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 お婿にいった四+カカのお話
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  月読-5話 -キリリク話-
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  月読 後日談


  テキーラサンライズ−19話
 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
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 ※途中、18禁あり
  プロローグ  本編  エピローグ



  La recommandation
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-ヤマカカな話-

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2007年02月27日(火)
ぱすてぃす 後朝 <後>


テンゾウにとってカカシというひとは、ある面で、掴めそうで掴めない蜃気楼のような存在だった。
本人の姿を映してはいるのだけど、あるときそれは掻き消えるように見えなくなってしまう。

本人が意図して実像をはぐらかしている部分もあるし、意図せず、そうなっている部分もある。
結果、虚実ないまぜとなって、ますますカカシの実態はわからなくなる。
噂ばかりが先行するのも、そのためだろう。
だから、彼の感情を探っても、あまり意味がない。どっちみち、わからないのだから。
ならば、自分がどうしたいか。それに基づいて行動するほうが、ずっと建設的なのではないか。
――だったら、ボクはまっすぐにぶつかっていこう。答が否なら、仕方がない。諦めよう。
テンゾウの決心は前向きだった。

だから、試しに誘ってみた。我ながら少々強引だと思ったけれど、カカシは素直についてきた。
そこまではいい。問題はその後だ。
酔っ払った自分は、まっすぐにぶつかるどころか突進した勢いで、相手の反応も確かめず、そのまま突っ走ってしまった。

――一度、抱かれたら、それで終わりなんですか? なんて、普段そんなこと言ったら、間違いなく瞬殺だ。
――いや、その前に、恋人だと思っていいのかとか、聞いたんだ。なんだよ、それ。それこそ、一度寝たら恋人なのか?
おまけに、なぜかカカシは正座をして、妙にちんまりしていたような……。
――うわー、うわー、うわー。なんてことを、先輩に。

挙句、押し倒した。
今回は、間違いなく、押し倒した。

「さむい……」
寝ぼけたカカシが、上掛けの間から手を伸ばす。
「……ねぇ」
ねだるように言いながら、テンゾウの肘のあたりを、遠慮がちに引いた。
テンゾウは、ようやく冷え切った自分の肩と背に気づいて、カカシに促されるまま、また身を横たえ、上掛けを被る。その肩の辺りに鼻面を押し付けるようにして、カカシがひっつく。
「つめた」
小さく呟くと、両手でテンゾウの左腕を抱くようにして、カカシはまた、くーくーと寝息をたてた。
まるで忍犬たちに守られて眠っているときのような姿だ。

テンゾウの頬が、ふっと緩む。この前、カカシの部屋に泊まったときは、彼のほうが先に目覚めていた。そして、自分は彼が目覚めた気配も感じなかった。
だから、今日、こうやって眠っているカカシを見ることが出来て、テンゾウは嬉しかった。
――ボク、忍犬の替わりでしょうか?
と心のなかで問いかけながら、それならそれでいい、とも思った
彼が無防備に眠れるなら、なんでも。

規則正しい寝息が、肩先にかかる。

怒っていないのだろうかと、テンゾウはふと疑問を覚えた。
無意識とはいえ、腹を立てている相手にくっついてくるだろうか?

必死で開かないように抑えていた記憶の扉を少し開ける。
昨日、自分は先輩を押し倒した……いやその前に、そうだ抱きしめたのだ。
カカシは抵抗しなかった。
普段の彼なら、いくら突然でも避けることができる。
――いや、でも里にいるときはボーッとしてるから、何とも言えない。殺気になら反応するだろうけれど。
押し倒したときも、抵抗はしなかった。

――それで?

