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 お婿にいった四+カカのお話
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2007年03月08日(木)
らすてぃ・ねーる 2


気配を探るが、それらしきものはない。
八方に散ったカカシ先輩の忍犬たちも、途方に暮れたように戻ってくる。
たとえ結界を張っているとしても、今回の敵は忍ではないので、少なくとも同胞にはわかるようななんらかの徴を残しておくはずなのに、それもない。

先輩とボクは探索も兼ねて、焼かれたまま放置されていた村人たちの死体を、北のはずれにある墓地に運んだ。
このまま供養していいものか判断がつかなかったので、使えそうなシートを敷き、死体を改めた後、上からもシートをかけた。
そのなかにも、忍らしき死体はなかった。

まさに、小隊は消えたとしか思えない状況だった。

ただ、最後に戻った一頭が、別の気配を探し当てた。
「この村にあるのと同じ匂いがある。尾根をひとつ越えた向こうだ」
「まさか、逃げ延びた村人がいる?」
向かった先は、少し前に廃村になっていたらしい、さっきの村よりもずっと小さな村だった。
元はやはり同じように農業を中心に、家畜を飼って暮らしていたのだろう。
家は荒れているが、人の気配はする。
「同じ?」
「同じ匂いだ」

先輩は、しばしの思案の末、結論を出した。
「あの子たちを、この村に送り届ける」
先輩は忍犬に指示を出して先に行かせ、ボクらが再び先ほどの村に戻ったときは、もう準備ができていた。
「聞いてみたら、村に何かあったら、あの廃村になった村に逃げる、という決め事があったようです」
その何かは、きっと天災などの災害を想定していたのだろう。決して、盗賊の焼き討ちなどではなく。
「じゃ、しゅっぱ〜つ」
先輩の声を合図に、ボクらは歩き出す。
体力的に弱っている少女たちは荷車に乗せ、使える道具や食料を別の荷車に載せ、年かさの娘は、それぞれ大きな荷を背負う。そして、荷物を積んだ荷車を先輩とボク、少女たちをのせた荷車を残った2人が、押していく。

さっきは怯えていた彼女たちも、すっかり落ち着いていた。
カカシ先輩のことも、正視しないまでも、それほど怖がってはいないようだ。
「隊長。プロテクター、どこかで洗うか、予備と取り替えればよかったのに」
鳥面が、呆れたように言う。
「そうだったね〜」
気の抜けたサイダーみたいな先輩の声とガラガラという荷車ののどかな音が、茜色になった太陽に照らされた山道に響く。春の近い山は新芽を出し始めた木々に覆われていて、清清しい空気に満ちていた。
「なんか、下忍時代を思い出すな」
虎面が、呟く。
「ああ、農作物の収穫とか。引越しの手伝いとか」
鳥面も、懐かしそうに言う。
「屋敷の庭掃除、雑草刈り」
「あの頃は、なんでこんなしょぼい任務なんて思いましたけど……」

先輩より少し年上の二人の下忍時代は九尾の前だったのか、とボクは思う。
九尾に襲われた後の3,4年、激減した忍を補うように、下忍にも容赦なく高ランクの任務が振り分けられた。
今は、班の戦闘力が偏らないようにセルを組むようになっているが、一時、班によって戦闘中心の班、里内のDランク任務中心の班と、能力によって振り分けられていたこともあったのだ。
先輩は、忍界大戦のさなかに下忍になってすぐ中忍に上がっているから、もしかしたら、もっと過酷な下忍時代を過ごしたのかもしれない。

「あ〜、そう言えば。一度、子守りってのをやったことがあったなぁ〜」
「隊長が?」「隊長が?」
鳥面と虎面の声が重なる。
「さるお屋敷のお坊ちゃまたちで、5歳を筆頭に4歳、3歳っていう年子でね。何して遊ぶって聞いたら、忍者ごっこ、って答えられて。困った困った」
「忍者、ごっこぉ〜?」
ボクら3人は盛大に吹き出した。
「ねえ。忍が忍者ごっこしてどうすんのよ、みたいな情けな〜い気分でね」
「で、どうしたんですか?」
虎面の質問に先輩は、「仕方ないから、したよ」と答える。
「普通に組み手するのと同じようにして、手加減しながらやった」
すぐに中忍になれた先輩にとって、それはまあ、別の意味で大変な任務だっただろうとボクは同情しつつも、トウ、とか、ヤア、とか遊んでいる子どもたちの姿を思い出し、そこに子ども時代の先輩を当てはめて、思わず笑ってしまう。
「あ〜。何笑ってるのかな、猫面くんわぁ〜」
「あ、いえ、なんでもありません」
「ま、いいか。でね、続きがあってね、その家の使用人が途中で様子見に来て、『おまえら、どこのガキだ、どこから屋敷に入り込んだ』って怒鳴るんだ。ちょうど先生は依頼人と席はずしていて、いくら子どものオレらが『仕事で子守してます』って言っても、信じてくれないの」
「え、額宛していたんですよね?」
「してましたよ〜」
「それでも?」
「うん、だってそのころオレなんか5歳だもん。年の割りにチビだったしね」
あ、と二人はようやく、思い至ったらしい。
「5歳って、お坊ちゃまも……5歳?」
しばしの沈黙の後、ぶっと吹き出した。
「あ〜。どうしてそこで笑うかなぁ〜」
「隊長、セリフ棒読みです。怖いです」
ノンキなボクらの会話に、娘たちもクスクスと笑いを零していた。

