2008年02月28日(木) |
学校保健委員会ってご存知ですか? |
昨日、僕は地元小学校で開催された学校保健委員会に出席してきました。 学校保健委員会はあまり聞き慣れない委員会ではあると思いますが、一体どのような委員会なのでしょう?
学校では、年齢や地域的な特性に応じて生徒たちの健康を維持、管理する義務があります。学校で生徒たちは様々なことを学び、体を鍛え、将来大人として自立していくための基礎を学ぶわけですが、自分の体の健康を如何に管理し、維持していくかということも学ばなければなりません。学校では通常の授業の合間にこうした健康に対する保健教育を行っているわけですが、保健教育は学校の教員だけではカバーしきれない所があります。保護者の理解協力が不可欠ですし、公立学校では教育委員会の支援が欠かせません。そして、医学の専門知識を持つ専門家の関与も不可欠です。
各学校では、学校保健法により学校医を、大学以外の学校には学校歯科医、学校薬剤師を置かなければならなことになっているのですが、医学の専門家による生徒たちの健康管理への関与が学校保健法によって決められているのです。 こうした児童、生徒たちの保健教育、活動に携わる人たちを一同に介し、情報交換を行う場が学校教育委員会なのです。学校長が開催を要請し、生徒会の代表、教職員の代表、PTAの代表、地域保健機関の代表、そして、学校医、学校歯科医、学校薬剤師が集まり開催されるのです。昨日、僕は地元小学校で僕が学校歯科医を行っている小学校での学校保健委員会に参加してきたわけです。
昨日の学校保健委員会では昨年行われた様々な検診結果をもとに、意見交換が行われました。僕も歯科の立場から検診結果に対する考えと今後の課題について意見を述べました。具体的には、むし歯の数は少なくなっており好ましい傾向であるが、その反面歯肉に炎症がある歯肉炎の生徒が目立ってきたことを指摘し、歯磨きの重要性を訴えるとともに、生活習慣を見直す重要性を伝えました。最近は夜型の生活をしている児童、生徒が多くなってきており、その際、どうしても口の中が寂しくなり間食をしてしまう人が多い。そのことが歯を悪くする一因になっていることを伝え、単に子供だけを注意するだけでなく、保護者自身が手本となって間食をしないようにすることが大切ではないかという意見を言いました。
歯の健康を考えると、むし歯や歯周病といえば単に歯や歯肉の病気だと思いがちですが、これらが起こる背景には食事習慣をはじめとした生活習慣が大きく影響しているのは間違いありません。歯の健康を考えることは、単に歯や歯肉の病気を治すだけではなく、生活習慣を見直すきっかけにもなる。児童、生徒時代に正しい健康の知識、生活習慣が身につけば、大人になってから健康を維持する一助になるのではないか?と感じました。
学校保健委員会の中では興味深い話も聞きました。給食担当の先生からの報告だったのですが、最近の児童、生徒たちは食べ残しが少なくなったのだそうです。このこと自体は非常に好ましいことではあるそうですが、その一方で別の悩みも出てきたのだとか。それは、給食が足りないと訴える児童、生徒の割合が増えてきているのだそうです。実際の給食は各学年、クラスの状況を考えながら献立を考え、量も調整しているそうですが、以前であれば食べ残しが多かったのが、食べ残しが少ないどころか、おかわりを要求する児童、生徒が増えてきたそうなのです。児童、生徒たちの栄養状態は極めて良好だそうで、自宅でひもじい思いをしているようには見えないとのこと。児童、生徒たちの食事量が増えてきたと結論付けるには時期尚早ではあるが、注意深く観察していく必要がある。朝食を抜いて学校に来るといった生活習慣が影響している可能性があるかもしれないということを言われていたのが印象的でした。
今回の学校保健委員会に参加して学校教育、学校保健の大切さを改めて感じた、歯医者そうさんでした。
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