歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2008年05月30日(金) アフリカよりも日本ではないか?

このニュースを読んで、僕は複雑な気持ちになりました。以下、このニュースからの引用です。

福田首相は第4回アフリカ開発会議(TICAD4)の開会式で基調演説し、日本企業による投資を倍増させるため、国際協力銀行に「アフリカ投資倍増支援基金」を設け、5年間で25億ドル規模の金融支援を行う方針を表明した。
 また、アフリカの道路網構築への支援として、5年間で最大40億ドルの円借款を提供することも明らかにした。
 演説ではこのほか、食糧危機への対応として地下水開発や水道管理の専門家を「水の防衛隊」として派遣することも明らかにした。会議は30日までで、共同文書「横浜宣言」など3文書を同日採択する。


アフリカの国々はこれまで世界の発展から取り残されてきた感がありますが、昨今の資源確保の動きからアフリカ諸国の中には年間数パーセントのGDPの伸びが出て国もあるのだとか。ところが、こうした国々は貧富の差が広がり始め、大きな社会問題となってきているのだそうです。
今回の会議で、日本ではアフリカ諸国の社会基盤の発展を中心とした支援策を次々と打ち出しているようで、上記のような支援が行われているようですが、この背景には将来にわたる安定的な資源確保や国連安全保障理事会における常任理事国入りにおけるアフリカ諸国からの支持があるのだとか。

外交上、日本がアフリカ諸国の支援を行うことに対して僕は否定はしません。アフリカ諸国が貧困にあえぐことは、地球規模において大きな問題となりかねないからで、先進国の一員としてこれら国々に援助をすることは日本の国益にもかなうことでしょう。それにしても、今回の支援策は、一ドル100円として、金融支援として5年間で総額2500億円、円借款に5年間で最大4000億円、二つ合わせて6500億円という規模の高額支援です。

その一方、日本国内、とりわけ社会保障に目を向けると、その状況は年々厳しくなっています。小泉内閣以降、政府は社会保障費の伸びを年間2200億円抑制するという方針が出されていますが、医療、福祉、年金といった社会保障制度の根幹を揺るがす問題は枚挙にいとまがありません。その理由は財政的なバックアップがないことであることは明白です。

政府が行う政策は日本に住む全ての国民からの税金で成り立っています。外交面での援助も社会福祉、教育、公共事業、防衛、農林畜産業、漁業等も財源の根本は税金です。政府、ならびに国会はこれら税金の使い道をどのようにするか考え、使っていくかを決定する機関だといっても過言ではないでしょう。アフリカ諸国への援助が長い目でみて日本の国益にかなうなら、税金の使い方としては正しいのかもしれません。けれども、今回の会議での大盤振る舞いをみるにつれ、政府はもっと足元を見ないといけないのではないかと強く感じるのです。

医療現場で働く人間として、今の医療、介護の現場が如何に大変か?限られた条件の中で医療、介護現場で働いている人たちは必死で毎日を過ごしているのです。本当に財政に余裕がないのであれば、我慢することは仕方がないでしょうが、今回のニュースのようなことや昨今の各省庁の特別会計、それにまつわる無駄遣い報道を知るにつれ、本当に必要なところに金がまわっているのか、疑問に感じるばかりです。

アフリカを大切にするのはいいですが、もっと日本国内の様々な諸問題に投資すべきではないだろうか?今回のアフリカ諸国支援の大盤振る舞いをみるにつけ、その思いを強くする歯医者そうさんでした。


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