性に、ボクは納得した。
そういうことか。
まったくこのひとときたら。
まあ、そのおかげで命拾いした犬がいて、その犬から多くのことを学ぶ子どもがいるんだから、よしとしよう。
「お茶を入れようかと……」
「あ、すみません。これからこいつと予定があるんで」
先輩のこれ、天然だろうな。このひとの流し目にも、たぶん気づいてないよな。
自覚なしじゃ、怒るわけにもいかないけれど、任務のときのアレのあとにコレでは、ボクの忍耐力も限界かもしれない。
「まあ。残念……じゃ、ちょっと待って下さいな」
女性はそう言って、パタパタと家のなかに戻った。
「ママね、さっきからご馳走つくってたんだよ」
子どもが、無邪気に言う。
「サニーが来たお祝いしましょう、なんて言って」
「仔犬、サニーって言うの?」
ボクが問うと、子どもはうん、と答える。
「おひさま、って意味だよ」
金茶色の犬にその名はとても似合っていた。
「おにいちゃんが言ったとおり、とっても頭いいんだ」
おにいちゃん? え? 先輩はおにいちゃんなんですか? ボクがおじちゃんなのに?
追い討ちをかけられた気分だ。

「これ、少しですけど」
母上が戻ってきて差し出したのは、密封容器に詰められた色とりどりの……コレ、なんだ?
「え、すみません、そんないいのに」
先輩はしきりに恐縮しているが、この女性、先輩を餌付けしようとしてるな、とボクにはピンと来た。
きっと料理の腕には自信があるのだろう。
「また、散歩させに来ますから」
愛想よく言って、先輩はその家を後にする。

「得しちゃったなぁ〜」
先輩は上機嫌でボクと一緒に部屋に戻った。ボクの不機嫌に気づかぬはずはないのに。
「ローストビーフに、これは」と、クンと匂いを嗅ぐ。
「フォアグラのパテだ。すごいなぁ。ちしゃのサラダに、サーモンのムース」
へへ、とボクを見て先輩は笑った。
「豪華なつまみが手に入ってよかったね」
すみません、先輩。ローストビーフは言葉から内容が分かりますが、ほかはまったくです。

「とりあえず、冷蔵庫にしまっとこ」
冷蔵庫の扉を閉めると、先輩はくるりとボクに向き合った。

「言いたいこと、いっぱいあるよね、テンゾウ」