2008年08月29日(金) |
相談にのることは苦しい |
僕自身、歯医者ということが関係しているかもしれませんが、歯医者でない友人、知人から歯のことや体のことで相談を受けたことがあります。中にはかなり深刻な場合もありまして、非常に慎重に言葉を選びながらできる限りの答えをしたことが何度もあります。
自分の歯や体の悩みというのは、いくら知人や友人であってもなかなか言えない内容であることが多いもの。そんな悩みを僕に打ち合えてくれるというのは、ある意味僕が歯医者という医療人として認められ、信頼されている証かもしれません。非常に有難いことではあるのですが、その一方で非常に責任を感じます。医療目的として医療関係者に相談したり、紹介する以外は決して他人に漏らすことができない内容だからです。
皆さんご存知だとは思いますが、医療関係者には患者さんの医療情報に関して守秘義務があります。僕もこの“歯医者さんの一服”で書く内容も患者さんを特定しないように配慮して書いているくらいで、医療情報の取り扱いにはかなり配慮しています。
これは医療人としては当然の話だとは思うのですが、時に精神的なストレスも感じます。自分が相談にのることにより少しでも相談者の苦痛を取り除きたい気持ちはいつも持っているわけですが、その反面、その苦痛が蓄積していると何だか自分自身が苦しんでしまうような錯覚に陥ることがあるのです。適度に気分転換をはかりながら、この手の錯覚を発散するようにしているのですが、それにしても他の方の悩み、苦しみの話を聞くことは想像以上に大変です。
たまに友人、知人にこれら悩みを話したくなる衝動に駆られる時がありますが、これも必死に抑えます。何かアドバイスをする時や専門家同士の情報交換の場合、これら悩みは本人を特定しないよう配慮しながら話すことはありますが、他人の悩みは自分が墓場に入るまで持っていかないといけないと思うと、気が遠くなることもあるのです。
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