もぐみりん
もぐ



 毎日まいにち

うちに飾ってある人形は全部対になっていて、そのバランスや向きを気にしていた。
一番気にしていたのは、彼と自分に見立てた人形。ちいさい小さい、いまあちこちのかわいい雑貨やさんで売っている人形。毛糸の。
災いを吸い取ってくれるという人形。
私は彼の災いをとってほしくて、幸せになってほしくて、そしてできれば一緒に幸せになりたいと願いそれを購入した。

その人形を、昨日むちゃくちゃに壊した。
泣きながら。
ひどい様子で。

どこかにぶつけないとやりきれない思いは罪だ。
ぶつけられたものたちは「ひどいなあ」と本当に思うだろうにね。


いま、部屋にある人形はみな私自身だけ。
誰か、は存在しない。
ひどく悲しく、さみしく、だけどなぜか どこか 抜けていく感覚。


手放すことがそういうことだなんて、はじめてしったかもしれない。



しんしんと、しんしんと。
自分と向き合うことを 涙を流しそうになりながら。
思い出になるのはあっという間。
手放したくないと願った日々もあっという間。

2007年02月19日(月)
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