| 2008年06月02日(月) |
高速水着 マウスガード ドーピング |
先日、某スポーツニュース番組で日本のプロ野球の試合経過をしていました。何気なく見ていると、僕はある選手の口元に自然に目が行きました。それは、その選手がマウスガードを装着していたからです。
以前にもマウスガードについてはここにも書きましたが、ボクシング、キックボクシング、K−1、アメリカンフットボールをはじめ、ラクロスやインラインスケートなどのスポーツではマウスガードの装着が義務付けられています。競技中、顔面や頭部への接触する機会が多いスポーツでは、口の中にマウスガードを常時装着することにより歯や口の中の粘膜損傷を防いだり、脳震盪の予防、軽減することができます。 しかしながら、全てのスポーツでマウスガードを着用しているかというと、そうではありません。マウスガードの装着義務化は一部の競技に限られていたり、一部の競技者が自主的に装着しているのが現状です。
ところで、歯の噛み合わせと運動パフォーマンスの関係については、現在いろいろと研究が進んでいます。よく、アメリカ大リーグの選手が試合中にガムを噛み続けているのはプレーのパフォーマンスが上がるのだと言われていたり、マウスガードの装着によりゴルフ選手の飛距離が増したり、陸上選手のジャンプ力が向上したりするという話を伝え聞きます。
そこで、問題になってくるのがドーピングです。 ドーピングについて多くの方が一度は耳にしたことがあるでしょう。日本オリンピック委員会によれば、ドーピングとは“競技能力を増幅させる可能性がある手段(薬物あるいは方法)を不正に使用すること”とのこと。
今のところ、ドーピングは薬物の使用について規制が注目されており、最近ではプロ野球読売ジャイアンツの外国人選手がドーピング問題で出場停止処分を受け、即刻球団から解雇されるということになりました。 このドーピングですが、ドーピングは何も薬物の使用だけを前提しているわけではありません。“競技能力を増幅させる可能性がある手段(薬物あるいは方法)を不正に使用すること”なのです。何らかの不正な方法により著しくアスリートの競技結果に不公平が生じた場合も、ドーピングの対象となりうるです。 ということは、マウスガードの使用においても、もしマウスガードの使用によりアスリートの運動能力が上がることが科学的に認められれば、全ての選手がマウスガードを着用しないと不公平を生じることになります。 現在のところ、マウスガードはあくまでも競技中に発生する可能性がある歯や粘膜、頭部への怪我防止のために着用することが目的とされています。歯の噛み合わせと運動能力との関係は相関関係があるようなことが言われていますが、実際のところは完全に証明されたわけではありません。ただ、今後アスリートの運動能力に対する研究が進めば、マウスガードの使用にも制限がつくか、もしくは、全選手着用の義務が生じるかもしれません。
そういった意味では、現在言われている某社の高速水着もドーピングに引っかかる可能性があるとも言えます。一部の会社の水着を着用した選手が世界記録を連発し、そうでない会社の水着を着用した選手のタイムが伸びないということになると、選手間に不公平が生じます。本来、水泳はスイマーの運動能力を競う競技であるはずなのに、それが水着の種類によって左右される状況になる。これはドーピングの観点から言えば、ドーピングに抵触するのではないかと思います。
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