2009年05月22日(金) |
裁判員制度が始まりましたね |
昨日始まった裁判員制度。既にご存知の方も多いとは思いますが、起訴された刑事事件の裁判に一般市民が参加する制度です。裁判員制度に関しては賛否両論ありましたが、既に制度化され、一般市民への周知、PRがなされてきたようです。裁判員に選ばれた一般市民は正当な理由が無い限り拒否することができず、裁判に参加し、審議に加わらないといけません。
正直言って、僕も裁判員制度についてはあまり気持ちよく思いません。法律の知識も無い僕が人様を裁くことができるのかどうか、そんな資格があるのかどうか未だに結論が出ないからです。 また、普段の仕事の時間を一部削って裁判に参加しないといけないことも悩みます。僕のような歯医者も診療があるからといって裁判員を拒否することはできません。裁判員に指名されたなら、参加せざるをえない。そうなると、診療時間を削ることになるわけですが、患者さんに迷惑をかけることになりますが、自分の歯科医院の経営にも影響が出てきます。出切る事なら裁判員に指名されたくないのが本音です。
その一方で、僕は裁判員の仕事にはある種の期待感もあります。僕自身、これまで裁判を受けたこともありませんし、傍聴したこともありません。裁判についてはマスコミを通じて知るだけで、一体どのような審議が行われているかどうかの実体験がありません。 裁判員に指名されれば、単に裁判を傍聴するレベルではありません。実際に裁判の審議に加わることになります。人を裁くことに関しては大変な抵抗感がありますが、刑事事件がどのように起こったのか?マスコミを通じない情報を得て考える初めての機会となるはずです。身を持って裁判制度を体験し、責任を持つ。これは僕の人生にとって得がたい、貴重な経験となるのではないかと思います。
また、僕が知っている社会は極めて限定的です。僕の家庭と住んでいる地域、歯医者業界、家族の交友範囲、インターネットぐらいでしょう。刑事事件の対象となっているような社会は普段接することがありません。刑事事件に参加することは、自分が如何に狭い世界に生きているかを知ることになるのではないかと考えています。広く社会を知ることは絶好の社会勉強の機会になると信じています。
どんな新しい制度も実際に機能してくればいろいろと欠点が見えてくるもの。おそらく裁判員制度もいろいろな問題点が浮かび上がり議論の対象となるのは間違いありません。ただ、別世界のことだと思っていた裁判が身近なものであることを実感することは、誰にとっても決してマイナスではないと信じたいです。実際に裁判員に指名されれば、そんな余裕は無いのかもしれませんが、僕は同じ指名されるなら少しでも前向きに取り向かないと意味がないと考えています。
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