歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2008年03月27日(木) タフトブラシってご存知ですか?

皆さんは歯ブラシと聞いて真っ先に思い出すのが、このような歯ブラシでしょう。
ヘッドの大きさ、幅、毛の列数、毛の柔らかさによって多種多様なものがありますが、概ね下の写真のような写真が歯ブラシと言えます。


同じ歯ブラシでも歯と歯の間を磨く歯間ブラシは下の写真です。





それ以外にこんなブラシもあります。






これはタフトブラシと呼ばれる歯ブラシです。通常の歯ブラシと比べ随分と小さなヘッドであることがわかると思います。





既に歯科界でこのタフトブラシが導入されてから10年以上になると思いますが、非常にユニークな形でありながら歯の清掃効果が期待できる歯ブラシです。

例えば、
普通の歯ブラシで磨いていてどうしても歯と歯肉との境目(専門的には歯頸部といいます)に磨き残しがある場合、歯と歯が重なり合っている場合、

歯と歯の境目や歯と歯茎の境目に普通の歯ブラシで磨こうとしても毛先が届かないような場合

歯の矯正治療中、固定式の矯正装置を装着している場合の歯の清掃

歯肉から出ようとしている永久歯の清掃

ブリッジを装着している人で、ブリッジのダミーと呼ばれる歯が無い場所の清掃

入れ歯を使用している人で、入れ歯と接している天然歯などの清掃

等々に効果があります。

また、患者さんの中には、いわゆる、嘔吐反射が激しい人がいます。奥歯に物を入れるとそれだけで“オエッ”と吐いてしまうような人です。口の中の粘膜や咽喉の粘膜が過敏で直ぐに嘔吐してしまう反応を示すのですが、こうした嘔吐反射の激しい人の場合、歯ブラシを奥歯に入れようとしても嘔吐反射が起こり、充分に奥歯を磨くことができずにむし歯になったり、歯周病になったりするのです。
こうした人の場合、タフトブラシは重宝します。ヘッドが小さいため敏感な粘膜を避けながら奥歯だけを的確に当てて歯磨きをすることが可能だからです。僕自身、これまで何人もの嘔吐反射の激しい人にこのタフトブラシを勧めていますが、評判が良いです。

タフトブラシはヘッドが小さい分、通常の歯ブラシに比べ歯磨き時間がかかってしまう欠点はありますが、歯の隅々まで当てて掃除できることから、歯医者の中には全ての患者にタフトブラシの使用を勧めている人もいます。

興味のある方は一度お近くの歯医者さんに問い合わせてみては如何でしょうか?


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