歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2008年05月22日(木) 仕切りたがる人に思うこと

先週末、僕は歯医者仲間同士の勉強会に参加してきました。歯周病をテーマに専門雑誌に投稿されている論文を輪読し、議論を交わしていく勉強会で、僕自身、毎回参加する度に自分の至らなさを知るとともに論文や他の参加している歯医者の先生からいろいろと刺激を受けます。

今回、この勉強会にあるベテランの先生が初めて参加されました。初めての勉強会ということで会の雰囲気に慣れるのが一苦労ではないかと思ったのですが、この先生は最初から何かと積極的に発言されていました。僕自身、この勉強会に参加した当初は、参加されている先生方の様子や会の進行具合を観察し、会の雰囲気に慣れるのに時間がかかったものですが、この先生は初対面であるにも関わらず自ら発言を繰り返されていました。
それだけであれば僕は気にならなかったのですが、会が進行するにつれ、この先生、自分で勉強会を仕切ろうとすることまで言い出されたのです。

「いらないことは言わないでもっと論文に集中しませんか?」
「この手の話は会が終わってからにしましょう」などなど。

勉強会が終わってから食事に出かけたのですが、その際にも
「行く先は既に決まっているでしょうね?」と言い出される始末。

世の中に何事も仕切りたいと思う人はいるものです。自分で何らかの集団でリーダーシップを取り、参加している人たちを引っ張っていくことを生きがいとしている人は確実に存在するでしょう。この手の仕切り屋の方が必要であることは間違いありません。何らかの集団を統合するにあたり、参加する人たちを束ねる指導力がある人がいなければ集団自体が成り立たなくなります。

僕自身、仕切る人がいることの重要性は理解しているつもりです。ただ、今回の先生のようにまだ参加して間も無く、参加者の人となりを理解せず、会の方針、歴史を理解しないまま、自分の思い通りに仕切ろうとする態度を見せるのは如何なものかと思います。
何らかの団体の長となる人は、長期にわたり団体で下積みを重ね、仕事を熟知し、周囲の信頼を得て初めて先頭に立てるもの。こうした人が長になれば、人を動かす仕切りはリーダーシップとなり、組織や団体、そして、構成員の皆に大きく益するものになりますが、周囲の状況を何も考えず、KYで、すなわち、空気が読めず自分の思い込みだけで人を動かし仕切ろうとしても、周囲の人間には煙たさが残るだけではないでしょうか?自分の考え、主張を展開することは大切なことではありますが、自分が新参者であるならば、まずは新参者としていろいろと学ばなければならないことがたくさんあると思うのです。このステップを経ず、無視して仕切ろうとしても周囲の人は戸惑うだけではないだろうかと感じました。

こんなことを書くとお前は保守的だと言われそうですね。状況によっては新参者のパワーによって閉塞していた状況が一気に打破され、改善されることもあるとは思いますが、一種の荒療治で、人間関係にかなりのしこりを残すリスクがあることを覚悟しなければいけないのではないかと思います。


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