はぐれ雲日記
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正ちゃん(仮名)は今年48才になる。 以前住んでたところの酒屋の御用聞きだった。 グループサウンズ華やかなりしころ、芸能界にいてけっこう売れたグループにいたらしいが ある日、芸能界が虚しくなって酒屋の小僧になったという。 「ほんとかな〜ほんとかな〜」と思っていたが最近のナツメロ番組でちょこっと顔だしたり していたので芸能界にいたのは本当だったんだな〜と思った。 ところで正ちゃんは自他ともに認めるアル中なのだ。 大分前、酔っ払って団地の2階の階段の手すりに足をかけて「死んでやる〜!死なせてくれ〜! 父ちゃんとかぁちゃんのところに行く〜」と早朝から大声でわめきちらした。 うちのすぐ上のこととてびっくりして階段を駆け上り、「しっかりしてよ」と肩に手をかけたら なんと手のひらにゲロがビチャリとひっついてしまった。 あわてた私は、背中をさするふりをしながら「しっかりしてよぉー」と言いつつ そのゲロを正ちゃんの背中にゴシゴシとなすりつけた・・・。 記憶がある。 2回目は、泥酔して近所の公園で死にかけていた。その時はパトカーを呼んだ。
つい先日、近所の病院の待合室で正ちゃんとばったり会った。 酒は小学生の時から大すきだったと言うので少しびっくりした。 兄貴と、新宿のテアトル座に映画を見に連れてってくれたその帰り、三平食堂でお子様ランチと 中ジョッキを飲むのがうまくてうまくてねー。たまらなくうまくってねえ〜。 と顔をほころばせながら話してくれた。 それから、学校を出てからは浴びるように飲んで、飲んで、飲みまくって・・・。 病院の入退院の繰りかえしだとも・・・。 普段は真面目できちんとして、気立ても良くって。そう、頭もいい! それが、酒が入るとどうにも止まらない。
本人の人格とか意思とか関係なく、病気が勝手に一人歩きしてしまう・・・。 アル中って病気、そんな感じを受けた。
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