歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2008年05月16日(金) 学ラン、丸刈り未経験

昨日、一日の診療が終わり診療所の後片付けをしていた時のことです。嫁さんが僕に尋ねてきました。

「そうさん、今晩は何を着ていくの?」

このようなことを嫁さんが僕に尋ねる時は、僕が外出することを意味しています。
僕は診療の傍ら地元歯科医師会の仕事をしているのですが、地元歯科医師会の会合は診療が終わった夜の時間帯にあるのが常です。会合といっても若手の先生同士の集まりがあれば、年配の先生を交えて集まりもあったりします。また、講演会が予定されている時もあります。最近、僕は講演会で司会をすることが多い立場であるせいか、講演会の予定の場合はスーツに着替えて出かける機会が多くなっています。昨夜も地元歯科医師会主催の講演会があり、僕はスーツに着替える必要があったので、僕は嫁さんにスーツの用意をして欲しいという返事をしたのでした。

スーツ姿で地元歯科医師会へ向かう道すがら、僕は自分の格好のことを考えていました。診療所では僕は常に白衣を着用しています。白衣といってもいろいろなタイプの白衣がありますが、僕が着用しているのは、いわゆる”ケーシー型”の白衣です。このようなタイプの白衣ですね。

仕事場である診療所は僕の自宅の隣ですから、僕の格好は一日の大半が白衣姿であると言っていいでしょう。この点、会社勤務の男性とは随分と異なります。
会社勤務の男性は、常にスーツ姿である人が多いはずです。昨今の夏場であれば、クールビズということでラフなカジュアルウェアを着る人もいるかもしれませんが、それでも男性会社員の服装はスーツが基本であることは誰も否定しないのではないでしょうか?
この点、僕とは随分の状況が違いますが、僕はスーツを着ることに抵抗感はありません。歯医者仲間の中にはネクタイを結んでスーツを着ることを面倒くさがる人もいますが、僕はそのように感じたことは一度もないのです。
どうしてだろう?自問自答してみると、答えは学生時代にあるのではないかと考えました。

実は、僕は中学校、高校と某私立学校へ通っていたのですが、その学校の制服はスーツだったのです。中学校からネクタイを締め、スーツで6年間通っていたのです。中学に入学した当初は、ネクタイの結び方がわからず四苦八苦していたものです。ネクタイの結び方には何通りかあるのですが、たった一つの結び方さえわからなかった当時の僕は、親父の結び方を見よう見真似で何とか覚えようとしていたものです。そのうち、ネクタイ結びにも慣れ、スーツで学校へ通っていたのですが、中学、高校の6年間という青春時代にスーツに体が慣れてしまったことはスーツに抵抗感がない理由ではないかと思います。

その一方、今更ながら僕はあることに気がつきました。それは、詰襟学生服、いわゆる学ランを着たことがないという事実です。中学、高校で制服といえば学ランです。今でこそ、学校の制服はおしゃれになってきたといえるでしょうが、少なくとも僕が中学、高校時代はまだまだ学ランが制服の主流でした。そんな学ランを僕は着ることなしに中学、高校時代を過ごしたのです。
それだけではありません。僕は丸刈りをした経験がないことにも気がつきました。かつて、中学生、高校生の生徒は丸刈りが定番だったはずですが、少なくとも僕の記憶がある限り、髪の毛を短く刈った丸刈りをした記憶はありません。どこか運動部に入部していればそんな機会もあったでしょうが、運動部で部活を経験したことがなかったために頭の毛を“カツオ”にしたことがないまま大人になった歯医者そうさん。

これが良いことか悪いことか?僕が結論を出すことはできませんが、どんな人でも青春時代に経験をしていないことにほのかな憧れを抱くことってあるのではないでしょうか?今となって学ランを着たり、丸刈りをしたりする機会はないでしょうし、自ら率先して学ランや丸刈りを体験しようとするつもりはありません。ただ、もし僕が学ランや丸刈りをしていたらどのように感じていただろう?どのように見えていたでしょう?
そんなことを考えただけで思わず笑ってしまった、スーツ姿の歯医者そうさんでした。


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