歯医者という仕事をしているからでしょうが、僕は1日の3分の1近くの時間帯をマスクをつけています。歯医者にとってマスクは必需品です。患者さんの口の中を治療していると、様々な飛沫が拡散してきます。歯を削れば歯牙の切削粉や細菌、ウィルスなどが空気中に飛び散ります。入れ歯を削れば入れ歯の切削粉が、抜歯をすると時たま血液が飛んでくることもあります。治療をしている歯医者の宿命ですが、これら拡散物を間近で浴びなければなりません。中でも顔面はほぼ直撃といってもいいでしょう。呼吸の出入り口である鼻や口はマスクで覆わざるをえません。
マスクに関しては使い捨てのマスクを使用しています。グローブは患者さん毎に交換していますが、マスクの場合は直接患者さんに触れるものではないため、午前と午後の2回替えて使用しています。すなわち、一日の診療で僕は2枚の使い捨てマスクを使用していることになります。
このマスクですが、昨今のインフルエンザにより確保が難しくなってきました。突然の新型インフルエンザの蔓延により多くの人がマスクを必要とするようになったからです。需要に対し生産体制がおっつかないのが現状。 そんな中、僕はあらかじめうちの歯科医院に出入りしている歯科材料店の担当者にマスクの確保をお願いしておきました。実際に注文をしたのは新型インフルエンザの本格的流行が始まる前だったのですが、正直言って直ちにマスクを確保する可能性は低いのではないかと感じていました。歯医者仲間同士の話でもマスクの確保が難しいという話を伝え聞いていました。また、歯科材料を扱う通信販売の会社からは当分の間、マスクの在庫が無いという通知ファックスも届いていました。 幸い、うちの歯科医院には当分使用できるだけのマスク数はありましたが、やはり歯医者だけでなく、歯科衛生士や歯科助手などのスタッフの使用分も含めると心もとないもの。出来る限り多くのマスクがあれば安心感ができるはず。さてどうなることか?
そう思っていた先週末、出入りしている歯科材料店の担当者がやって来ました。マスクのことを尋ねてみようとした途端、注文数のマスク箱が見えました。
「マスクの確保は結構簡単ではありませんでしたが、何とか先生が希望されたマスク数は手に入れることができました。」
マスクを手に入れるのが難しい状況の中、よくぞ確保してくれました。
「先生方にとってマスクは無くてはならないものですから。新型インフルエンザが流行する前から我々はかなりの在庫を確保しておりまして、先生方からの要望にも何とか応えられる態勢を取っておりました。」
歯科材料店の担当者はいろいろと手を尽くしてくれたのでしょう。マスク不足は事実ですから、相当苦労をされたはず。ただただ出入りしている歯科材料店ならびに担当者に感謝、感謝の歯医者そうさんでした。
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