「遊蹴館」に入館するまえに、幾つかの像がありました。 その中の一つ「パール博士顕彰碑」 パール博士って知っていますか? 所謂東京裁判のインド代表判事で、 裁判官の中でただ一人、被告団 (つまり戦犯)を全員無罪とする 意見書を出した人です。 その人だけの銅像がある・・・ 要するに、靖国神社は、東京裁判を 否定しているのですよね。靖国神社の閉門時間は午後7時(夏時間)です。でも、「遊蹴館」の閉館時間は午後5時半でした。残り時間は、40分足らず、駆け足の見学になってしまいました(^_^;)「遊蹴館」は勿論無料ではありません。大人800円、大学生500円です。でもねぇ〜、入場券を買うのは自販機、入場するのも自動改札なんです(笑)写真撮影が許されているのは、玄関ホールだけでした。海軍零式艦上戦闘機52型、榴弾砲(沖縄戦で使用された)・カノン砲とC56型蒸気機関車が並んでいました。「遊蹴館」は、軍事博物館です。ですから、明治維新・日清戦争から大東亜戦争終戦までを時代毎に解説していて、亡くなった人たちの遺品・遺書などが所狭しと展示されています。順路最後の展示室のタイトルは「靖国の神々」靖国神社の神さまは合祀されている人たちなので、遺族からの提供があった遺影が数多く並べてあります。あまりに多すぎるので名簿があって、どこに展示されているかわかるようになっているのですが、その名簿を垣間見たら、「東条英機」の名前もありました。「遊蹴館」のパンフレットでは、「遊蹴館」の使命は「近代史の真実を明らかにすること」となっていました。でも「遊蹴館」のいう「近代史の真実」とは、「近代国家成立のため、わが国の自存自衛のため、更に世界史的に視れば、皮膚の色とは関係のない自由で平等な世界を達成するため、避け得なかった多くの戦いがあった」ということなのです。つまり日本の侵略戦争であったことを、完全に否定しています。 少ない時間で見た限りでも、幾つか気になった記述がありました。ミッドウェイ海戦の解説の「痛恨なる敗北」という記述。和平工作の解説の「日本はいち早く和平をしたかったが、アメリカがそれを引き伸ばした」という記述。ポツダム宣言の解説の「ルーズベルトが(米大統領)無条件降伏ばかりにこだわったので、受諾する時期が遅れた」という記述。「大東亜戦争」という言葉自体が、戦争目的を欧米帝国主義のアジア支配を排除するための「聖戦」であると定義づけているという印象が残りました。「わが国の近代の歴史を正しく学びましょう!」って、嘘を教えちゃいけない!って感じですね。「神池庭園」 明治の初めに作られて、全国有数の名園だそうです。って、靖国にあれば、何でも「神」なのですね。これで、見学は一応全て終わり、第一鳥居まで戻ってきました。最後に気がついた第一鳥居の前にあった灯篭。 下の台座に嵌っている何枚かの絵画、何だと思いますか?全て、日本兵が勇敢に(?)闘っている姿でした。どこにも、戦争の悲惨さを伝えるものはありません。靖国神社は「遊蹴館」だけでなく、入り口から、既に戦争自体を肯定していたのです。これで、何で「不戦の誓い」などができるのでしょう・・・。