歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2009年02月04日(水) 1番を取り続ける難しさ

最初に書く話は、お前の自慢話は読みたくない!”と言われそうですが、少しばかり我慢をして読んでください。

今の僕からすれば考えられないことですが、僕は小学校のある時期成績が良かった時期がありました。学校の試験点数では100点満点が当たり前で、一つでも間違えるようなら非常に悔しくてたまらなかったことがあったのです。周囲の友達からは“すごいなあ!”と言われていたこともあるくらいです。
そんな中、周囲の友達の一人が先生から褒められたことがありました。

「○○君は今回の試験で80点取ることができた。前回の試験から30点以上も点数が上がったんだ!」

この先生の褒め言葉に対して、僕は素直に喜べませんでした。なぜなら、これよりも良い点数を取り続ける方がずっと難しいことを先生はわかっていないのか?と感じたからです。
今から思えば、若気の至りとも言えることです。この先生は全ての生徒のことを見ていて、皆の良いところを褒めることにより、勉強に対するモチベーションを上げることに苦心されていたのですから。今となっては僕もそのことはよくわかります。

ただ、テストの点数に関しては今も思いは変わっていません。40点から70点、80点を取るのは意外と易しいもの。ちょっとしたコツと努力をすれば誰でも達成が可能なのです。ところが、80点から90点、そして100点を取るのは難しい。更にこの点数を維持するのはもっと難しい。
小学校以降、僕は落ちこぼれてしまいますが、テストを高点数維持していくことの難しさは大変難しいことは今も思いは変わりません。

今思うに、高いレベルの仕事をし続ける、維持することもこのテストの高点数維持と同じ難しさがあるはずです。
わかりやすいのがスポーツの世界。例えば、アメリカ大リーグで活躍しているイチロー選手は毎年好成績を残し続けています。側から見ていると当たり前のように活躍しているように思います。けれども、実際は人の見えない所で大変な努力をし続けているのです。常に人には理解できないプレッシャーと戦いながらです。その苦労は決して本人以外にはわからないでしょう。

大相撲の世界も同様です。大相撲の世界も成績によって階級にわかれており、十両以上の関取に上がるのは大変です。更に十両以上、幕内から小結、関脇、大関、さらに横綱になるには非常に大きな壁があり、横綱になることができる力士はほんの一握りです。更に横綱には勝ち続けなければならない、常に優勝争いに加わらなければならない立場でもあります。勝ち越しだけではだめ。長期休場、長期離脱するようでは引退しなければいけないのです。横綱のような頂点を極めている力士は日々大変な精神的圧力を受けながら、日々鍛錬に励んでいるのです。

高いレベルの仕事をし続ける難しさというのは医療の世界でも同じです。歯医者では一定の知識、技術、経験があれば患者さんの訴えの8割程度は対処できるようになるものです。ところが、残り2割の訴えに対しては大きな山があります。僕自身、そのような症例がありますが、いつも四苦八苦しています。時には誰かの助けを借りたり、専門家の相談を仰ぎながら対処したりするものですが、完璧な治療をするにはまだまだです。
更に、レベルの高い、医療業界でもトップクラスと呼ばれている治療を行っている人は更なる努力をし続けていることが容易に想像つきます。

何事も高い質の仕事をしている人は、人には言えない努力を積み重ねているものだと思いますよ。


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