ゆっくり歩いたので、尾根を越えたときは暗くなりはじめていたが、もう村は目と鼻の先だった。
「ここからは、大丈夫でしょ?」
娘たちは頷く。一番年嵩らしいのが、比較的元気そうな少女に「村に先に行って、大人を呼んできて」と言いつける。少女は走り出した。
娘と言っても、農作業も手伝っているのだろう、平地になれば荷車ぐらいなんとか引っ張っていくこともできそうだ。
ちゃんと家まで送り届けたいが、ボクらは暗部。面をつけているとはいえ、こうやっているのも、ほんとうなら異例中の異例なのだ。

「このことは言いふらしちゃ、だ〜め。いいね」
もう、血濡れの先輩も怖くはないのか、娘たちは「はい」と答え、深くお辞儀をした。
彼女たちが顔をあげたときには、もうボクたちの姿は消えている。
そして、二度と会うことはない。それが、彼女たちにとっての幸せだ。

その後、正規部隊と合流し、捕獲した軍人崩れの盗賊を引き渡したのち、ボクらはまた村を探索した。
村には、なんの気配もなかった。
庄屋の水道を借りて、それぞれ汚れを落とし、最後にだれかが村に入ればわかるように封印を施した。
敵陣に切り込む前に構えた仮の陣から荷物を運び出し、村を見下ろせる位置に、腰を落ち着ける。
「しょうがない、今日は野営だね。交替で仮眠をとろう」
木遁で仮宿を作ってもいいのだけど、状況の見えない現場の只中なので、それは避けた。
村から盗賊たちの姿が消えれば、異変を察知して何か動きがあるかもしれない、という期待もある。

先に寝ててい〜よ、という先輩の言葉に、ボクら3人は身を横たえた。
「ねえ」と、鳥面が抑えた声で話しかけてくる。
「あんたと隊長、なんかあったの?」
ボクは表情だけで、問い返した。
「この前、偶然、隊長に会ったのよ、外で。そしたら、隊長のじゃないひとの匂いがしたんだ、かすかに」
この鳥面のくの一も、めっぽう鼻がいいのだった。それで薬草や毒に詳しく、特別上忍になっている。
「そんときはわからなかったんだけど。今日、わかった。あれ、あんたの匂い」
そこまでわかっているなら、何もボクに改めて聞くこともないのに。
「あんた、なんか無体なこと仕掛けたんじゃないよね」
あ、そっちの心配か。ボクが無理やり強姦でもしたと思われているのか。
ボクはやはり無言のまま、首を横に振った。
「じゃ、合意?」
答えないボクに、彼女はふっと小さく笑う。
「ふ〜ん、合意なんだ。確かに、何かトラブル抱えてるって感じじゃないしね。むしろ、隊長、上機嫌だし」
「上機嫌?」
聞き返したボクに彼女は頷いた。
「あんたとバディ組むようになってから、ずっと機嫌はいいのよ。で、今回は、上機嫌。もっとも不機嫌でも、あまり変わらないけど、任務を離れた小さなとこではね、割とわかったりするんだ」
彼女は、最初、別の隊長のところで先輩と一緒で、先輩が分隊を任されるようになったとき、彼女も一緒にそこに配属になったと聞いている。つまり、付き合いが長い。
「せいぜい、喧嘩しないようにね」
彼女は言うだけ言うと、ボクから離れ、眠りに入った。

そうか。これからは、こういうことにも気をつけないといけないのだ。
こういう関係は、隠しても自然と知られてしまうものかもしれないけれど。
あのカカシ先輩のことだから、伝説がもうひとつ増えたところでどうということもないのかもしれないけれど。

ボクは春近い山の夜の、苔むした匂いを確かめるように深呼吸し、眠ることにした。