歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2008年05月09日(金) 君島十和子の力は偉大

どのような社会、業界にも流行があるように歯科業界にも一種の流行があります。流行といっても様々で、治療法の流行であったり、材料や治療器具等々の流行があるものです。
最近、歯科業界の中で流行になっているもの一つにセラミックによる被せ歯があります。

セラミックによる被せ歯そのものは以前からあったもので決して最近に開発された代物ではないのですが、今流行なのは一種の人の手ではなく機械化された手法で作るという方法なのです。住宅、住居などを設計する際に使用されるCAD/CAMというコンピュータソフトを使用して設計、加工する手法がありますが、これを被せ歯製作に応用したものなのです。

被せ歯の製作に人の手を使わず、CAD/CAMを使用して作るとなると、何だかすごいシステムのように思いがちですが、当初は使いものになりませんでした。せっかく作った被せ歯が口の中で合わず、何度も作り直すようなことが頻発したからです。ところが、技術革新はバカにできないもので、何度も試行錯誤を繰り返しながら使い物になるくらいの精度の被せ歯ができるようになってきたのです。
また、セラミックというと一種の陶器の材料そのものですが、これは見た目はきれいなのですが、強度に問題があるものです。被せ歯においてもそうで、被せ歯全てをセラミックで作ると使用しているうちに欠けたり、割れたりすることが多かったのです。ところが、この弱点も技術革新のおかげで徐々に改善され、今では長年の使用に耐えうるセラミックによる被せ歯が出来上がってきたのです。

実は、歯科業界で流行になってきた理由がもう一つあります。それは、このセラミックで作った被せ歯を女性有名人が使用し、しかも、自らが広告塔となって宣伝しているからです。その有名女性人とは君島十和子。女性の方なら知らない人はいないでしょう。美のカリスマとして今や各方面から引っ張りだ女性のようですが、彼女が前歯にこのセラミック製の被せ歯を利用し、しかも、自らの口元を見せながら微笑んでいる写真を掲載したパンフレットなどがあるからです。このパンフレットを歯科医院においたところ、女性を中心にした若い患者さんからの問い合わせが殺到し、興味を持つ人が後を絶たず、中には自らの歯にこのセラミック被せ歯を使用する人がいるというのです。有名人の宣伝効果が絶大なことは既に知られているところですが、歯科界においても同じことが言えるわけですね。君島十和子の力は偉大です。

審美がよく強度も得られ、耐久性が保証されているセラミック製被せ歯ですが、気になることもあります。それは、開発されたのが最近のため、今後セラミック製被せ歯がどのように経過していくか、誰もわからないことです。一説によれば、これまで普及してきた表面だけをセラミックにして裏面を金属にしたメタルボンド冠と呼ばれる被せ歯よりもツヤ、輝きがもたないとも言われています。この点、注意が必要でしょうね。


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