先週末、僕はあるものを買い換えました。あるものとは嫁さんの携帯電話。かつて携帯電話の使用にかなりの抵抗感のあった嫁さんでしたが、今ではメールを中心に器用に使っています。いわゆるママ友同士の連絡や小学校の電話連絡網の代わりのメール連絡システムの利用など、携帯電話は嫁さんにとっても生活必需品の一つとなっています。
そんな嫁さんの携帯電話でしたが、今まで使用していたものは購入して5年が経過しました。携帯電話の基本機能は問題はなかったのですが、それでも電池のもちが悪くなったり、傷が目立ったりするようになってきました。ぼちぼち携帯電話を買い換えてもいいのではないか?そんな思いから携帯電話を新しい機種に変更したのです。
新しく機種変更した嫁さんの携帯電話は、スリムなタイプのものでした。見た目がおしゃれになっただけでなく、カメラ機能も性能が良くなり、地上デジタル放送も見ることができます。しかしながら、嫁さんは悪戦苦闘です。
「性能が良くなったのは何となくわかるんだけど、新しい機能が増えて何処をどのように使いこなせばいいのか、よくわからないね。」
嫁さんの気持ちよくわかります。何事でもそうでしょうが、新しいことをし始めたり、新しい物を使い始めたりすると、当初は非常に戸惑うことが多いものです。ある程度使い方、使用方法を調べ、対応しているつもりでも、実際に使ってみると思わぬトラブルに巻き込まれたり、想定の範囲外のことに遭遇します。遭遇するだけならまだしも、どのように解決すればいいか、方策に時間を費やしてしまい、基本的な使い方さえマスターできずに時間だけが経過していく、焦りばかりが募ることがあるものです。
これは歯科治療でも同様です。新しい材料、治療方法を実際の臨床に取り入れようとしたとします。かなり前準備をしていても、実際に使用してみると自分でも感じることができなかった様々な点に悩まされ、思ったように自分の新しい選択肢となることができずに焦ってしまうことがあるのです。
それでも使っているうちにいつの間にか自家薬籠中のものとなり、新しい技術、知識を自分の物にできた時には喜びもひとしおです。何か新しい世界をみつけ、自分の物にできたかのような新鮮な感動さえ感じられるのです。そうなればしめたものですが、そこにいたる道はなかなかに厳しいものがあるもの。 器用な方であれば、何物でも何事でも新しい未知のことにチャレンジし、新しい自分を開拓していくものですが、僕は元来不器用な人間なので、ついつい保守的になりがちです。よく言えば慎重派なのかもしれませんが、実際は新しいものを手に入れたり、チャレンジすることに奥手なのかもしれません。
そうこういいながらも嫁さんは新しい携帯電話に少しずつ慣れているようです。習うより慣れろといいますが、嫁さんはまさしくこのことを実践しているようです。
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