2009年02月18日(水) |
急患は待つのが当たり前では? |
「本当に失礼な電話でしたよ!」
発言の主はうちの歯科医院の受付さん。かなり立腹して様子でした。 後で話を聞いてみると、電話をしてきたのはお母さんらしい女性からだったそうで、子供が歯が痛いので診て欲しいとの電話だったのだとか。痛がっているので少しでも早い時間帯に診て欲しいと話していたそうです。 この日は予約が詰まっており、本来なら急患が入る時間的余裕はなかったのですが、歯が痛いということ、そして、少しでも早くという要望に答えようと午後のある時間帯に来て待ってもらうように伝えたのだそうです。すると、電話越しに女性とは別の男性の声で
「そんなんだったらええわ!」 との声が聴こえたのだとか。その声は子供か他の家族かはわからなかったそうですが、女性の方は再度電話をすると言って電話を切ったのだそうです。 電話をかけてきた女性の方には何も思わなかったそうですが、問題は電話の背後から聞こえてきた声。受付さんは、予約患者さんの合間の時間を何とか急患患者の治療のために時間を作ろうと苦労していました。それも少しでも歯の痛みを取るために役に立ちたいという一心からでした。そんな気持ちを踏みにじるかのような“そんなんだったらええわ!”の一声。 受付さんが怒るのも無理はありません。
これまで僕は何度も急患の患者を治療してきました。うちの歯科医院は予約制ですので、患者さんには決まった治療時間に来院してもらい、治療をする態勢を取っています。実際は想定していた治療時間内に治療が終わらないこともあります。治療上の問題や想定外の歯のトラブル、治療予定場所以外の患者さんの訴えもあります。どうしても確保していた時間内で治療を終えることができず、予定が押してしまうことも度々です。そのような中、予約外の患者さんの治療を受けなければなりません。予約外の患者さんには必然的に待ってもらうことにならざるをえません。
僕はこれは仕方の無いことだと思います。僕自身、予約外でいくつもの医療機関を受診したことがありますが、その際、突然押しかけるわけだから何時間待たされても仕方がない。診てもらうだけでも有難いと思います。他の患者さんがたくさんいる中で突然自分が受診してきたわけですから。無理は言えない立場だからです。 また、普段、自分自身が患者さんを待たせることがありますし、待つ理由もよく理解できるだけに、患者の立場になったからには待つことは当然だと感じるわけです。
同じことを全ての急患患者さんに要求するわけではありませんが、急に医療機関を受診する場合、待たされて立腹したり、感情を露わにするのは如何なものかと思います。命に関わるような場合は別として、基本的には急患として医療機関を受診する場合、いつまでも待つ心構えが患者さんには必要ではないかと思うのです。 医療側は決して急患の患者さんをないがしろにしているわけではありませんが、既に何人もの多くの患者さんを待たせているような状況の中で何とか時間を作り、受け入れようとしているのです。長時間待たされ、短時間しか診療をしてくれないことに不平不満を口にする患者さんは少なくありません。患者さんもいろいろと事情があるでしょうが、医療側も必死なのです。そのことをわかって欲しいと思います。
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