歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2008年06月03日(火) 美人の歯の治療は緊張しないのか?

「有名な政治家や社長、美人女優の歯の治療をして緊張しませんか?」

先日、ある知人から尋ねられた質問です。歯医者をしていると、たまに周囲からこの手の質問を受けることがあります。それに対し、僕はいつも同じ答えを言います。

「例え有名人が患者さんであったとしても、歯の治療は緊張しませんよ。」

僕自身、非常にミーハーな人間です。自分の目の前に有名人が出現すれば非常に緊張してしまう性質です。もし、自分の前に好みの美人がいようものなら、それこそ宙に浮いてしまうが如く、地に足がつかなく、浮ついた感じになることは目に見えています。

けれども、歯の治療となると状況は異なります。なぜなら、僕にとって歯の治療とはどんな人でも変わりのない、差別できないものであるからです。
歯科医院に来院する患者さんは歯や口の中に何らかの症状、悩みを持って来院されます。最近では、症状はないけども、歯の健康維持のための定期検診、メインテナンスに来院する患者さんもいますが、歯や口の中のことが気になっているという点ではどの患者さんにも共通です。そんな患者さんに対し、自分の出来る限りの知識、技術をもって答えるのは歯医者の仕事であり義務です。僕は、自分の治療そのものや治療結果に対しては緊張しますし、気になりますが、目の前の患者さんに対しては誰であろうと気になりません。どんな有名人であっても、友人、知人であっても、親族であっても患者は患者。口を開けてくれれば、患者さん個人のことは全く気になりません。

と格好良く書いていますが、実際のところ、治療中は患者さん個人のことまで気がまわらないのが正直なところです。患者さんの悩みや症状を少しでも緩和したい、治したい。そのために治療には専念するのですが、治療に集中していると患者さんの口の中のことには気がまわっているものの、患者さん自身のことは忘れてしまっているのです。結果として、患者さんが有名であったとしても何も気にせず治療をすることができるわけですね、ハイ。


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