おずおずと、その先の記憶を紐解く。

口布を下ろして、キスをした。
この前したように舌を絡めて吸い、甘く噛むと、やっぱりくふんと鼻を鳴らして身じろいだ。
ギュッと抱きしめて、動けないようにしてそうすると、なんだかもどかしそうにする。
そうするうち、彼の腕が背に回ったのだ。互いにまだ忍服を着ていたから、ひどく窮屈だったのを覚えている。
でも、その途端、身体が熱くなった。体内でチャクラが膨れ上がるときに、似たような感覚だった。

――あ、そうだ。
思い出す。自分の熱をもてあまして、カカシの首筋に顔を埋めたテンゾウの額宛を、彼が器用に解いた。
それから、互いに装備をはずし合い、忍服を脱がし、ベッドに移動した。
笑えることに、その間、無言だった。ただ、黙々と、手を動かし、そしてベッドに入るなり……。
――抱きつかれたんだった……。
舌を絡めながら、カカシの手が背やわき腹をたどり、テンゾウはいいだけ煽られた。

どうも、一度火がつくと、カカシのほうが早く沸点に達するようだ。
――で、先輩、焦れたみたいになって。
テンゾウの顔が、かっと火照る。
半勃ちの自分に手を伸ばしてきたのだ。あわてて、避けたら、恨めしそうに睨まれた。
――あの顔、可愛かった……じゃなくて。
だから、態勢を変えて、それで。

あとは、思い出したくない。本能の赴くままに、カカシの身体をあちこち舐めまくっただなんて、忘れたい。
くぅ、と犬が鼻を鳴らすみたいな声をあげるのが嬉しくて、夢中になってしまったのだ。
でも、身体を繋いだ途端、テンゾウは冷静になった。たぶん、傷つけてはいけないと緊張したのだ。
そして、そんなテンゾウに反して、カカシは薬でトリップしているかのように、どこか焦点の合わない目をしていた。

「受け入れる側の身体が慣れるまでは、急に動かないこと」

こういうとき教えられたことが、自然に思い出される。
だから、テンゾウはうずうずする自分を抑え、カカシを抱きしめていた。
ちょうど左の体側を下に、背後からカカシの肩の辺りに腕を回していた。その手にカカシの手が重なったと思ったら、
「泣いちゃいそう」
と、うわごとのような声が聞こえた。
「動いてよ」
言葉と同時に締め付けられた。

緩く動きながら、自分の感覚に集中する。
一方で、相手の反応を、脳の別の箇所が感知する。
そんな感じで、繋がったままうつ伏せになったり、一度離れて、また繋がったりした。
なかなか終わらなかったのは、アルコールの作用でテンゾウの感覚が少し麻痺していたからだろう。
無心に遊んでいるような、それでいてどこかで切羽詰っている、でも、心地いい、不思議な感じだった。

最後、騎上位になったとき、自分の下腹の上で身体を弾ませながら、カカシは切なそうに声をあげていた。

最初のときは声を殺していた。
息が荒くなるのをとめることは、さすがにしなかったが、声は殺した。
翌日、じゃれあったときも、声はあげなかった。
だから、こんな声は初めて聞いた。まるで動物が交尾しているような、嗚咽交じりの声。
ただ、自分の本能だけに忠実で、テンゾウのことなど目に入っていないようでもあった。

結局――。
カカシは、抵抗しなかった。ただの一度も。
――イヤ、だったわけじゃないのかな?
テンゾウは、穏やかな寝息を聞きながら、天上を睨む。
でも、尋ねても、はぐらかされそうな気もする。
――たまってただけかもしれないし。なんとなく、気が向いただけかもしれないし。

テンゾウは目を閉じた。
カカシの心情を慮っても、わかるはずなどない。任務に関わることならわかるけれど、そうでないことはダメだ。

ふっと意識が眠りに引き込まれそうになったとき、思い出した。
――ああ、昨日って……。

じゃあ、先輩がパスティスをおごってくれたのは、もしかして?
いや、考えすぎかな? でも、もしそうだったら?
と言って、改めて聞くのもヤボだし……。
どうしよう……。

どう……。

そこでテンゾウの意識も、眠りにもっていかれた。

窓の外には、すっかり明けた初春の薄青の空が広がっていた。



<了>