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 お婿にいった四+カカのお話
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  月読-5話 -キリリク話-
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  月読 後日談


  テキーラサンライズ−19話
 ぎむれっと前日譚


   ぎむれっと-40話 -キリリク話
  かっこいいカカシと、
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 ※途中、18禁あり
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  La recommandation
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-ヤマカカな話-

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2007年02月23日(金)
ぱすてぃす〜前章 <前> -18禁-

*「びとぅぃーん・ざ・しーつ」カカシ視点

――今日、ひとりの忍を殺した。

カカシの人生で、それは別に珍しいことではない。
ただ、今日、殺した相手は同胞だった。
5歳ほど年上の上忍で、正規部隊で任務を共にしたこともあれば、合同任務で組んだこともある。口数は少ないが、部下思いで面倒見のいい忍だった。
その彼が、なぜ里を裏切るようなことになったのか、その経緯をカカシはしらない。

彼と彼の仲間の討伐を命じられたので、足取りを追った。

「お前がきたのか」

面を被っていても、何度も一緒に任務についていれば、おのずと正体は知れる。

「……オレだよ」

彼の強さは知っていた。まともにやりあえば、カカシにも隙が生じる場合もあるだろう。
一発で確実に仕留めなくてはならなかった。できれば、忍具ではなく、己の手で。
右手に残る感触は、確実に相手の命を奪った証でもあり、己への戒めでもあった。
肉、骨といった組織を貫く衝撃は、己の手に返って来る。
殺す、ということがどういう意味をもっているのかを思い出させてくれる。
命を奪うことに慣れてはいけない。
カカシはそう考えている。



「せんぱい」
後輩のかすれた声が聞こえ、両脇についていた腕が折れた。
彼の胸板が背に密着し、吐息が首筋をくすぐる。
里を裏切った同胞の血に濡れた数時間前の感触を握り込むように、カカシの右手がシーツを掴んだ。
歯を食いしばり、それでも声が出そうになったから。

身体の奥、内臓の底に、感じる違和。
もどかしく、苦しく、それでいて甘美な感覚に、溺れそうだ。

今日、殺した相手の、今わの際の顔が、浮かんで消える。

こんなことじゃ、ダメだと自分を叱咤する。
一方で、溺れてしまえと囁く自分がいる。
溺れて、何もかも忘れてしまえと――。

「せんぱい……」
うわごとめいた言葉に、また身体が震えた。
少し甘えているような声を、初めて聞いた。
嬉しい。この後輩が、自分を欲しいと思ってくれたことが、とても嬉しい。

「喰っちゃいたいです」
と言った彼の声が、今も耳に残っている。
喰われてもいい、と思った。この後輩になら、それでもいいと思った。

もう逃げられない。
逃げなくていい。
嘘もごまかしもいらない。
そう思うと嬉しかった。



礼儀正しく、情緒も安定していて、その性根もまっすぐな後輩のことが、いつしか気になっていた。
バディを組んでみれば、最初こそちぐはぐなところがあったものの、すぐにコツを飲み込んでしっかりサポートしてくれる。
何より、動きが妨げられないのがいい。まるで自分の考えを読んでいるかのように、絶妙のタイミングでサポートが入る。
彼の使う術は、いまの里では彼しか使える者がいない。
その背景の壮絶さとは裏腹に、術は彼の性根と同じく、しなやかで力強い。
初めて術を目の当たりにしたとき、ああ、彼が、と思った。
そして同時に、ほんとうに? とも思った。

忍のなかには悲惨な過去を持つものも多くいる。
カカシは父親のこともあり、いろいろ言われもしたが、反面同情もされた。でも、本人は「そんなの普通だろ?」ぐらいに思っていた。
もちろんサクモの自死は幼いカカシに大きな傷を残した。けれど幼いころの傷に拘るあまり、親友とも呼べたかもしれない友を失ったことのほうが深い痛みとなって、今も残っている。
でも、テンゾウの経験したそれは、「普通だろ?」ですむようなものではないはずだ。

大蛇丸の実験体。
その呼び方が、どれほどテンゾウという個人の尊厳を傷つけているか。
それでも彼の性根はまっすぐで、その心はしなやかで、彼の使う術もまっすぐにしなやかだった。

――術って、使う者の質が出るものなのかな?
ふと浮かんだ疑問に、カカシは少し落ち込んだ。もし、そうだとしたら自分はいったい……。

アカデミーに通う子どもたちの中で一番人気の高いのは、火遁だそうだ。
確かに、人間は火を使うことで他の生き物を制圧してきた歴史を持つから、それは本能に近いのだろう。
そして木遁は、今の里で使える者が他にいないから、知られていない。
水遁と土遁から生まれる木遁の力は、自然を統べる。そして、人間の存在そのものを圧倒する。
尾獣をも押さえる力をもっていたという初代さまは、その圧倒的な力で忍の里を築いたけれど、それは力で制圧するというようなものではなく、むしろ自然にひとが初代さまの元に集まってくるようなものだったのではないかと、カカシは思っていた。
アカデミーで教える授業では、木の葉の浅い歴史を補うかのように、初代さまを天上のひとのように祀り上げている感がなきにしもあらずだが、直接教えられた三代目やご意見番をはじめとする年配者からは、穏やかで、でも意外と悪戯好きで邪気のない面もあった初代さまの顔を知ることができる。
だからこそ、古くから特殊な能力を有し、それ故に迫害されたり意に添わぬ使われ方をした苦い経験をもつ一族や、特別な能力をもった忍たちが、木の葉に集まってきたのだ。

その初代さまの遺伝子を組み込まれた後輩。
彼以外はほとんどが死に、生き延びた者も彼以外は廃人となった実験だったが、血縁でもないのに、遺伝子が適合したということは、彼はそういう器だったのだろうと、カカシは思う。
そう思わせるものが、彼にはあった。

だから、バディを組んで背を任せることも、躊躇わなかった。
万一、それで自分が死んだら、彼には辛いことになるだろうが、自分にとってはこのうえない死に方だとひそかにカカシは思っている。もちろん死ぬつもりなどないのだが、何が起きるかわからないのが忍の世界だ。

――テンゾウが背を守っていて、それで自分が死ぬなら、それがオレの寿命ってことでしょ?