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 お婿にいった四+カカのお話
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2007年02月16日(金)
びとぅぃーん・ざ・しーつ 8)


先輩の部屋に入るのは、初めてだった。
今日は、“初めて”を多く経験する日だ、となんとなく思う。
最初は少し緊張もしたのだが、別にどうということのない、独身の男の忍の部屋だ。
だらだらと飲んでいるうちに、緊張もどこかに行ってしまった。
「この佃煮、うまいですね」
ボクがそこそこ値の張る焼酎を買ったからか、店のひとが飲み屋のほうで出すつまみをいくつかもたせてくれた。
「……うん」
「よく行くんですか?」
「……たまに」
そして先輩との会話はさっきからこんな調子。
読みかけだったらしいイチャパラの続きに没頭している。
先輩のグラスが空になると焼酎を注ぎ、ポットの湯で割る。たぶん、それにも気づいていないのではないかと思うほど、先輩はイチャパラの世界だ。
それが不快というのではなく、むしろ心地いい。
心配して、緊急時にしか認められていない屋根伝いにでもやってきたい気持ちを抑えて、苛々しながらもちゃんと歩いてきたのに、先輩はくつろいで酒を読みながらイチャパラを読んでいる――この状況に、ほんとうだったら、もっと腹を立ててもいいのかもしれない。
でも、ボクの気持ちのどこを探っても、そんな腹立ちはない。
先輩がページをめくるときの紙の音が、時折聞こえてくるだけの静かな時間が、なぜかとても気持ちいい。
飲み屋で飲んでいては、決して経験することのない空間と時間だ。

それにしても、こんなふうに隣にいることを許してくれるのは、どうしてなのだろう。

ボクはオン・ザ・ロックにした焼酎を、一口含む。
少し癖のある香り。でも慣れると、これがおいしい。
ふぅ、と小さく息を吐いて、先輩が本から顔を上げた。
そしてボクを見る。
その視線は、ボクを見ているような見ていないような、むしろボクを突き抜けてしまっているような感じだ。
「そろそろ寝よ?」
そう声をかけてきたということは、先輩はボクをちゃんと認識しているということだ。
視線は相変らずだけど、別にボクの存在を忘れたわけでも無視しているわけでもないのはよくわかった。

「着替える?」
立ち上がってタンスの引き出しを開けながら、
「これだったら大丈夫かな」
と、パジャマを放り投げてきた。
薄青のそれからは清潔な洗剤の匂いがする。
「オレにはちょっと大きめの、ゆったりサイズだから」
身長はボクのほうが低いが、肩幅や胸板はおそらくボクのほうがあるだろう。
これからもっと背が伸びれば、先輩よりもガタイもよくなるはずだ。
……じゃなくて。
泊まるつもりだったわけじゃない。
ただ、ヒガタたちから聞いた話が気になって、先輩の様子を見に来ただけだった。
なのに、あまりに当たり前のように、ボクが泊まっていくと思っている先輩に、今さら「帰る」とも言えなくなった。
投げて寄越されたパジャマを手に、それでも少し逡巡する。
そして、そんなボクの逡巡を笑うかのように、カカシ先輩はさっさと服を脱いで、脱いだ服を乱雑にハンガーにかけると、着替えた。
まだ着替えていないボクを見て、ちょっと首を傾げるようにしたが、何も言わず立ち上がる。
グレーの細かい格子模様のパジャマを着た先輩は、薄くはかない影のように見えた。
「歯、磨く?」
そう尋ねながらも、返事はまたずにドアの向こうに消える。
シャコシャコシャコと音がするということは、歯を磨いているんだと気づいて、ボクはあわててパジャマに着替えた。
脱いだ服はざっと畳んで、隅のほうに寄せる。
ドアを開けると、やはりというべきか、そこは洗面所で、先輩はボクに向かって、使い捨てらしい歯ブラシを突き出した。コレを使えと、そういう意味なのはわかった。

並んでシャコシャコと歯を磨きながら、ボクは自分の置かれた状況がよくわからず、少し混乱していた。
そして混乱しながらも、その一方で、こうしていることに違和感を覚えていないことにも気づいていた。