| 2008年06月09日(月) |
自費治療がうれしい理由 |
先日、ある患者さんの自費治療の補綴物がセットになりました。補綴物というのは、被せ歯やブリッジ、入れ歯といったものの総称のことです。何をセットしたかどうかを書くことは控えますが、僕自身、非常に満足のいく出来の補綴物であり、何よりも患者さん自身が満面の笑顔で補綴物の状態を褒めて下さったのです。
自費治療というのは保険治療とは違い、歯科医院ごとに自由に治療費を設定することができる治療のことを言います。保険治療のように定められた治療手技に定められた治療費が設定されているわけではなく、診療を行う歯科医の裁量で自由に治療費が決められるのです。 自由に決められるといってもそれなりの根拠はあります。治療にかかる様々な経費、光熱費や材料費、スタッフの人件費、補綴物を作る歯科技工士への技工料などが含まれます。また、歯科医院が地域の物価に左右されることもあります。中でも最も大きいのは歯科医師の技術料ではないでしょうか?歯科医師がこれまで培ってきた技術、知識、経験を技術料として設定するのです。同じ補綴物でも各歯科医院の自費治療で値段設定が異なるのは、この技術料が大きなウェートを占めているといってもいいでしょう。
僕の補綴物の自費治療の治療費は、これもここでは書くことは控えますが、それほど値段が高いものであるとは思いません。多くの歯科医師が設定する自費料金の平均かそれ以下ではないかと思いますが、少なくとも同じ治療の保険治療費よりは高いのは確かです。
この自費治療を勧めるのはどういった時か?いくつかの場合がありますが、保険治療と比べ明らかなメリットがあることが大きいですね。若干治療費はかかるけれども、自費治療をすることによって患者さんが得られる満足度が保険治療と比べ格段に大きいと考えられる場合です。 昨今の物価上昇のおり、懐具合に余裕のある人は限られているのは現状だと思います。僕自身、患者さんが得られる満足度と経済的負担を考慮しながら、自費治療を勧めるのが普通です。決して患者さんに無理強いはしませんし、逆に患者さんが自費治療を希望しても、自費治療によるメリットが得られないと予想される場合には、僕はむしろ保険治療を勧めます。
正直言って、僕の自費治療は他の歯科医院よりも少ないです。いつも世話になっている税理士さん曰く、
「先生の自費治療収入は他の歯科医院に比べてかなり少ないですなあ。」
これが良いことなのか悪いことなのか自分では判断できませんが、数少ない自費治療であるが故、たまの自費治療で得られた結果には歯医者として非常にうれしいものがあります。何事も金勘定で決めることは良いことだとは思いませんが、患者さんにかなりの経済的負担をお願いしながら得られた結果、患者さんの満足を得られた場合、歯医者冥利に尽きるところがあるのも事実です。
さて、今回頂いた自費治療の収入の行方ですが、様々な経費に消えていくことになりそうです。特に今月はうちの歯科医院にとってスタッフのボーナス月。ボーナスはスタッフにとって待ち遠しい月ではありますが、零細弱小歯科医院を経営する者としてはいつも頭の痛い月であります。いつも青息吐息の歯科医院経営を行っている者として、今回のボーナスをどのようにやりくりして費用を捻出しようかと考えていたのですが、自費治療の収入により何とかめどがたちそうです。
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