カゼノトオリミチ
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うす灰色の朝 ひたひた土の足音がする
水滴を含んだ重い空気 曇りの空が落ちてきそう
うるおった畑の土の 草の下の土の 木々の根元の 土の中の小さな見えない 生き物たちが 目を覚ます
みしみしと往く春の 音がする 土の中は暖かく 限りない命がうごめきだす
往く春の 勢いは止められない
くさはらに満ちている みえないチカラに
足元を捉まれ 立ち尽くす
目を伏せている瞬間も 芽は吹きだし 細い枝を覆ってゆく
ワタシもいづれ すべて覆い隠されて
またこの土に還るのか
natu
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