2009年03月05日(木) |
薬のさじ加減は難しい |
医療に薬は無くてはならないものです。一般の病院、医院、診療所、クリニックなどでは来院する患者さんの治療に必ずといってほど薬が処方されます。病気によっては大量で多種類の薬を飲んでいる方も少なくありません。
一般の医者ほどではありませんが、歯医者でも薬を処方することがあります。歯肉が腫れたり、抜歯等の手術をした後には薬を処方します。僕自身、毎日のように患者さんには薬を処方するのですが、最近、あることを感じ出しました。それは、従来出してきた薬の効きが悪くなってきたのではないかということです。
その薬はある抗生物質なのですが、以前、先輩の先生に勧められ依頼使用していました。使い出した当初、確かにこの薬は効果がありましたが、ここ1年余り、どうも効きが悪く、途中で薬を変更することが多くなってきました。
どうしてなのか?愚考するに、この抗生物質が多くの患者さんで耐性菌が出来てきたのかもしれません。歯医者に来院する患者さんは歯医者のみならず、他の一般の病院、医院、診療所、クリニックなどで処方された薬を飲んでいることが多いもの。薬を飲み続けていると、薬の種類によっては体に存在するばい菌、専門的には常在菌といいますが、これらに微妙に影響することが考えられます。常在菌の種類が変わったり、遺伝子レベルで変化が生じたりし、結果として、今まで聞いていた薬が効かなくなくなることがあるのです。
興味深いことがあります。それは、ある薬は一般には効き目があるものの、特定の地域において効きが悪いということがあるのです。これは僕の経験や他の医者、歯医者からの話ではありますが、皆異口同音に薬の効き目には地域性があることを実感しています。これは一体どういうことか?いろいろ理由が考えられますが、地域の人の生活習慣や食習慣、気候、風土、そして、地域の医者により処方された薬の服用になどがあるような気がします。
少なくとも言えることは、薬を漫然と処方していてはダメだということです。患者さんの状態、病歴、アレルギーの有無、薬の効果、他に服用している薬との関係などを考慮しながら処方しないといけません。薬のさじ加減はいつも頭を悩ますところですね。
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