歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2008年03月13日(木) お上には逆らえない現状

今日の話は直接歯科の話とは関係ありませんが、あまりにもひどい話だと思い、思わず書いてしまいます。

まずは、このニュースからの引用です。

政府は12日、岩国市の福田良彦市長が在日米軍再編に伴う空母艦載機部隊の岩国基地移転の受け入れを表明したのを受け、凍結していた新市庁舎建設補助金35億円を全額支給と正式に伝えた。再編交付金についても近く対象自治体に指定し、百数十億円程度を支給する。いずれも年度内の支給を目指す。
 福田市長は12日昼、石破茂防衛相と会談し、改めて移転を受け入れる方針を示した。政府はこれを受け、補助金の支給を伝えた。福田氏は先月10日、米空母艦載機の移転の是非が争点となった同市長選で当選。同月28日の市議会で受け入れを表明していた


このニュースを見て、僕はゾッとしました。国の方針である米国空母艦載機部隊の基地移転の受け入れをしなければ、新市庁舎建設補助金は出さないし、再編交付金も支給しないという話。
国が一度決めた方針に逆らえば、地方自治体といえども金を出さないという非常に露骨な嫌がらせとしかいいようがありません。一体どうした経緯で米国空母艦載機部隊の基地移転の話が出てきたのか詳細はわかりませんが、いずれにせよ国が地方自治体の意思を考えず、トップダウン式で受け入れを強制する。ただし、国の話を受け入れれば金は出してやるというまさにアメとムチの方策です。
国の安全保障のこと、日米関係を考えれば、どこかの地方自治体が犠牲を強いられるのは仕方のないことかもしれませんが、それにしても国の方策を受け入れなければ金を出さずに兵糧攻めにしてしまうやり方はあまりにも地方自治体をバカにしていないかと考えざるをえません。権力を持っている者の強みです。

どうしてこのようなことを書いたかといいますと、国の意向、権力は絶対的なものがあることを改めて感じたからです。
僕が携わっている医療を含めた社会保障に関してもそうです。国の力は絶大です。絶大なのはいいのですが、国が示す政策が間違っていれば、混乱は現場に生じます。今の医療はまさにその状態。どうも国は、国の官僚は、実際の医療現場をことを考慮せず、自分たちの机の上の考えだけで政策を考え、押し付ける。その結果、うまくいけば自分たちの手柄とし、上手くいかなければ責任を取らず、天下る。

現在、救急医療や産科、小児科医療、地域病院医療が機能せず、麻痺状態であることが言われていますが、最終的にこれら医療を統括するのは国です。国の責任において医療が進められた日本の医療。多くの批判、嘆きの声があったとしても、国が動かないと何も解決しない現実。結局、医療を含めた社会保障も安全保障も国の意向が最優先されるのか?
何だかむなしいものを感じざるをえなかった、歯医者そうさんでした。


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