歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2009年06月04日(木) 今日はむし歯の日でした・・・

今日は6月4日。かつて日本歯科医師会は、6月4日を語呂合わせからむし歯の日、むし歯予防デーとしていました。現在では、むし歯だけでなく、歯周病も含めた口の健康に感心を持ってもらうために今日から1週間を歯の衛生週間とし、様々なPR活動、啓発イベントを行うようにしています。

既に何度も書いていることではありますが、口の中には300種類以上とも言われているばい菌が1ミリグラムあたり1億個以上繁殖していると言われています。あまりにも多くてイメージしにくいぐらいですが、これらばい菌の中にむし歯の原因となるばい菌や歯周病の原因となるばい菌が存在するのです。
未だにどのばい菌がむし歯や歯周病の原因になっているのか?ばい菌同士がどのように影響しあってむし歯や歯周病に関係しているのか謎のままです。ただ言えることは、ばい菌の数を減らせば、むし歯や歯周病のリスクが劇的に下がることです。
口の中のばい菌は繁殖力が旺盛で、一回きちんと歯磨きをしても一日経過すれば元通りぐらいのばい菌の数となります。毎日の生活の中で必ず一定時間を確保して歯磨きを継続しなければ口の中のばい菌は増殖をし続け、結果としてむし歯や歯周病に罹るリスクが高くなるのです。

平成17年に厚生労働省が行った歯科疾患実態調査によれば、毎日歯を磨く人は全体の96%。日本においてはほぼ全ての人が毎日歯を磨いていると言っても過言ではなくなってきました。その一方で、むし歯の本数は年齢とともに増加傾向にあります。50歳代ではむし歯経験歯数(むし歯未治療歯数+むし歯治療歯数+むし歯による喪失歯数)が16本。親知らずを含め永久歯は32本ありますから50歳までに半数の歯がむし歯になっているのが現状です。
歯周病においてはもっと酷く、国民の8割以上が歯周病です。50歳代では9割以上の方が歯周病にかかっているという現実。
歯磨きの習慣はほぼ定着したのにむし歯や歯周病に罹っている人は多いのはなぜか?歯磨きの仕方に問題があるとみていいのではないでしょうか?自分では磨いているつもりでも、実際は磨けていない。そのギャップに気がついていない人が大半であるのが現状なのです。

今日から歯の衛生週間が始まりますが、皆さんにおかれましては今一度口の中の健康に感心を持って欲しいです。関心をもてば定期的な歯医者による検診を受け、歯磨き指導や食事指導、生活習慣の見直しをして欲しいと思います。自分の一人よがりの健康管理だけではなく、専門家による定期的なチェックが口の中の健康維持に非常に大切であることをわかって欲しいですね。


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