2009年03月10日(火) |
4月から歯科治療費値下げです!? |
歯科治療で用いる貴金属とは、被せ歯や詰め物に使用されるものです。一見すると銀色に見える金属製の被せ歯や詰め物のですが、中身は金、銀、パラジウムなどの貴金属の合金です。
歯科保険治療では、被せ歯や詰め物で使用される貴金属の価格は公定価格です。どういうことかといいますと、中央医療協議会(中医協)の場によって決められるのです。 元々、貴金属の価格は市場で価格が決められています。売り手と買い手との取引によって価格が決められているわけですが、昨今の経済状況により貴金属の価格は変動が激しくなっています。中医協で決められる歯科用貴金属の公定価格もこの市場の価格変動を考慮し、年に2回歯科用貴金属の公定価格の改定があるのです。 最近では2月25日に改定価格の発表がありました。結果的には前回改定時の価格よりも値段が下がりました。最も多く使われている歯科用貴金属は金の含有率が12%以上の金銀パラジウム合金なのですが、これが昨年10月1グラムあたり808円だったのが、今回の改訂で1グラムあたり638円になります。これはパラジウムと金の素材市場価格が下がったために公定価格が下がったのです。
歯科用貴金属の公定価格が下がるということは、歯科保険治療における金属製の被せ歯、詰め物の治療費も下がることを意味しています。実際には4月以降の治療費から反映されることになります。具体的にどれくらい下がるかは今月中にわかりますが、患者さんにとっては一部治療費が下がることになります。
治療費負担が少なくなることは患者さんにとってはうれしいものだと思います。 金属製の被せ歯、詰め物をセットする予定のある人は4月以降にセットされるなら、今よりも安い支払で済むことになります。 それでは、現在、歯型を取って実際に口の中に被せ歯、詰め物をセットするのは4月以降にすれば経済的ではないか?ということになりますが、確かに治療費を考えれば安くなるでしょう。ただし、被せ歯、詰め物のセットを延期することで思わぬトラブルが生じることも考えられます。 例えば、詰め物をセットするタイミングが遅くなってしまったために、詰め物をセットする歯が割れてしまうなんてこともあるのです。変にケチってしまうと、結果的に治療費が高くなる可能性もあるということです。 治療費が4月以降安くなるからといって変に先延ばししても、果たしてメリットがあるかどうか?これは慎重に考えて欲しいと思います。
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