2009年01月15日(木) |
富裕な国保保険料滞納者 |
昨夜、今年初めての地元歯科医師会の会合がありました。仕事が終わってからの寒い夜、正直言って会合に出かけるのは億劫になるのですが、何とか出席してきました。
新年早々の会合ということでまずは先輩の先生方と新年の挨拶を交わしていたのですが、その中でベテランのY先生が話していたことは考えさせられることでした。 Y先生は地元行政が運営する国保組合のモニターをされています。直接運営には参加はしていないのですが、国保組合の活動を外部から見つめ、定期的に意見を述べる立場なのだとか。 昨今、全国の市町村国保組合では保険料の滞納が大きな問題となっています。僕が住んでいる地元市の国保組合でもこの保険料の滞納が深刻な問題になっているとのこと。特に最近目立つのは生活の困窮者からの滞納よりも、明らかに生活に余裕がある人からの保険料滞納が増えているというのです。 地元市の国保組合は組合員が10数万人いるそうですが、この中で年収1000万円以上ある人からの保険料滞納が増えており、昨年では100人近い滞納者があったというのは驚きです。ここでいう年収とは基準が前年の年収とのこと。一昨年の年収が1000万円以上あっても昨年はそうではないケースもありうるわけですが、それにしても100人近い滞納者があるということは、保険料滞納が生活苦ではない場合が確実にあると考えてもおかしくないでしょう。実際には、保険料を支払う余裕があるのに敢えて支払わない輩もいるようです。
年齢を重ねれば重ねるほど、思わぬ事故に遭遇したり体調を崩すことが増えるもの。健康保険はいざというときのため、多くの人たちの助け合い、共助の精神で分担金を出し合い、医療費を支えあう制度です。今は自分は関係ない、医者にかかる必要はないと思っていても、長い目でみれば誰もが医療の世話にならざるをえないのです。その時のための蓄えの一つが健康保険です。多くの国保組合の場合、組合員の保険料のみならず多くの税金が投入されているのは言うまでもありませんが、基本は組合員の保険料です。 国保組合の保険料の高騰で保険料を支払いたくても支払えない人が増えてきているのは事実ですが、その一方で、生活に余裕があるはずなのに意図的に保険料の支払を拒んでいるというのは如何なものかと思うのです。 社会保険や共済保険の場合、保険料は給料から天引きです。多くの国保組合の場合、自らが保険料を納める形式を取っていますが、悪質な保険料滞納者の場合、財産の差し押さえなどの強引な処置を講じないと保険料を支払わないのかもしれません。非常に情けない話ですが、世の中にはどうも医療保険の本当の意味を理解しようとしない輩がいるようです。悲しいことです。
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