日々の泡

2008年07月15日(火) 青唐辛子

わたしは皮膚が薄い
血管が透けるほどの薄い皮膚
少しでもこすると裂けたりミミズ腫れになったり
日焼けさえ うまく焼けることが出来ずに
火膨れになってしまう
齢を重ねるほどに薄さは増して
何にでも敏感で
狭量で
脆弱だ
いつしか考えるようになった
形は内面を表していて
それは全くその通り
皮膚の薄さは
わたしの薄さ

青唐辛子を刻んだ
たくさんの青唐辛子
小口に薄く刻んで
醤油に漬け込んでゆく
青唐辛子の香りは夏の香り
唇の上の小さな汗の玉
プールの水のカルキの匂い
お昼寝のタオルケット…

気がつくと左手が腫れ上がっていた
ほのかに唐辛子の匂いがして
青唐辛子にやられたらしい
ぽっぽぽっぽと脈打っている
職場で りちこさんが言った
わたしの掌を眺めて言った
悲しいことをたくさん乗り越えた皺が出てる…
りちこさんは、最近手相にこってる
だれもみな悲しいことたくさんあるはず
わたしのその皺は
きっと 心が薄いからだ
青唐辛子にもすぐにかぶれる
そんな薄い心


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茉莉夏 [MAIL]