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 お婿にいった四+カカのお話
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   ぎむれっと-40話 -キリリク話
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2007年02月03日(土)
びとぅぃーん・ざ・しーつ 3)


「で? なんで、そこにいるんですか?」
ドアを開けた途端、居間のガラス窓にひょっこりと顔を出したのは、先輩だった。ドアをノックするように、ガラスをコツコツと叩く。
なぜ、よりによってベランダに向いた窓ではなくて、こちらの出窓のほうに顔を出すのか……。わざわざ余計なチャクラを使って、アパートの外壁にへばりつかなくてもよさそうなものなのに。
ボクはため息をついて、窓を開けた。
「おかーえり」
「……」
「あれ? テンゾウ、ただいまは?」
「……」
「お帰り、といわれたら、ただいま、だろ?」
「……ただいま……」
その前に、何か言うことないんですか? と喉まででかかった言葉を止める。
「いい?」
部屋の中を指さす。
「どーぞ」
我ながら、先輩に対する後輩の態度ではないと思いつつ答えると、カカシ先輩がチラとボクを見た。ほんの一瞬。
「お邪魔しまーす」
次の瞬間には、部屋のなか。
「適当にくつろいでいて下さい。ボクはシャワーを浴びてきます」
先輩からは血臭も火薬の匂いも何もしなかったので、たぶん一度部屋に帰ったのだろうと判断し、ボクは背を向けた。

先輩がボクの部屋に来るのは初めてだ。
誘い合わせて一緒に食事をしたり、飲みに行くことこそあれ、互いの部屋を訪ねあうようなことは、今までなかった。こんなふうに、他人の領域に足を踏み入れてくるようなひとではないと思っていたのだが。
いったい、どうしたというんだろう。
疑問符は次々浮かんでくるが、もともと任務を離れるとあちこちのネジが緩んでいるようなひとであるのも事実。深く考えても仕方ない、と諦めた。
汚れた任務服をランドリーに突っ込み、シャワーを浴びて出てきてみれば、居間にはくつろいでいる先輩の姿があった。
ソファに仰向けに寝そべり、その手元には缶ビール。腹の上に伏せられている本はたぶん……。
ソファからはみ出した足先をブラブラさせながら、
「あ、ビールももらっちゃった。ごめんね〜」
と、笑う。
あー、いいんですよ。缶ビールの1本や2本。それより、そのだらけきった姿、なんとかなりません?
と思ったが、もちろん口に出したりはしなかった。
どうして、このひとは、任務のときとそれ以外のときとのギャップが、大きいんだろう。
その落差と言ったら、もういっそ、すがすがしいぐらいだ。
いつだったか資料で異国にある『グランドキャニオン』なる壮大な崖地の写真を見たとき、なぜかボクの頭のなかにこの先輩の顔が浮かんできたのを、思い出す。
荒々しい岩肌を見せる景色よりも何よりも、その落差に目を奪われた。
「何、テンゾウ。なんかへ〜んなこと考えてない?」
「あ、いえ」
ボクは先輩の視線から逃れるように冷蔵庫の扉を空け、缶ビールを取り出した。
プルトップを引くと、ビール特有のホップの香りが炭酸に混じって弾ける。
そのまま缶半分ほどを飲み干した。

「あ、そうそう……これ、おみやげ」
冷蔵庫の前に突っ立ったままのボクの背に先輩が声をかける。
「はい?」
振り返り、先輩の伸ばされた白い指をたどった先、ローテーブルの上に、立派な漆塗りの重箱があった。
さっきは、ソファに寝転がる先輩に目が行っていたせいで、気づかなかった。
「前に、食べてみたいって言ってたでしょ?」
え?
「『花散里』の持ち帰りご膳」
ええー?!
それはもしかしなくても、火の国の王族御用達の料亭が、特別な顧客にのみ提供すると言われている?
「頑張ったごほうびだよ」
先輩は、ソファから起き上がりテーブルに向かって。
……にっこり。
三日月みたいな形に右目を細めて笑った。
腹の上に伏せられていた本が、床に落ちる。
うっすらと背筋が寒くなった自分が情けなかった。