日々の泡

2010年04月05日(月) 雨だし月曜だし…

雨で月曜。
鬱々…
夕食に桜フレーバーのかまぼこを食す。
口元に近づけると例のさくら持ちの匂い、陶然、脳は先走り要求する、舌先のあんこの味を。
しかしながら、さすがに小田原の名店のかまぼこ、桜の香りも上品で噛みしめるほどにおいしい。ごっつぁん!
 で、引き続き明治大正昭和初期の女流文士たち。
華族に生まれ、お家のために親子ほど年の離れた九州の炭鉱王の大金持ちと結婚させられた柳原白蓮。歌人。
大正三美人の一人。
若い愛人と駆け落ちし、新聞紙上に夫への絶縁状を掲載させるなど一代スキャンダルを巻き起こした。
で、テキストは林真理子 「白蓮れんれん」
正直申して、このお方には共感できませんでした。
二度にわたる家のための策略結婚の犠牲となったのは気の毒でありますが、二度目の結婚においては贅沢の限りを味わい、夫の相手をするのが苦痛になると若い娘を側室のようにあてがい、駆け落ちしてのちも戦後、皇太子、道子妃のご縁談に華族代表として猛烈に反対するなど、いったいなんなんでせう?
『私は金力を以つて女性の人格的尊厳を無視する貴方に永久の訣別を告げます。私は私の個性の自由と尊貴を護り且培ふ為めに貴方の許を離れます』ウィキペディア-柳原白蓮の絶縁状より引用
女性の人格的尊厳-夫に若い娘をあてがうのはいったいどうなんでしょう?
私は私の個性の自由と尊貴を護り-ご自分の自由と尊貴はお護りになるのに、皇太子が愛する女性と結婚することを阻止しようとするなんてなんと勝手なんでしょう。この絶縁状は白蓮の書いたものを下敷きにして、駆け落ち相手の友人たちが書き直したものということですが、一流の歌人が、ご自分の意志に相反するような内容は許すはずはないでしょうからこれは白蓮の考えとして受け取って良いのではないかと思うわけです。
ああ なんだか書いているうちに腹が立って来ました。
しかしもっと沢山、白蓮に関する本や、歌集を読まなければ彼女の人格を断定するのは尚早というものでしょう。
なにしろ、じっくりと意地悪なほどに重箱の隅をつつく林真理子さんの作品なのですから。
やはり、わたしにとって女流文士は美しくありながら気っ風がよくってどんと懐の深い長谷川しぐれのような人がチャーミングであります。
岡本かの子のような愛あふれる人が好みであります。
桜ばないのち一ぱいに咲くからにイノチをかけてわがナガめたり かの子
かの子は男女問わず、その人の前で命いっぱい燃やす人だったのでしょう。
なので、ある人には窮屈であるし、ある人にはエネルギーを与えたでしょうし、好きな男性には命がけだったのでしょう。


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茉莉夏 [MAIL]