歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2009年01月26日(月) 閉口した美容師の口臭

先日、僕はいつも髪の毛をカットしてもらっている美容院へ行きました。そこでは、僕はその美容室の店長にカットをしてもらっているのですが、洗髪は若手のスタッフが行っています。先日もいつもと同じように店長にカットをしてもらい、その後、洗髪をしてもらうことになっていました。
店長によるカットが終わり、洗髪をする直前のことでした。何となく不快な臭いに僕は気がつきました。その臭い、明らかに洗髪をしようとしていたスタッフから発せられた臭いでした。明らかに口臭でした。洗髪担当のスタッフは僕をリラックスさせようといろいろと世間話をしてくれながら洗髪をしてくれたのですが、その都度、僕はこの臭いには閉口しました。

ところで、口臭というのはいくつかの原因がありますが、最も多いのが口の中の汚れが原因となっているものです。未治療のむし歯や歯周病、口の中に残った食べかすや歯に付着した歯垢などにより臭気が口の中から発せられるのです。
しかも、困ったことには口臭は発した本人が気がつかないことが多いもの。人間の嗅覚というのはそれなりに繊細なものではあるのですが、ずっと同じ臭いを吸っていると、その臭いに慣れてしまい、同じ匂いを感じにくくなる性質があります。他人からすれば異質な臭いである口臭も同様で、同じ口臭を発していると、口臭を発している本人はその臭いに気がつかないのです。
僕自身、かつて口臭に苦しんでいたことがありましたが、その最大の理由は自分の口臭を自覚することがなく、いつも周囲から指摘されてきたことにありました。幸い、僕の場合にはお袋が僕の口臭をいつも指摘してくれましたが、きちんと歯を磨いているのにどうして口臭がするのか悩んでいました。後年、僕の口臭の原因は歯と歯の間に溜まった歯垢であることがわかり、歯間ブラシを丹念に使用して取り除くことにより、口臭がなくなったそうです。これも僕は自覚が無いのですが、お袋や嫁さんが指摘してくれています。

僕自身、そんな経験がありましたし、自分が歯医者でもあるので口臭があることを指摘した方がいいか考えました。しかしながら、口臭を指摘するにはそれなりに気を遣います。誰しも“お前の口は臭い”と言われれば、気持ち良く受け取る人は無いでしょう。結構精神的にショックを受ける場合が多いと思います。僕自身、家族からでは他人から口臭があると言われ、非常に精神的にダメージを受けた記憶があります。
ですから、この洗髪している担当者に口臭のことを言っていいものか?悩みました。
口臭に接しながらどうすべきか考えた結果は・・・
美容室から帰宅する直前、店長にこの洗髪をしてくれたスタッフの口臭のことを耳打ちしました。
口臭があること、その原因は臭いの種類からすれば歯周病があること、今は直ぐにでも歯磨きをしておいた方がよいこと、そして、一度かかりつけの歯科医院で歯周病の治療を受けた方がいいことを話しておきました。店長は頭を下げていましたが、人と間近に接する職業の人は口の息の臭いにも気を遣わないといけないものだと改めて感じた、歯医者そうさんでした。


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